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唐澤塾
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新型コロナウィルス感染症について
以下の文章を日本躾の会の会報「ふれあい」4月号(394号)に寄稿しました。
状況は刻々と変わっていますので、内容的にはちょっと古い面もありますが、参考までにアップしておきます。

新型コロナウィルス感染症について  日本躾の会常務理事 唐澤 豊

はじめに

最初にお断わりしておきますが、私は情報通信業界で五十年仕事をして来ましたが、医療関係については、健康長寿のために勉強はしていても、素人です。しかし、情報を集めて整理・分析することは、対象分野を問わず、基本的には同じだと考えています。ただ、間違っている情報がネット上にはあるのも事実ですので、全てが正しいという保証はできません。
この度、中国・武漢市から発生したとされる新型コロナウィルスについて、私が収集した情報によりますと、想像以上に危険なモンスターウィルスである可能性が高くなりました。ここで書いていることは、三月一日迄の情報に基づいているので、皆さんがこの記事を読まれている頃には、状況が激変しているかも知れませんので、その点を考慮してお読みください。
この原稿を書いている時点での日本国内感染者数はクルーズ船内も含めて九四七人、死者は十一人。世界の感染者数は八七,〇二一人、死者は二,九七鉢人。中国の感染者数は七九,八二四人、死者は二,八七〇人。韓国の感染者数は三,五二六人、死者は十七人、イタリアが急増して感染者数一,一二八人、死者二十九人という状況です。(図1参照)

200301新型肺炎世界感染者数NNA
(図1:新型肺炎世界感染者数 NNA調べ 3月1日現在)

ウィルスの名称と疾患の名称は違う

皆さんも今後、様々な折に、新型ウィルス関連のことを話されたり、書かれたりする機会があるかと思われますが、ウィルスの名称は「SARS-CoV-2」と名付けられています。日本語で言えば「サーズ・コロナウィルスⅡ型」ということになるでしょうか。二〇〇二年に中国広東省から感染が広がった時のウィルスが「サーズ・コロナウィルスⅠ型」だったということでしょう。
それに対して、このウィルスに感染した人が発症した疾患名はWHOが発表したように「COVID-19」です。

SARS-CoV-2の特徴
 新型コロナウィルスについては、以下に述べるように、今まで見たことのない特徴があります。従って、ネット上では、人によって作られたものだとの噂も広がっています。
①世界保健機関(WHO)のQ&Aによれば、現時点の潜伏期間一日から十二・五日とされ、厚労省はそれを基に、感染者は十四日間の健康状態の観察が必要としています。しかし、中国からの最新情報では、感染後、最長で四十二日後に発症した例もあるとのことです。
③感染しても発症しない人もいるのもこのウィルスの特徴です。これは感染した本人が気付かないので、保菌者が自由に行動しますから、感染予防が非常に難しいということです。
③最新の中国からの情報では、発症し、治癒した後でも、しばらくして再び発症した人が十四%程いるとのことです。そして再発した場合は重症化することが多いとのことです。また日本でも大阪で同様の症例が二月二十七日に報告されました。これは免疫ができないか、出来ても有効期間が非常に短いか、あるいは「治癒してもウィルスが完全に死滅しないで、体内に留まり、抵抗力が落ちると、帯状疱疹として発症する水痘(水ぼうそう)ウィルス」のような「再燃」という性質を持っている可能性があるということです。
④感染の仕方は、飛沫感染と接触感染の二つと言われていましたが、ここに来て、エアゾル感染の可能性があると中国当局が発表しました。ウィルスが空気中に浮遊する期間は、空気感染の場合は「長期間・広範囲」なのに対して、エアロゾル感染は「短期間・限定的範囲」ということです。即ち、直接飛沫が掛からなくても、感染者の近くにいれば、空気中に浮遊しているウィルスに感染する可能性もあるということです。
⑤感染者の致死率は中国では従来は二%くらいと発表されていましたが、最近のデータを見ますと、三・五%になっていますが、それでもこれが正しいかどうかは判断できません。中国以外では今のところ一%程度です。
⑥ワクチンはまだありません。また治療薬も、既存のインフルエンザやエイズの治療薬に効果があったといった情報はありますが、世界中の医薬品メーカーや研究所が開発・検証中という状況です。

「ダイヤモンド・プリンセス」号の乗客・乗員への対応

厚労省が「ダイヤモンド・プリンセス」号の乗客・乗員に取った船内に隔離する対策は船内感染を起こしたことが明白な状況に近いにも関わらず、二月五日の隔離政策の実施以降、船内感染は起きていないとして、期間中に検査で陰性だった人たちを二月十九日から下船させ、一般交通機関で帰宅させたことは問題で、諸外国では、チャーター機で帰国させた後は十四日間の隔離を行うことになっており、実際に、米国、豪州、英国、イスラエル等で発症が確認されています。また、国内でも何人か感染が確認されています。
乗客のひとり、アーノルド・ホプランド医師は「長年、米国で一次診療医を務め、感染防止の知識もあるつもりだった。だがクルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス号』で実施された隔離方法は、適切とは思えなかった。」と語っています。
そして、二月十一日と十二日に事務作業員として乗船した厚労省職員と内閣府職員の感染が二十日に発見され、しかも三十代と四十代という若者たちで、比較的感染しづらいと言われていた年齢です。彼らは一週間程の事務作業で感染した訳で、船内感染は簡単に起きたという証拠です。
厚労省は陰性が確認された乗客でも下船後二週間は政府関連施設か、民間からの借り上げ施設で経過観察をすべきだったと思いますが、やっと、二週間は電話で経過観察をすると改めましたが、既に市中にウィルスをばら撒いた可能性があります。
更に、船内で作業した職員の検査で感染者が出ると、今後の仕事に支障を来す可能性があるからと、無検査で職場復帰させたのも大問題です。
こうした政府・厚労省の対応は世界から批判を浴びていますが、マスコミ等では余り報道されていません。それどころか、安倍首相はWHOからも日本の対応は評価されていると言っています。

