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唐澤塾
唐澤豊が情報通信技術+経営術+人生術+創造性を中心に一期一会を追求する私塾
ソフトバンクの通信障害の教訓
日本躾の会の会報「ふれあい」の383号(2019年3月発行)に以下の投稿が掲載されました。

先日、ソフトバンクの移動通信回線が全国的に約四時間半も使えなくなるという大規模通信障害が発生し、多くの利用者が混乱に巻き込まれた。スマホでキャッシュレスを実践していた利用者は財布と携帯電話を同時に紛失したのと同じ状況になった訳で、仕事に支障を来した人もかなりいたようだ。電子チケットも普及して来たため、スマホが使えないと、チケットを見せることができないとか、宅配業者のドライバーと連絡が取れないとか、お客様からの予約が取れない飲食店など、様々な分野にも被害が及んで、スマホ依存社会の問題点が洗い出された感じだ。
また、混乱に乗じて詐欺を働いたり、デマ情報を流したりする火事場泥棒のような輩も出たとのことで、混乱に更に拍車がかかったようで、相変わらず愉快犯が出没したのは困ったものだ。
実は私もソフトバンクのサービスでスマホを利用しているが、孫の幼稚園で開催された学芸会を見に行っていて、終了後は長女の家のワイファイ(WiFi:高速無線LAN)に接続していたので、障害のことは帰宅するまで気付かなかった(後で述べるがこれがひとつの障害対応策となる)。

この原稿を書いている時点では、まだ障害の原因は詳しくは報告されていないが、移動通信の基幹部分を構成する通信機器のソフトウェアーに不具合があったようだ。その通信機器はスウェーデンのエリクソン社が世界に提供しているもので、英国やヴェトナムなどの移動通信事業者でも同時に起きていたそうだ。公式発表では「ソフトウェアー証明書の期限切れ」が障害の原因とのことだが、そんな単純な問題なら、もっと早く対応できたはずだし、そもそもそういう場合はまともなソフトウェアー開発企業なら警告を出すようにするはずだ。それが出るようになっていなかったことが原因と私は推測している。
また、現在は自社で移動通信回線を持たなくても、他社から借りて通信サービスを提供することができるので(これを仮想移動通信事業者と言う)、日本通信やLINEモバイルなどソフトバンクから移動通信回線を借りている事業者も同様の障害に晒された。
通信事業者を所管する総務省はこの障害を大規模障害として、ソフトバンクに報告・改善策を求めることにしたようだ。

今回の障害について、ネットでは様々な情報が飛び交っている。家族割に釣られて一家全員ソフトバンクにした家族はお互いに連絡も取れずに大変だったとか、テロリストの仕業だと思ったとか、新しい電子マネーのサービスのせいではないかと思ったとか、やはりデジタルに頼り過ぎないように現金とガラケー(旧式の携帯電話)が安全だとか、責任はソフトバンクにあるのかエリクソンなのかとか、通信機器は国産に規制すべきだといったものだ。
そんな中、まともな意見もある。それはこうした障害に備えて二重化は常識だ、というものだ。私もこれには賛成である。大手企業のネットワークシステムは通信事業者を一社に頼ると、万が一の自然災害などで通信が断絶することもあり得るから安全性確保のために、二社、三社に分散しているのだ。それは基幹通信事業者といえども、同じことで、ソフトバンクは二重化をやっていなかったということだ。

