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唐澤塾
唐澤豊が情報通信技術+経営術+人生術+創造性を中心に一期一会を追求する私塾
不祥事が続くスポーツ界はどうすれば良いか?
日本躾の会の会報誌「ふれあい」の2019年4月号(#384号)に以下の寄稿が掲載されました。

不祥事が続くスポーツ界はどうすれば良いか?

 スポーツ界でパワハラ問題の内部告発が絶えない状況だ。そして企業では品質管理の手抜きやデータ改ざんの内部告発も増えている。更に、省庁内での情報隠蔽や改竄についても内部告発がやっと出始めている。

 一方、ハリウッドでのセクハラ問題の発覚から端を発したミートゥー運動が世界に拡がり、今年のノーベル平和賞は性的暴力防止活動に貢献した人に贈られることになったが、日本ではセクハラ問題が発覚したにも関わらず、刑事事件にはならないケースが多いようで、セクハラ論議は余り盛り上がっていない。

 そして躾のためと称して我が子に厳しいお仕置きをして、最悪の場合は死に至らしめるような体罰・虐待をする若い親たちもいる。こうした子どもが長じて社会に出てもイジメやパワハラをしたり、されたりする。

 パワハラやセクハラには、共通する問題があると私は考えている。それは大きな意味では基本的人権の軽視で、戦後七十年が過ぎても、戦前からの家父長制や男尊女卑の考えを持っている男性がまだまだ多いと感じる。

 また、上司や先輩の言うことは絶対だという文化も残っていて、スポーツ界や大手企業ではそれが顕著のように思われる。

 こうした状況を変えるには、透明化・見える化が重要だという意見が多く見受けられる。私はそれも、表面上の話であって、見える化を進めた日本企業でもパワハラ・セクハラ問題が減っている感じはしない。

 やはり、男も女も子どもも高齢者も、貧富の関係もなく、在日外国人も、皆平等に人権を持っており、それは誰もが互いに尊重し、守らなければならないものである、という意識を定着させるための再教育を、まずコーチや監督たちからしないといけないのではないかと思う。また、マスコミもこうした啓蒙をする必要がある。

 そしてスポーツ界に限らず、どの分野でも、海外の組織の在り方や学習の仕方の事例を比較検討し、効率的で楽しいトレーニングの仕方を確立しないと、時代のスピードに取り残されて井の中の蛙になってしまう。

 諸外国の選手と対等に戦うことができる選手を育成するには、日本の古い習慣や伝統など邪魔になるだけで、選手が指導者に反論できないような文化では、世界に通用する選手は育たない。

 経済、スポーツ、学校教育、行政などあらゆる組織が、お互いの人権を尊重し、自由闊達・臨機応変に切磋琢磨し合ってこそグローバル時代に通用する選手を育てることができる。


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メルボルン滞在記
日本躾の会の会報誌「ふれあい」の2019年4月号(#384号)に以下の寄稿が掲載されました。

メルボルン滞在記  モヨ(株)代表 唐澤豊

三が日明け早々にメルボルンに居る娘のところに三週間程滞在して二十六日に帰国しました。
オーストラリアは真夏で学校は夏休みです。七歳になる孫の相手をするために来てくれないか?と娘に言われて、仕事や任意団体の幹事職などをやり繰りして行くことにしました。

オーストラリアでは十二歳以下の子どもは独居が許されないので、娘が働いている間は誰かに面倒を見て貰わないといけないのです。これは米国でも同じで、ベビーシッターという仕事の需要は尽きない訳です。
オーストラリアでも共働きの親は多いので、親の都合で留守にする時は、ママ友同士で、預け合うこともしていました。だから私も滞在中、四人のママ友に会ったり、その家にお邪魔したりしました。