世界の情勢

①習近平国家主席は二月十日、新型コロナウィルスへの予防と制御を担当している北京市内の病院の一つを訪問しました。久々に公の場所に姿を見せた彼はマスク姿で、武漢とテレビ電話をつないだりして担当者らと話し合った後、少し演説しました。習近平氏は演説で「ウィルス感染の状況は依然として非常に厳しく、予防・制御策は膠着した状態が続いている」と述べたと報じられていました。
②中国国営テレビは二月二十三日、習近平国家主席が以下のように述べたと報じています。
「気を緩める余地はない」
「状況は依然深刻で複雑であり、予防と管理は最も困難で重要な局面にある」
「新型ウィルスによる肺炎の拡大が経済や社会に比較的大きな影響を及ぼすのは避けら
れない」
「中国にとって、これは危機であると同時に大きな試練だ」
などと述べたとのことです。
③韓国では急速に感染が広がっており、宗教団体の集団感染も報告されています。なぜ、急に感染が広がっているのかは、現時点ではまだ明確ではありません。
④ロシアと中国は政治的には親密な関係ですが、中国人の入国を二月二十日から禁止するとロシアは発表しています。
⑤イスラエルでは二月二十四日から日本と韓国からの入国を拒否すると発表しました。
⑥米国の国務省は二月二十二日、日本と韓国を対象にした渡航情報を4段階あるうちで最も低い一般的な注意を呼びかける「レベル一」から、より注意を要する「レベル二」に一段階引き上げました。
⑦米保健福祉省の長官は二月十四日に出演したCNNテレビで、米政府が中国だけでなく、日本やシンガポール、香港など、感染が拡大している中国以外のアジアからの外国人の入国も禁止する規制拡大を検討していると表明しているとのことです。
日本、シンガポール、韓国などの事態は急速に悪化しているので、CDCが入国規制の拡大を検討するのは自然ですが、規制拡大が実施されると、日本人は米国に行けなくなります。日本にとって中国と米国との間で、人の行き来や物流が滞れば、経済的・政治的に大打撃であることは明白で、既に中国からの観光客激減で関連産業は大打撃を受けています。
⑧中国の北京市は日本・韓国からの入国者を十四日間の経過観察をすると発表しており、中国全土でも同じことを実施する可能性を中国外務省も匂わせているとのことで、タイも同様の経過観察の実施を始めました。
⑨AP通信が一九七八年から国際オリンピック委員会(IOC)の最古参委員であるディック・パウンド氏(七七)=カナダ=のインタビューを二月二十五日に報じ、新型コロナウィルス感染拡大で開催を危ぶむ声が出始めている東京五輪の開催について、開催是非の判断期限は引き延ばせて五月下旬との見方を示し、事態が終息しなければ「中止を検討するだろう」とも推測したと報じました。私も終息には一年から二年掛かるだろうという専門家の見解を見てから、東京五輪の開催は無理だろうと思い始めていましたが、IOC委員からの発言で中止の現実味をおびて来たと考えます。
⑩米国でも、ついに市中感染者が出たことを受けて、二月二十六日、トランプ大統領は、ペンス副大統領を新型コロナウィルスの対策担当に任命したということです。

専門家の見方

①二月十四日、米政府のウィルス対策担当部署であるCDC(疾病予防管理センター)の所長が「米国は今、新型ウィルスの国内での蔓延を必死で封じ込めている段階だが、ウィルスが米国内に感染拡大の根を下ろしてしまった可能性もある。ウィルスは米国でも蔓延し、感染問題は今年中に終わらず、来年まで続くかもしれない」と警告したそうです。
②また北半球が春になって気温が上がるとウィルスが死ぬと、トランプやその他の人々が言っているそうですが、年中気温が高いシンガポールやタイで感染が広がっているので、それは違うぞと専門家が米議会で証言しているそうです。
③WHOコンサルタントとして二〇〇三年フィリピンでのSARS封じ込めチームリーダーとなり活動した高橋央医師が二月十六日、日本テレビの「バンキシャ」に出て、新型コロナウィルスについて「国内感染者は既に千人単位で存在」「終息まで最短一年か二年」「医療機関が麻痺するのは時間の問題」「東京オリンピックは中止すべき」と発言したとのことです。
④神戸大学医学研究科感染症内科教授の岩田健太郎氏が二月十八日、新型コロナウィルスによる肺炎の集団感染が広がるクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」に乗船したとして、「中はものすごく悲惨な状態で、心の底から怖いと思いました」などと船内の感染対策のずさんさについて、動画を通じて指摘し、衝撃が広がり、後に「隔離は正常になった」として自ら動画を削除しましたが、海外メディアが取り上げ、外国人記者クラブでビデオ会見も行われました。専門家の間でも賛否両論となりましたが、現場担当の厚生労働副大臣が反論するために、船内からSNSに投稿した写真を見る限り、きちんとした隔離はされていないことは素人の眼からも明白です。
⑤経済ジャーナリストの岩崎博充氏は「コロナショックの先に待つ四つの最悪シナリオ」という記事を東洋経済に投稿しており、以下の四点の可能性を指摘しています。
・首都圏マンションはバブル超え? 東京五輪中止で“五輪バブル”の崩壊
・消費は半減?東日本大震災級の景気落ち込み!能天気な「緩やかな景気回復」の化けの皮が剥がれる?
・1ドル=125円超は悪性インフレへの入り口か?
・日本の「武漢化」で全土が封鎖!健康保険、年金資金が枯渇する?
こうならないことを望みますが、可能性はゼロではないでしょう。