さて、スマホ依存社会の問題点が噴出した今回の問題だが、これを教訓として、個人利用者としては通信障害対策をどうすれば良いか?について以下に述べる。

先ずは簡単な話から。これは障害時とは直接関係ないが、スマホがガラケーと違うのは、通話回線とインターネット回線を持っていることに注目して欲しい。ガラケーだってデータ回線があるよ、と言う人がいるかも知れないが、データ回線は事業者内の閉ざされた回線であり、インターネット回線は世界中のどこにでも世界標準の「インターネット・プロトコル(接続方式)」で繋がることである。そして、今はメッセンジャーと呼ばれるアプリがスマホ用に無料で提供されており、音声通話、ビデオ通話、絵文字を含むテキストチャット、写真やビデオの交換などができるようになっている。具体例ではLINE、フェイスブック・メッセンジャー、スカイプなどがある。これらは無料なので、電話代を節約する意味でも常日頃使っている人は増えている。しかもインターネット定額契約や無料ワイファイ経由で使えば、追加の通信料も発生しない。だから私も、ワイファイがあるところでは必ずと言って良い程、接続を切り替えて使っている。こうすれば、移動体通信事業者で障害が発生した場合でも、通話もメールもインターネットも利用できるし、家族割で全員同じ事業者であっても問題はない。
しかし、この場合にも気を付けないといけないことがある。それは、スマホ事業者とインターネット事業者を分けることである。同じだとインターネット回線に障害が起きると(機器障害だけでなく、自然災害もあるから)、一社に頼っていては通信手段を失う可能性があって危ない。(下記概念図参照)今回の場合も、単に移動体通信の障害だけでなく、一部インターネット・サービスでも影響が出ていたようだ。
移動・固定通信網の二重化概念図LR
実際に今回の障害時でも、ソフトバンクのショップでは、固定インターネット回線にファイワイ機器を繋げて店内で使えるようにしてあるため、賢い利用者は、店の前でワイファイを使って連絡を取っていた光景が放送されていた。
こうしたことは日頃から使っていないと、障害が起きた時に慌てることになる。災害時に通話ができない場合は特定の番号に電話して家族や親戚と連絡を取り合うことができるサービスがあるが、滅多に使うことは無いから、あれ、どうすればいいんだったかな?と戸惑ってしまうだろうことは容易に想像できる。

また、移動体通信事業三社はガラケー時代に始まったショートメールを進化させた+メッセージというサービスを三社共通仕様で提供し始めた。これは前述のメッセンジャーと同じような機能を提供しており、電話番号さえ判れば通信できるから、アプリのダウンロードも不要となるから、今後、利用者が増えるものと思われるから、今のうちに使い慣れておくと良いだろう。
今、移動体通信事業者が開発しているのは第五世代方式(5G)と呼ばれるもので、通信速度が非常に早く、遅延も少なく、信頼性も高いものにすることを目指しているが、車の自動運転などにも使われる予定で、今以上にあらゆるものが繋がる通信網になるので、安全性・信頼性の確保がカギとなるだろう。そういう意味では、ソフトウェアーのプロが新しいソフトウェアーの導入にどう対応しているかを紹介しておきたい。彼らは、新しいソフトウェアーには不具合、いわゆるバグと呼ばれるものが必ず入っていることを自らの体験で知っているので、直ぐに新しいものには飛びつかず、最低一年間くらいは様子を見て、問題が解決されてから使うようにしているのだ。スマホは毎年のように新製品が発売されるが、直ぐに飛びつくのは新しもの好きの素人ということになる。価格的にも一世代前のものの方が安い場合が多いから一石二鳥なのだ。


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大人の躾とネチケットー後編
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日本社会の弱点
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インテル中興の祖「アンディ・グローブの世界」はお勧めです
加茂純+大谷和利 著 インテル中興の祖「アンディ・グローブの世界」 同文館出版 発行 を読みました。

Andy Grove World

私も在職中には何度かアンディーとはやり合ったことがあり、この本にも書かれているように、私はナショナリストだというレッテルを貼られて、それが払拭されることは無かったように思います。

それでも、品費・信頼性の議論の中で「氷山の一角」という言葉を英語で説明しながら話した時には、目を輝かせて興味深く聞いてくれたことは鮮明に覚えています。

彼がインテルでやって来たことの良い点はこの本に色々と書かれていて、変化の激しい情報通信業界で、これから起業しようとする人、経営者を目指す人、社内改革を目指す人、今の会社の上層部に不満を持ち、転職を考えている人などには、経営者はどうあるべきかを示すものだと思いますから、お勧めです。そして、この本の中にも書かれているように、他の業界でも、インターネットにより激変することが予想されるので、どの業界にも通じる経営の教科書になり得ると思います。