娘が初めてオーストラリアに行ったのは二十年近く前の学生時代にホームステイで消防士とキャビンアテンダントを辞めたばかりの若い夫婦の家で、裏庭の先は広大な原始林(といってもユーカリの木が主ですが)が広がり、クカバラという白いワライカワセミが来たり、夜は南十字星や天の川など満天の星が迫って来るように見える自然豊かなところでした。その経験が余程良かったのか、英語が苦手だった娘が、卒業して仕事を始めた後、ワーキングホリデーで再度そのホストファミリーにお世話になり、英語を勉強することになったのは、親ながら少し驚きでした。 

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(自作のピザ窯で焼いたビザをご馳走になった)

メルボルン市内からは車で南に二時間くらいのところの新興住宅を買った時は日本円にして数千万円位だったようですが、つい最近売った時は億を超えたそうで、丁度日本の高度成長期からバブルの真っただ中という感じです。物価も昔は安く、金利は十パーセントくらいと高かったですが、今、物価は日本並みに上がり、それでも金利は五パーセント前後のようです。ですから、ニュージーランドも含め、世界中のお金持ちは定期預金(セービングアカウント)を作り、預けておけば、金利だけで生活ができるというので、退職金や、不動産・株などを売り、そのお金を預ける人も多いという噂でした。

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(ユーカリの大木)

お邪魔したママ友の家はどこも広い裏庭があり、小屋の入り口にはキッズオンリーの張り紙がしてある子どもたちが遊ぶ小屋や大きなトランポリンなどを置いてある家も多く、都内は言うに及ばず、東京郊外の家と比べても随分とゆったりしていました。
子どもたちの躾については、家庭毎にバラバラの感じでしたが、毎日、夜は七時半に寝かせ、朝は七時半に起きるという姉妹もいました。今は夏時間なので、暗くなるのは夜の九時位ですから、寝る時間には外は太陽が出ていて明るいという状況で、日本人の感覚としてはちょっと驚きでした。

また食事も菜食主義であったり、加工食品は食べさせないで、有機野菜などを中心にした料理を家庭で作るという家庭もあり、孫は食べられるものがないと、夕食に招待されても、オヤツ・ジュース・サンドイッチなどを持参することもありました。
娘の友だちや知り合いの多くは国際結婚で子どもはハーフという場合が多く、バイリンガルが多いですが、やはり英語が中心にはなっていました。孫も、その友達も、英語だと口数も多くなる感じでした。両親が別々の国から来てオーストラリアで生活し、子どもが生まれたという場合にはトライリンガルになる訳で、マルチリンガルの人もどんどん増えている感じがしました。
国が違っても親子孫の関係は似たような感じもあり、住宅街では孫と散歩や公園で遊ばせる祖父母も多く見かけました。また、祖父母に子どもを預けると、孫が欲しがるお菓子類は何でも食べ放題で与えてしまうので、困るという母親たちの声も聞かれました。

私が着いた週はシドニーでテニス大会があり、毎日テレビで観戦し、翌週から帰国するまでは全豪オープンがあり、孫の相手をしながらテレビで観戦していました。娘のママ友が子どもたち用のイベントが開催されているということで、孫も全豪オープンが行われているメルボルン公園に連れて行って貰い、テニスをしたり、ボディーペインティングをして貰ったり、おみやげに「AO」のロゴが入ったリストバンドを買って来て喜んでいました。

私たちも市内の高級ホテルの別館でシーフードのバイキング・ランチを食べたのですが、後で聞いた話では錦織選手はそのホテルに泊まっていたということで、同じ空気を吸っていたのかとちょっと感動でした。
そして、準々決勝の試合を観に行こうとチケットをオンラインで申し込んだのですが、試合コートと時間が決まるのは前日の夕方で、それから申し込むため、アクセスが多かっのか、サーバーが応答せず、深夜まで、そして翌日早朝も何度となく試したのですが、結局買えずに諦めてテレビで観戦しました。前の会社で一緒に働いたオーストラリア人がブリスベンに住んでいて、たまたまメルボルンに来たからと会って食事をしたのですが、テニスには殆ど関心がなく「暑いからテレビで観た方がいいよ」と言われました。

コピー (1) ~ IMG_2456ふれあい掲載用
(1年に1センチしか成長しないオーストラリア原産のグラスツリー)