予防・治療に関する情報

①シャープのプラズマ・クラスター・イオン技術を搭載した空気清浄機はコロナウィルスを不活化することが二〇〇四年に北里研究所との共同研究で実証されたという情報があります。
②新型コロナウィルスに有効かもしれない抗インフルエンザ薬を中国が承認したとの最新ニュースがあります。
③マスク無しなら、2秒で感染するほどの感染力と中国発の新情報があります。
④混雑した電車に乗る時は、出入り口に立たず、座席に座る:
電車の中で感染者が咳をした場合、飛沫流体シミュレーションの結果、出入り口近辺は人と人の距離が近いため、感染率が高く、座席に座っていると、感染者との間に距離があるため、飛沫は床などに落ちるか、天井に上がるかで、鼻から吸う量は少なくなるとのことです。
⑤厚労省のホームページには「新型コロナウィルス感染症について」というページがあり、
・新型コロナウィルス感染症に関するQ&A
・電話相談窓口について
・新型コロナウィルス感染症が疑われる方へ
などの情報があります。皆さんも一度は読まれた方が良いと思います。
⑥医療ITをドライブする情報メディアを自称するMED IT TECHのホームページには、米国CDCが出した「新型コロナウィルス感染防止ガイドライン」を日本語に訳した先生がおられ、日本語で読めるようになっています。
⑦東大の総合文化研究科長 太田邦史 先生から学生に向けた「新型コロナウィルス対策に関する研究科長からのお願い」がnote.comで以下のような項目について公開されていて、参考になると思います。
【現状の認識】
【ウィルスの特徴と症状】
【今後の対応方針】
【具体的な対応策】
⑧インフルエンザも含め、ウィルス感染症対策としては、納豆を一日一パック食べる、山芋を摺り下ろすのではなく、短冊切り等で食べると免疫力が上がるということです。
⑨海藻のアオサにヒトコロナウイルスの抗体を増やす効果があることが、中部大学生命健康科学部の研究員と化学薬品メーカーとの共同研究で分かったということで、新型肺炎を引き起こしている新型コロナウィルスにも効果があると期待しているそうです。
⑩中国の国家中医薬管理局が発表したデータによりますと、これまで、六万人以上の患者に漢方薬を投与しているとのことです。武漢で実施されている臨床研究によると、軽症患者の治療に漢方薬と西洋薬を併用した場合、臨床症状が消えるまでの時間が二日短縮できるとのことです。重症患者の場合、主な症状と関連指標を改善するほか、病態の悪化や危篤な状態に陥ることを防ぎ、致死率を引き下げることもつながるということです。混合診療が余り進んでいない日本ですが、厚労省は中国でのこうした情報の詳細を入手し、漢方薬の併用も実施できるようにすべきだと思います。

政府の対応

政府は二月二十日に方針を打ち出しましたが、曖昧であり、不十分ではないか?との批判が相次ぎ、専門家委員会からの提言を受けて、二月二十五日に以下のような「国民の皆さまへのメッセージ」を出しました。
〇国民の皆様におかれては、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様にお一人お一人の咳エチケットや手洗いなどの実施がとても重要です。感染症対策に努めていただくようお願いいたします。
〇次の症状がある方は「帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。
・風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。
 (解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
※高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合
○センターでご相談の結果、新型コロナウィルス感染の疑いのある場合には、専門の「帰国者・接触者外来」をご紹介しています。マスクを着用し、公共交通機関の利用を避けて受診してください。
○なお、現時点では新型コロナウィルス感染症以外の病気の方が圧倒的に多い状況であり、 インフルエンザ等の心配があるときには、通常と同様に、かかりつけ医等に御相談ください。
【相談後、医療機関にかかるときのお願い】
○帰国者・接触者相談センターから受診を勧められた医療機関を受診してください。複数の医療機関を受診することはお控えください。
○医療機関を受診する際にはマスクを着用するほか、手洗いや咳エチケット(咳やくしゃみをする際に、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえる)の徹底をお願いします。
【イベントの開催に関するお願い】
○政府といたしましては、この一、二週間が感染拡大防止に極めて重要であることを踏まえ、多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後二週間は、中止、延期又は規模縮小等の対応を要請することといたします。