今、政府主導で「働き方改革」が叫ばれていますが、私から見ると、日本企業が今やっていることは、ITツールの開発や導入など、表面的なことばかりで、それでは本質的な生産性向上には繋がらないと考えています。
1990年頃にも「ホワイトカラーの生産性向上を!」ということが叫ばれていましたが、あれから30年になろうとしていますが、日本の生産性は諸外国に比べると、低下の一途です。いわゆる「失われた30年」になっている訳です。
もっと本質的なところまで踏み込んで、日本の常識とか商習慣だとか言っているものを打破しないと革新的な生産性向上は見込めないでしょう。いつまで、紙の稟議書にハンコを押すようなことを続けるのか?それを単にデジタル化すればいいと思っているのか?それでは1.5倍にはなるかも知れないが、アンディーの言っていた、10倍にはならないでしょう。
こうした点についても、アンディーがやって来たことは非常に参考になると思うので、この本は「働き方改革」を考えるひと、携わる人、推進する人にとっても必読書です。

インテルが品質・信頼性で低迷していて、品質改善運動を始めた時の最初の上層部のトレーニングに、私も参加し、アンディー他、半数くらいの副社長や事業部長が居るところで、UCバークレーの教授が、トヨタとGMの合弁会社で如何に品質を上げたか?という調査報告を聞いたアンディーは「そんなこと言ったって、売れない車の在庫を増やしているだけで、経営は悪化しているだろ?」というコメントをして一同、びっくりしたことがあり、おお、成る程、言われてみればそうだと感心したことを強烈に覚えています。売れる車を設計することと、品質を上げ、生産性を上げることとのバランスが重要だということですね。

強いて彼のやって来たことで、問題点を挙げるとすれば、後継者を育てるという点においては、結果的に必ずしも成功したとは言えないと私は考えています。
この本にも書かれているように、インテルはメモリー中心のビジネスからマイクロプロセッサー中心にシフトしましたが、そうなると、それまでにマイクロプロセッサーを押し上げて来た副社長が次期社長になるのは当然と社内では見ていましたが、コンピューターには疎かった彼は、マルチメディア事業にも進出すべきという副社長には反対でしたが、首を掛けてもやるか?と聞いて、そこまで言うならやってみろと、失敗を見越してやらせたという噂でした。
そしてその副社長は引責辞任しました。
アンディーの後を継いだのは、品質管理の専門家、経理の専門家で、在職中に、議論したことのある人ですが、社長としては、どうかな?という人たちでした。

その後の社長は若い頃、アンディーに見初められた人のようですが、私は一緒に仕事をしたことがない人たちなので、彼らの資質はわかりませんが、結果論からすれば、イマイチだったように思います。
その理由は、昨年の売上ではとうとうサムソンに抜かれてしまったのですが、もっとやりようはあっただろうと思うからです。

サムソンにしても、ここまで成長した発端は、インテルがメモリーで日本企業に攻勢を掛けられて、厳しくなった時「敵の敵は味方だ、だからサムソンを助けて強くするんだ」というメモリー担当副社長の意見で、1985年頃から、インテルの技術者を送り込み、技術供与して、メモリー事業の立ち上げを強力に支援したのです。
これに対して、我々、インテル・ジャパンの人間は、そんなことをしたら、将来は絶対しっぺ返しを受けることになるから、止めた方がいい、と言ったのですが、聞き入れられませんでした。
そしてサムソンの躍進が続き、メモリーだけではなく、半導体の総売り上げでインテルを追い越すことになったのです。
その間、約30年です。

アンディーの言葉で、私が思い出すのは;

Quick or dead!(短期決断、さもなくば亡ぶ)
Our competitors are ourselves!(我々の競合は我々自身だ。トップを走っている企業の最大の敵は自分自身の慢心だ。)
Only paranoia survives!(パラノイア的な企業だけが生き残る。)

といったところですね。

そして、インテル・ジャパンを立ち上げた社長・副社長からよく聞かされたことは;

「アンディーからは、生産性を上げる方法は学生の時にカフェのバイトをしていた時の経験が基になっているんだ、それで私は店長になったんだ、と言って、タバコを取り出して、テーブルの上に並べながら説明してくれたよ」
「朝のカフェのお客は皆急いでいるから、如何に早く注文されたをもの出し、お客の回転を早くするかで、売上が増えるんだ。そして、殆どの注文は、コーヒー・トースト・目玉焼きだから、調理時間の長いものから調理するんだ、それは、半導体の工場でも基本は同じだ、と言ってたよ」

ということで、素人にも解りやすく説明することは上手だったように思います。

唐澤豊@唐澤塾

【2018/08/30 12:41】 推薦図書 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
半減期約1570万年のヨウ素129がフクイチからヨウ素131の31倍の量が放出された
今頃こんな情報が出て来るなんてびっくりです!

皆さん、知ってました?ヨウ素129は半減期約1570万年、フクイチからはヨウ素131の31倍の放出量だったといった情報が事故直後には既にあったのに、大きく報道されなかったのは大問題ですよね?

こんなに長い半減期って、ほぼ永久的に放射線を出し続けるということです。
今から1500万年前って、猿人さえもいなかった訳ですよ。猿人の出現は300万年から400万年前くらいということですからね。
これから1000万年後に人類は生存しているんでしょうか?少なくともこのままの状態では日本人は絶滅しているのではないかと思います。

しかも、米国では、多分、米軍の測定データを元に、事故直後に知っていたということです。また福島医大はこれを知って調査をしていたけど、日本語で情報を発信していたのか、海外向けに英語だけで発信していたのか不明です。
少なくとも、日本のマスメディアはこのことを報道していなかったですよね?

文部科学省は2012年1月24日に「福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の分布状況等調査について」という発表資料の中で、ヨウ素129の調査を実施中と発表していたようです。

フライデーは2014/3/7号で、福島医大の悪名高き山下は、被災者にヨウ素剤を配布する必要は無いと決定したが、身内だけにはヨウ素剤を配布していたことを報じていました。
フクイチ事故の対応で極悪非道の人間の中で最悪な山下は極刑に処するべきで、他の国でこんなことをすれば、民間リンチに合うのではないかと思うくらいです。

以下は
「1060.ヨウ素剤を身内だけで内服していた福島医科大学(院長の独り言)」
より

・フクシマ事故直後の福島県立医科大学では、ヨウ素剤をいち早く配布・内服していた。
・日本全国からヨウ素剤を100万錠以上集めながら、三春町をのぞきほとんどすべてが廃棄された。
・鼻血を起こす被爆はなかったと言うが、それならなぜ自分たちだけヨウ素剤を内服していたのか。
・フクシマは「安全」だと主張している人間達は、つねにその言葉とは真逆の行動をとる。
・鼻血騒ぎで「風評」を連呼するのは、いったい誰を利するのか。

【以下抜粋】

身内だけには配っていた

 だが医大内部資料によると、医師たちは秘かにヨウ素剤を飲んでいた。医大は、県から4000錠のヨウ素剤を入手。ー号機が水素爆発した3月12日から配り始め、多いところでは1000錠単位で院内の各科に渡していた。しかも、医療行為を行わない職員の家族や学生にも配布。資料には「水に溶かしてすぐに飲むように」と、服用の仕方まで明記されているのである。


http://www.asyura2.com/14/genpatu37/msg/751.html

ヨウ素129関連情報を辿ると、Arjun Makhijani氏が2011年3月13日の時点で書いた「福島第1原発事故のこれまでに判明した事実、分析と今後に起き得る可能性」という情報があり、米国ではこの時点で警告し、その後、福島医大は同年3月には近くの葉物野菜から119万ベクレル/Kgを検出していたとのこと。
また同氏はこれを元に、フクイチ事故はチェルノブイリを上回る大惨事と、事故直後のこの時点で警告を出していました。

それに、3千8百万ベクレル/KgがF1から59Kmの葉物野菜から検出されたという情報もあり、かなりの距離まで飛散したこと、植物は大量に吸収していることを示している訳です。

https://www.agreenroadjournal.com/…/38000000-bqkg-radioacti…

また、下記のような情報もあり、使用済み核燃料の管理は10万年とかいった話ではなく、1千万年を超えるものである、ということから、やはり原発は人知を超える化け物であり、やってはいけないものだということを改めて思い知らされるものです。