政府は全国全ての小学校、中学校、高校、特別支援学校に対し、三月二日から春休みまで臨時休校とするよう要請

前述の内容は、従来の方針と余り変わりなく、批判も多く聞かれました。そこで、二月二十七日、首相官邸で開いた政府の新型コロナウィルス感染症対策本部の会合で、全国全ての小学校、中学校、高校、特別支援学校に対し、三月二日から春休みまで臨時休校とするよう要請すると表明しました。
 しかし、これにより関係する多くの親たちや企業・組織に対する支援や補償については何も言及されておらず、戸惑いと不安が広がっていますが、台湾の国会と政府は新型肺炎に関する特別法を二月二十五日に成立させています。
 台湾の特別法は、新型肺炎の治療に従事した医療関係者への補償や経済的な影響を受けた企業への補助を定めるほか、隔離によって個人が受けた損害の補償を認めるものです。また、自宅隔離や外出禁止を守らなかった者に最高百万台湾元(約三百六十万円)以下の罰金を科し、衛生当局に個人情報の公開を認めさせました。虚偽の感染情報を流布した者も懲役三年以下の刑を科すというものです。
 日本政府も早急にこうした特別法を与野党が協力して成立させ、それに伴う予算も確保すべきでしょう。
また、縦割り組織になっている省庁を横断して早急な対策を実施するためには、新型肺炎対策特任大臣を任命する必要があると思います。

日本躾の会は何をすべきか?

事態が悪くなって来た今週、私は毎日何がしかの用事があり、電車に乗らざるを得ない状況でしたが、マスクをしていない人、していても、あごに外している人、平気で咳をしている人を見かけました。
報道によると、マスクをしていない人が電車内で咳をして大喧嘩になり、緊急停止する事態になったとのことですが、これからそういうことが頻発する可能性もあろうかと思われます。
マスク・手洗いは予防策として必須ですので、エチケット・マナーも啓蒙している日本躾の会は、厚労省が推進している。

「咳エチケット」
の実行を、様々な機会に広く啓蒙して行きたいと思います。

咳エチケットとは(図2参照)

インフルエンザをはじめとして、咳やくしゃみの飛沫により感染する感染症は数多くあります。
「咳エチケット」は、これらの感染症を他人に感染させないために、個人が咳・くしゃみをする際に、マスクやティッシュ・ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえることです。
 特に電車や職場、学校など、人が集まるところで実践することが重要です。

厚労省「咳エチケット」_ページ_2
(図2 咳エチケット@厚生労働省ウェブより)

結論

・新型コロナウィルスはまだその詳細が究明されていない、得体の知れないもので、一度治癒しても再感染するモンスターウィルスの可能性が高い。
・三月終息説や五月終息説が流れていた中、一部の専門家から、来年まで終息しない可能性があるとの意見が出始め、東京五輪の開催中止の可能性を言及するIOC委員が出て来た。
・日本政府の後手々々の対応は海外からは批判され始めており、中国のように徹底した対策を実施しないと、三月末まで小中高の学校を休校するだけで、終息に向かうかどうかが危ぶまれる。また、影響を受ける人や企業に対する補償も特例法などで予算も含めて早急に制定すべきである。従って、新型コロナウィルス対策担当の特命大臣を任命し、省庁を横断し、民間企業とも連携する対策を臨機応変に打ち出せるようにすべきである。
・イベントの中止や海外旅行客の減少で、既に多くの企業に影響が出ているが、米国も含め、日本人の入国規制が世界に広がり、東京五輪の開催が中止となれば、日本の経済的打撃は計り知れない。
・政府が国民を守ってくれることは期待できないので、自分や家族の身は自分で守るという覚悟が必要。不要不急の外出や人混みに行くことは避け、外出する時は、咳エチケットを守り、マスクをして、到着地では、まずトイレに行き手洗いを行い、帰宅後も手洗い・うがいを徹底する。
・抵抗力がある人は感染していないということなので、日ごろから、十分な睡眠を取り、免疫力を高めるという納豆、山芋、アオサ、玄米などを食べる。
・働いている人はできる限り在宅勤務を行うようにする。また、子どもや家族にストレスや負担を掛けないよう、必要な場合は有給休暇を取り、それも消化し終わった場合には、会社と交渉して有給扱いで休暇を取るようにする。
・国内のマスコミだけに情報源を頼らず、海外ニュースにも目を向け、新型コロナウィルスの動向を注意深くウォッチする。

以上

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働き方改革と言うけれど
日本躾の会の会報誌「ふれあい」の2019年9月号(#388号)に以下の寄稿が掲載されました。

働き方改革p1
働き方改革p2
働き方改革p3

言葉の重要性
日本躾の会の会報誌「ふれあい」の2019年7/8月号(#387号)に以下の寄稿が掲載されました。

言葉の重要性

 新元号が「令和」になった。ネットでは賛否両論あるが、賛成派は初めての国書からの出典で良い名前だというものが多い。批判派は、万葉集を原典としたものでも、そこに書かれているのは漢文で、それも中国の漢詩を引用したものだから、国書からというのは如何なものか?という意見や、令和とは命令に従い調和せよという同調圧力を示すようなものだ、といったものだ。

 外務省は海外向けに「ビューティフル・ハーモニー」という意味だと説明しているが、元号の持つ意味をそれ程深く考えてみても古来からあった訳ではなく、所詮は合成語なのだからと私は思う。