「ヨウ素129(半減期1570万年)はテクネチウム99(半減期22万年)とともに、使用済み燃料が数千年保存されたあとの放射能の大半を占める。また、使用済み燃料で非常に厄介なのは、超ウラン元素であるネプツニウム237(半減期200万年)、プルトニウム239(半減期2万4000年)。これらの高放射能核廃棄物を安全に生態系から隔離するには、高度な管理が必要になる。」

「ヨウ素131など、短命の放射性核種の量は[福島のほうがチェルノブイリより]少ないだろうが、セシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素129などの長命な放射性核種の存在のために長期的には問題がより大きい。これらの放射性核種は、原子炉の中よりも使用済み燃料プールにより多い量で存在する。それを考えると、日本の関係者が使用済み燃料プールの問題についてほとんど触れていない、というのは驚きである。」

2012/3/17
http://ex-skf-jp.blogspot.com/2012/03/blog-post_17.html

「基準値超の放射性物質検出、福島 トリチウム以外、長寿命も」~東京新聞 2018年8月19日
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018081901001549.html
AI(人口知能)は人間を超えるか?
以下の投稿が日本躾の会の会報「ふれあい」#370、2018年7/8月号に掲載されました。

AI(人口知能)は人間を超えるか?

話しかけると質問に答え、情報を提供し、音楽を再生してくれるといったスマートスピーカー(AIスピーカーとも言います)が売れ始めているようです。

これは音声認識技術と音声合成技術を使って利用者と対話し、話しかけた内容を分析・整理し、AI技術を使って過去に蓄積された大量のデータ(ビッグデータと言います)から答えを探し出して回答するといったことをやっている訳です。

皆さんも、囲碁や将棋で名人も負かせてしまうようなAI技術を使っている賢いスピーカーなのだから、利用者がご主人様なのか、悪用しようとしている他人なのか、などはちゃんと区別できるだろうと思いますよね?

ところが、市販されているものを使って、人間の耳には聞こえないような周波数の音で、疑似的な言葉を発信して実験してみたところ、ハッキング(所有者個人のスマホやパソコンに侵入して個人情報にアクセスすること)ができてしまったというニュースがありました。この試験を発案し、学生たちと一緒に実験してみたのは日本の私立大学の若手教授でした。

こうしたスマートスピーカーを開発・販売しているのは米国を中心とする情報通信分野のトップ企業ですが、このニュースを聞いて、直ぐに対策を取り始めたそうです。しかし、この先生の話では、まだまだセキュリティー(安全性)は甘いとのことです。

ここで言えることは、AI技術は開発が始まったばかりで、囲碁や将棋のような、ある分野に特化したものは、人間よりも賢くなったとは言えるのですが、汎用のAIは、まだまだ始まったばかりで、人間でなければ出来ない知的創造活動は、今から何十年先でも人間を超えることはできないだろうと私は考えています。

新しいものをデザインするということはどういうことかと言いますと、既成の概念・観念を打破し、今迄なかったものを創出することです。それは多分、コンピューターには出来ないと思います。

その理由は、AIと言っても今の技術は、大量の過去データを読み込ませ、分析・整理しているだけで、何も無いところから全く新しいものを創造している訳ではないからです。BGMにするような音楽なら、今迄でも作曲することは出来ていますし、マニュアルとか解説書のレベルであれば、文章を書くことも可能でしょう。しかし、聞く人を感動させるような音楽を作曲したり、売れる詩や小説を書いたりすることは、まだ出来ていませんし、しばらくは無理だと思います。但し、簡単な仕事はどんどんAIとロボットに置き換えられるでしょう。


お陰様とお互い様
以下の投稿が日本躾の会の会報「ふれあい」#370、2017年11月号に掲載されました。

お陰様とお互い様

神戸のマンションで、住人の一人の母親が「子どもには知らない人に挨拶されたら逃げなさいと教えているので、マンション内では挨拶禁止にして欲しい」という要望があり、管理組合で協議した結果賛成多数で可決したとのこと。
社会生活の基本は挨拶からであり、子どもに人を見る目を持たせるためには挨拶はさせて、その反応で判断するように教えないと、逃げたら知恵や判断力が育たない。