 ところで、七割の日本人はマスコミ報道を鵜呑みにするという国際的な情報リテラシー調査の結果が出ており、日本は世界でもリテラシーが最も低い国となっている。
 AIの時代になると、リテラシーの低い人間でも出来る仕事はコンピューターに置き換えられるだろう。我々は今からリテラシーをもっと上げる必要があるが、それには

①色々な報道を比較して自分はどの考え方に近いのかを考えることから始め、
②自分なりに良く考えて、問われたら自分の考えを表明できるようにすることだろう。

 そうなると、どういう言葉を使うかということも重要になる。日本語には言霊という言葉もあるように、自分が発した言葉にも魂があるという考え方である。だから、正しい言葉を選んで使う必要がある。

 一例として、最近私が気になる言葉のひとつに、見ず知らずの人でも生まれた年が同じだと「あっ、じゃあ同級生だ」と言う若者をテレビでよく見るが、それは間違いだ。同級生とは同じ学校の同じクラスであった場合にのみ正しい表現だが、同じ学校の同じ学年でもクラスが違えば同学年生、同期生、同窓生ではあるが、同級生ではない。生まれた年が同じ場合は「同い年」とか「同年」という言葉があるが、それを知らない若者が多いのかも知れない。

 また五月五日は「子どもの日」だと知らない子どもが増えているという話を聞いて、ちょっとびっくりした。元々、五月五日は男の子の成長を祝う端午の節句だったが、終戦直後に「子どもの日」を祝日として制定して欲しいという要望が寄せられ、五月五日を希望する国民が多かったことから制定されたそうだ。従来からあった端午の節句を「子どもの日」としたことで、大人たちは呼び名が変わっただけという認識で、子どもたちにちゃんと説明できないのだろうと思う。
 言葉を安易に変えてはいけないという例だろう。


小中学校への携帯持ち込みは是か非かーその2
以下の座談会が3月13日に開催され、日本躾の会の広報誌「ふれあい」第386号に掲載されました。

1906ふれあい386-P1
1906ふれあい386-P2
1906ふれあい386-P3
1906ふれあい386-P4
1906ふれあい386-P5
1906ふれあい386-P6

小中学校への携帯持ち込みは是か非か
以下の座談会が3月13日に開催され、日本躾の会の広報誌「ふれあい」第385号に掲載されました。

1905ふれあい385-P1
1905ふれあい385-P2
1905ふれあい385-P3
1905ふれあい385-P4
1905ふれあい385-P5
1905ふれあい385-P6
1905ふれあい385-P7

不祥事が続くスポーツ界はどうすれば良いか?
日本躾の会の会報誌「ふれあい」の2019年4月号(#384号)に以下の寄稿が掲載されました。

不祥事が続くスポーツ界はどうすれば良いか?

 スポーツ界でパワハラ問題の内部告発が絶えない状況だ。そして企業では品質管理の手抜きやデータ改ざんの内部告発も増えている。更に、省庁内での情報隠蔽や改竄についても内部告発がやっと出始めている。

 一方、ハリウッドでのセクハラ問題の発覚から端を発したミートゥー運動が世界に拡がり、今年のノーベル平和賞は性的暴力防止活動に貢献した人に贈られることになったが、日本ではセクハラ問題が発覚したにも関わらず、刑事事件にはならないケースが多いようで、セクハラ論議は余り盛り上がっていない。

 そして躾のためと称して我が子に厳しいお仕置きをして、最悪の場合は死に至らしめるような体罰・虐待をする若い親たちもいる。こうした子どもが長じて社会に出てもイジメやパワハラをしたり、されたりする。

 パワハラやセクハラには、共通する問題があると私は考えている。それは大きな意味では基本的人権の軽視で、戦後七十年が過ぎても、戦前からの家父長制や男尊女卑の考えを持っている男性がまだまだ多いと感じる。

 また、上司や先輩の言うことは絶対だという文化も残っていて、スポーツ界や大手企業ではそれが顕著のように思われる。

 こうした状況を変えるには、透明化・見える化が重要だという意見が多く見受けられる。私はそれも、表面上の話であって、見える化を進めた日本企業でもパワハラ・セクハラ問題が減っている感じはしない。

 やはり、男も女も子どもも高齢者も、貧富の関係もなく、在日外国人も、皆平等に人権を持っており、それは誰もが互いに尊重し、守らなければならないものである、という意識を定着させるための再教育を、まずコーチや監督たちからしないといけないのではないかと思う。また、マスコミもこうした啓蒙をする必要がある。

 そしてスポーツ界に限らず、どの分野でも、海外の組織の在り方や学習の仕方の事例を比較検討し、効率的で楽しいトレーニングの仕方を確立しないと、時代のスピードに取り残されて井の中の蛙になってしまう。

 諸外国の選手と対等に戦うことができる選手を育成するには、日本の古い習慣や伝統など邪魔になるだけで、選手が指導者に反論できないような文化では、世界に通用する選手は育たない。

 経済、スポーツ、学校教育、行政などあらゆる組織が、お互いの人権を尊重し、自由闊達・臨機応変に切磋琢磨し合ってこそグローバル時代に通用する選手を育てることができる。


メルボルン滞在記
日本躾の会の会報誌「ふれあい」の2019年4月号(#384号)に以下の寄稿が掲載されました。

メルボルン滞在記  モヨ(株)代表 唐澤豊

三が日明け早々にメルボルンに居る娘のところに三週間程滞在して二十六日に帰国しました。
オーストラリアは真夏で学校は夏休みです。七歳になる孫の相手をするために来てくれないか?と娘に言われて、仕事や任意団体の幹事職などをやり繰りして行くことにしました。

オーストラリアでは十二歳以下の子どもは独居が許されないので、娘が働いている間は誰かに面倒を見て貰わないといけないのです。これは米国でも同じで、ベビーシッターという仕事の需要は尽きない訳です。
オーストラリアでも共働きの親は多いので、親の都合で留守にする時は、ママ友同士で、預け合うこともしていました。だから私も滞在中、四人のママ友に会ったり、その家にお邪魔したりしました。

娘が初めてオーストラリアに行ったのは二十年近く前の学生時代にホームステイで消防士とキャビンアテンダントを辞めたばかりの若い夫婦の家で、裏庭の先は広大な原始林(といってもユーカリの木が主ですが)が広がり、クカバラという白いワライカワセミが来たり、夜は南十字星や天の川など満天の星が迫って来るように見える自然豊かなところでした。その経験が余程良かったのか、英語が苦手だった娘が、卒業して仕事を始めた後、ワーキングホリデーで再度そのホストファミリーにお世話になり、英語を勉強することになったのは、親ながら少し驚きでした。 

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(自作のピザ窯で焼いたビザをご馳走になった)

メルボルン市内からは車で南に二時間くらいのところの新興住宅を買った時は日本円にして数千万円位だったようですが、つい最近売った時は億を超えたそうで、丁度日本の高度成長期からバブルの真っただ中という感じです。物価も昔は安く、金利は十パーセントくらいと高かったですが、今、物価は日本並みに上がり、それでも金利は五パーセント前後のようです。ですから、ニュージーランドも含め、世界中のお金持ちは定期預金(セービングアカウント)を作り、預けておけば、金利だけで生活ができるというので、退職金や、不動産・株などを売り、そのお金を預ける人も多いという噂でした。

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(ユーカリの大木)

お邪魔したママ友の家はどこも広い裏庭があり、小屋の入り口にはキッズオンリーの張り紙がしてある子どもたちが遊ぶ小屋や大きなトランポリンなどを置いてある家も多く、都内は言うに及ばず、東京郊外の家と比べても随分とゆったりしていました。
子どもたちの躾については、家庭毎にバラバラの感じでしたが、毎日、夜は七時半に寝かせ、朝は七時半に起きるという姉妹もいました。今は夏時間なので、暗くなるのは夜の九時位ですから、寝る時間には外は太陽が出ていて明るいという状況で、日本人の感覚としてはちょっと驚きでした。

また食事も菜食主義であったり、加工食品は食べさせないで、有機野菜などを中心にした料理を家庭で作るという家庭もあり、孫は食べられるものがないと、夕食に招待されても、オヤツ・ジュース・サンドイッチなどを持参することもありました。
娘の友だちや知り合いの多くは国際結婚で子どもはハーフという場合が多く、バイリンガルが多いですが、やはり英語が中心にはなっていました。孫も、その友達も、英語だと口数も多くなる感じでした。両親が別々の国から来てオーストラリアで生活し、子どもが生まれたという場合にはトライリンガルになる訳で、マルチリンガルの人もどんどん増えている感じがしました。
国が違っても親子孫の関係は似たような感じもあり、住宅街では孫と散歩や公園で遊ばせる祖父母も多く見かけました。また、祖父母に子どもを預けると、孫が欲しがるお菓子類は何でも食べ放題で与えてしまうので、困るという母親たちの声も聞かれました。

私が着いた週はシドニーでテニス大会があり、毎日テレビで観戦し、翌週から帰国するまでは全豪オープンがあり、孫の相手をしながらテレビで観戦していました。娘のママ友が子どもたち用のイベントが開催されているということで、孫も全豪オープンが行われているメルボルン公園に連れて行って貰い、テニスをしたり、ボディーペインティングをして貰ったり、おみやげに「AO」のロゴが入ったリストバンドを買って来て喜んでいました。

私たちも市内の高級ホテルの別館でシーフードのバイキング・ランチを食べたのですが、後で聞いた話では錦織選手はそのホテルに泊まっていたということで、同じ空気を吸っていたのかとちょっと感動でした。
そして、準々決勝の試合を観に行こうとチケットをオンラインで申し込んだのですが、試合コートと時間が決まるのは前日の夕方で、それから申し込むため、アクセスが多かっのか、サーバーが応答せず、深夜まで、そして翌日早朝も何度となく試したのですが、結局買えずに諦めてテレビで観戦しました。前の会社で一緒に働いたオーストラリア人がブリスベンに住んでいて、たまたまメルボルンに来たからと会って食事をしたのですが、テニスには殆ど関心がなく「暑いからテレビで観た方がいいよ」と言われました。

コピー (1) ~ IMG_2456ふれあい掲載用
(1年に1センチしか成長しないオーストラリア原産のグラスツリー)

私がテレビを観たいこともあり、孫も暑いから(滞在していた辺りは最高で三十八度くらいでしたが、メルボルンは四十三度という日もあり、ヴィクトリア州では連日四十度以上の猛暑が続き、電力消費量が激増し、それに発電が追い付かず、停電が発生して二日以上も停電した地域もあったようです)外で遊びたくない、と言うので、タブレットでゲームをしたり、ユーチューブの映像を観たりしていて、デジタル機器に子守りをさせるのはまずいかな?とは思いつつ、テニス中継の誘惑に負けて、一時間だけ、と制限したのに、三時間くらいになることもありました。