初めて渡米した時、ホテルの駐車場と部屋との間を歩く時に敷地内で出会う人には、必ず向こうから「ハーイ!」とにっこり笑って挨拶された。それはショッピングセンターや会社やエレベーターの中でも、やはり同じだった。相手が若い美人の女性だったりすると、最初は、ちょっとドキッとして、こちらも戸惑いながら、小さな声で「ハーイ!」と返すのが精一杯だった。

どうしてそうするのか理由を会社の友人に聞いたところ、米国は銃の所持も自由なので、常に危険が伴うため「私はあなたの敵ではありませんよ」という意味で誰にでも「ハーイ!」と挨拶するのだとのことだった。それで目を逸らせる人や挨拶をしない人は「怪しい不審者」かも知れないという自己防衛上・防犯上の理由からだった。

以前住んでいた柏市では、登校時に家の周囲の掃除などをしていると、知らない小学生が元気よく「おはようございます!」と挨拶するので「おはよう!いってらっしゃい!」と返していた。学校の行き帰りに地元の大人たちに挨拶をするように小学校では指導しているとのことで、少子化で集団登下校もままならない中、不審者の出没も絶えないので、住民と小学校とが一体となった防犯体制である。

このマンション挨拶禁止令の件は、日本では昔からある「お陰様」という、自然や社会から受ける利益や恩恵に感謝するという概念が薄れてしまい、自分ひとりで生きているという身勝手な傲慢さが広がってしまった結果だと思う。

他にも、学校で給食を食べる時「頂きます」と言わせるのは、子どもはお金を払った客であるのだからおかしいとか、満員電車にベビーカーを持ち込むのは邪魔だとか、赤ちゃんの泣き声がうるさいとか、幼稚園を建設しようとしたら、子どもたちの声が迷惑だから反対だといったことが話題になったが、これらは社会で生きていく上で多少の迷惑は「お互い様」ということが忘れられて、自己中心的な大人が増えてしまったからだと思う。

お陰様、お互い様、頂きます、勿体ない、など良い日本語は伝承して行きたいものだ。


妻の49日
蓮B@不忍池LR

今日は先月末に他界した妻の49日です。

故人の遺言により、通夜、告別式はせず、親戚や友人・知人にも知らせず、日曜日に納骨を終えましたが、納骨式はせず、親族だけで納骨・墓参りをしました。
49日も特別な法要をする予定はなく、ひとりで冥福を祈ります。
大学生の途中まではテニス一筋でしたが、結果、椎間板ヘルニアになり、辛いことも多かったのでしょうが、その後は自由奔放に生きたと周囲の人や友だちには映ったことだろうと思います。
昨年初秋にガンのステージ4と診断されてからは、治療はせず、緩和ケアだけで、痛みに耐える日々だったと思いますが、潔く天命に従うという気丈さで、最後は天寿を全うしたように苦しむこともなく、静かに息を引き取りました。

合掌


PROFILE
唐澤 豊
  • Author:唐澤 豊
  • 還暦を期に長髪から一気に坊主頭にしました。これから20年間、第2の成人を迎えるまではこれでいこうと思います。でもやっぱり冬は寒いし、夏は暑いので、帽子を愛用しています。
    ●情報通信業界の米国系企業を中心に40年間、営業以外の仕事はほとんど経験。技術以外には、マーケティング・ブランディング、組織論、人事評価制度、企業文化なども経験。今まで3つ会社を始めましたが、被買収・売却などの後、4つ目の会社を後任に任せたところで、一昨年、仲間2人ともうひとつ会社を設立し、非言語コミュニケーションのサービスを開発中です。
    ●経営労働管理士。日本躾の会理事。
    ●音楽(ビートルズ、S&G、フォーク、ニューミュージック等)、グラフィックデザイン、水彩画を趣味とするので、マルチメディア技術の活用に大いに期待しています。読書、宇宙の真理探求が最近の趣味。ストレッチ、真向法、西勝造先生の西式健康法を実践中。
    ●故津留晃一さんの著作や講演録(CD)に触れて「人生の目的は体験することである」ということに納得しています。
    ●詳しいプロフィールは「自己紹介」のカテゴリーにあります。
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