その結果、良いこともありました。もうすぐ夏休みも終わると、二年生になる孫娘は、ユーチューブで上級生たちが語る「ルーチンワークを決めて、毎日それに従って行動することが大事よ」というものを発見したらしく、ある日突然、夕飯を食べたら、歯を磨き、翌日に着る衣服を出してベッドの横にきれいに畳んで並べ、足を細くする圧縮ストッキングを履き、パジャマに着替え、アイマスクをして、決めた時間にさっさとひとりで寝て、タイマーを設定して、母親が起きる前に決めた時間に起き、歯を磨き、顔を洗い、髪を梳かして、用意した衣服に着替え、自分で朝食の準備をして食べ、終わったら食器を流しに持って行く、ということを始めたのです。
娘と二人で、へえ~とびっくりしました。それまでは、明るくないと眠れない、母親が横にいないと眠れない、と言っていた孫が急に変わったので、いつまで続くかねえ~と二人で笑いつつ、このまま続けてくれればと思いました。

コピー (1) ~ 190111-28ふれあい掲載用
(ビーチで友達と遊ぶ孫)

また、孫をビーチで遊ばせようとママ友が車で送り迎えして呉れて、私も一緒に行ったのですが、びっくりしたのは、メルボルンが面しているポート・フィリップ湾、言ってみれば、東京湾のようなものですが、その水がきれいなことでした。市内のすぐ近くですが、遠浅の砂浜が続いていて、透明性も高く、どこでも海水浴ができる感じでした。それなのに、海水浴客はまばらでした。東京湾もあれくらいきれいになるといいのですがねえ・・・。

ソフトバンクの通信障害の教訓
日本躾の会の会報「ふれあい」の383号(2019年3月発行)に以下の投稿が掲載されました。

先日、ソフトバンクの移動通信回線が全国的に約四時間半も使えなくなるという大規模通信障害が発生し、多くの利用者が混乱に巻き込まれた。スマホでキャッシュレスを実践していた利用者は財布と携帯電話を同時に紛失したのと同じ状況になった訳で、仕事に支障を来した人もかなりいたようだ。電子チケットも普及して来たため、スマホが使えないと、チケットを見せることができないとか、宅配業者のドライバーと連絡が取れないとか、お客様からの予約が取れない飲食店など、様々な分野にも被害が及んで、スマホ依存社会の問題点が洗い出された感じだ。
また、混乱に乗じて詐欺を働いたり、デマ情報を流したりする火事場泥棒のような輩も出たとのことで、混乱に更に拍車がかかったようで、相変わらず愉快犯が出没したのは困ったものだ。
実は私もソフトバンクのサービスでスマホを利用しているが、孫の幼稚園で開催された学芸会を見に行っていて、終了後は長女の家のワイファイ(WiFi:高速無線LAN)に接続していたので、障害のことは帰宅するまで気付かなかった(後で述べるがこれがひとつの障害対応策となる)。

この原稿を書いている時点では、まだ障害の原因は詳しくは報告されていないが、移動通信の基幹部分を構成する通信機器のソフトウェアーに不具合があったようだ。その通信機器はスウェーデンのエリクソン社が世界に提供しているもので、英国やヴェトナムなどの移動通信事業者でも同時に起きていたそうだ。公式発表では「ソフトウェアー証明書の期限切れ」が障害の原因とのことだが、そんな単純な問題なら、もっと早く対応できたはずだし、そもそもそういう場合はまともなソフトウェアー開発企業なら警告を出すようにするはずだ。それが出るようになっていなかったことが原因と私は推測している。
また、現在は自社で移動通信回線を持たなくても、他社から借りて通信サービスを提供することができるので(これを仮想移動通信事業者と言う)、日本通信やLINEモバイルなどソフトバンクから移動通信回線を借りている事業者も同様の障害に晒された。
通信事業者を所管する総務省はこの障害を大規模障害として、ソフトバンクに報告・改善策を求めることにしたようだ。

今回の障害について、ネットでは様々な情報が飛び交っている。家族割に釣られて一家全員ソフトバンクにした家族はお互いに連絡も取れずに大変だったとか、テロリストの仕業だと思ったとか、新しい電子マネーのサービスのせいではないかと思ったとか、やはりデジタルに頼り過ぎないように現金とガラケー(旧式の携帯電話)が安全だとか、責任はソフトバンクにあるのかエリクソンなのかとか、通信機器は国産に規制すべきだといったものだ。
そんな中、まともな意見もある。それはこうした障害に備えて二重化は常識だ、というものだ。私もこれには賛成である。大手企業のネットワークシステムは通信事業者を一社に頼ると、万が一の自然災害などで通信が断絶することもあり得るから安全性確保のために、二社、三社に分散しているのだ。それは基幹通信事業者といえども、同じことで、ソフトバンクは二重化をやっていなかったということだ。

さて、スマホ依存社会の問題点が噴出した今回の問題だが、これを教訓として、個人利用者としては通信障害対策をどうすれば良いか?について以下に述べる。

先ずは簡単な話から。これは障害時とは直接関係ないが、スマホがガラケーと違うのは、通話回線とインターネット回線を持っていることに注目して欲しい。ガラケーだってデータ回線があるよ、と言う人がいるかも知れないが、データ回線は事業者内の閉ざされた回線であり、インターネット回線は世界中のどこにでも世界標準の「インターネット・プロトコル(接続方式)」で繋がることである。そして、今はメッセンジャーと呼ばれるアプリがスマホ用に無料で提供されており、音声通話、ビデオ通話、絵文字を含むテキストチャット、写真やビデオの交換などができるようになっている。具体例ではLINE、フェイスブック・メッセンジャー、スカイプなどがある。これらは無料なので、電話代を節約する意味でも常日頃使っている人は増えている。しかもインターネット定額契約や無料ワイファイ経由で使えば、追加の通信料も発生しない。だから私も、ワイファイがあるところでは必ずと言って良い程、接続を切り替えて使っている。こうすれば、移動体通信事業者で障害が発生した場合でも、通話もメールもインターネットも利用できるし、家族割で全員同じ事業者であっても問題はない。
しかし、この場合にも気を付けないといけないことがある。それは、スマホ事業者とインターネット事業者を分けることである。同じだとインターネット回線に障害が起きると(機器障害だけでなく、自然災害もあるから)、一社に頼っていては通信手段を失う可能性があって危ない。(下記概念図参照)今回の場合も、単に移動体通信の障害だけでなく、一部インターネット・サービスでも影響が出ていたようだ。
移動・固定通信網の二重化概念図LR
実際に今回の障害時でも、ソフトバンクのショップでは、固定インターネット回線にファイワイ機器を繋げて店内で使えるようにしてあるため、賢い利用者は、店の前でワイファイを使って連絡を取っていた光景が放送されていた。
こうしたことは日頃から使っていないと、障害が起きた時に慌てることになる。災害時に通話ができない場合は特定の番号に電話して家族や親戚と連絡を取り合うことができるサービスがあるが、滅多に使うことは無いから、あれ、どうすればいいんだったかな?と戸惑ってしまうだろうことは容易に想像できる。

また、移動体通信事業三社はガラケー時代に始まったショートメールを進化させた+メッセージというサービスを三社共通仕様で提供し始めた。これは前述のメッセンジャーと同じような機能を提供しており、電話番号さえ判れば通信できるから、アプリのダウンロードも不要となるから、今後、利用者が増えるものと思われるから、今のうちに使い慣れておくと良いだろう。
今、移動体通信事業者が開発しているのは第五世代方式(5G)と呼ばれるもので、通信速度が非常に早く、遅延も少なく、信頼性も高いものにすることを目指しているが、車の自動運転などにも使われる予定で、今以上にあらゆるものが繋がる通信網になるので、安全性・信頼性の確保がカギとなるだろう。そういう意味では、ソフトウェアーのプロが新しいソフトウェアーの導入にどう対応しているかを紹介しておきたい。彼らは、新しいソフトウェアーには不具合、いわゆるバグと呼ばれるものが必ず入っていることを自らの体験で知っているので、直ぐに新しいものには飛びつかず、最低一年間くらいは様子を見て、問題が解決されてから使うようにしているのだ。スマホは毎年のように新製品が発売されるが、直ぐに飛びつくのは新しもの好きの素人ということになる。価格的にも一世代前のものの方が安い場合が多いから一石二鳥なのだ。


大人の躾とネチケットー後編
日本躾の会の機関誌「ふれあい380号」に高度情報インターネット研究会の座談会「大人の躾とネチケット」後編が掲載されました。

ネチケット#2-1
ネチケット#2-2
ネチケット#2-3
ネチケット#2-4
ネチケット#2-5

大人の躾とネチケットー前篇
日本躾の会の機関誌「ふれあい378号」に高度情報インターネット研究会の座談会「大人の躾とネチケット」前編が掲載されました。

ネチケット#1-1
ネチケット#1-2
ネチケット#1-3
ネチケット#1-4
ネチケット#1-5
ネチケット#1-6
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PROFILE
唐澤 豊
  • Author:唐澤 豊
  • 還暦を期に長髪から一気に坊主頭にしました。これから20年間、第2の成人を迎えるまではこれでいこうと思います。でもやっぱり冬は寒いし、夏は暑いので、帽子を愛用しています。
    ●情報通信業界の米国系企業を中心に40年間、営業以外の仕事はほとんど経験。技術以外には、マーケティング・ブランディング、組織論、人事評価制度、企業文化なども経験。今まで3つ会社を始めましたが、被買収・売却などの後、4つ目の会社を後任に任せたところで、一昨年、仲間2人ともうひとつ会社を設立し、非言語コミュニケーションのサービスを開発中です。
    ●経営労働管理士。日本躾の会理事。
    ●音楽(ビートルズ、S&G、フォーク、ニューミュージック等)、グラフィックデザイン、水彩画を趣味とするので、マルチメディア技術の活用に大いに期待しています。読書、宇宙の真理探求が最近の趣味。ストレッチ、真向法、西勝造先生の西式健康法を実践中。
    ●故津留晃一さんの著作や講演録(CD)に触れて「人生の目的は体験することである」ということに納得しています。
    ●詳しいプロフィールは「自己紹介」のカテゴリーにあります。
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