私がテレビを観たいこともあり、孫も暑いから(滞在していた辺りは最高で三十八度くらいでしたが、メルボルンは四十三度という日もあり、ヴィクトリア州では連日四十度以上の猛暑が続き、電力消費量が激増し、それに発電が追い付かず、停電が発生して二日以上も停電した地域もあったようです)外で遊びたくない、と言うので、タブレットでゲームをしたり、ユーチューブの映像を観たりしていて、デジタル機器に子守りをさせるのはまずいかな?とは思いつつ、テニス中継の誘惑に負けて、一時間だけ、と制限したのに、三時間くらいになることもありました。

その結果、良いこともありました。もうすぐ夏休みも終わると、二年生になる孫娘は、ユーチューブで上級生たちが語る「ルーチンワークを決めて、毎日それに従って行動することが大事よ」というものを発見したらしく、ある日突然、夕飯を食べたら、歯を磨き、翌日に着る衣服を出してベッドの横にきれいに畳んで並べ、足を細くする圧縮ストッキングを履き、パジャマに着替え、アイマスクをして、決めた時間にさっさとひとりで寝て、タイマーを設定して、母親が起きる前に決めた時間に起き、歯を磨き、顔を洗い、髪を梳かして、用意した衣服に着替え、自分で朝食の準備をして食べ、終わったら食器を流しに持って行く、ということを始めたのです。
娘と二人で、へえ~とびっくりしました。それまでは、明るくないと眠れない、母親が横にいないと眠れない、と言っていた孫が急に変わったので、いつまで続くかねえ~と二人で笑いつつ、このまま続けてくれればと思いました。

コピー (1) ~ 190111-28ふれあい掲載用
(ビーチで友達と遊ぶ孫)

また、孫をビーチで遊ばせようとママ友が車で送り迎えして呉れて、私も一緒に行ったのですが、びっくりしたのは、メルボルンが面しているポート・フィリップ湾、言ってみれば、東京湾のようなものですが、その水がきれいなことでした。市内のすぐ近くですが、遠浅の砂浜が続いていて、透明性も高く、どこでも海水浴ができる感じでした。それなのに、海水浴客はまばらでした。東京湾もあれくらいきれいになるといいのですがねえ・・・。

ソフトバンクの通信障害の教訓
日本躾の会の会報「ふれあい」の383号(2019年3月発行)に以下の投稿が掲載されました。

先日、ソフトバンクの移動通信回線が全国的に約四時間半も使えなくなるという大規模通信障害が発生し、多くの利用者が混乱に巻き込まれた。スマホでキャッシュレスを実践していた利用者は財布と携帯電話を同時に紛失したのと同じ状況になった訳で、仕事に支障を来した人もかなりいたようだ。電子チケットも普及して来たため、スマホが使えないと、チケットを見せることができないとか、宅配業者のドライバーと連絡が取れないとか、お客様からの予約が取れない飲食店など、様々な分野にも被害が及んで、スマホ依存社会の問題点が洗い出された感じだ。
また、混乱に乗じて詐欺を働いたり、デマ情報を流したりする火事場泥棒のような輩も出たとのことで、混乱に更に拍車がかかったようで、相変わらず愉快犯が出没したのは困ったものだ。
実は私もソフトバンクのサービスでスマホを利用しているが、孫の幼稚園で開催された学芸会を見に行っていて、終了後は長女の家のワイファイ(WiFi:高速無線LAN)に接続していたので、障害のことは帰宅するまで気付かなかった(後で述べるがこれがひとつの障害対応策となる)。

この原稿を書いている時点では、まだ障害の原因は詳しくは報告されていないが、移動通信の基幹部分を構成する通信機器のソフトウェアーに不具合があったようだ。その通信機器はスウェーデンのエリクソン社が世界に提供しているもので、英国やヴェトナムなどの移動通信事業者でも同時に起きていたそうだ。公式発表では「ソフトウェアー証明書の期限切れ」が障害の原因とのことだが、そんな単純な問題なら、もっと早く対応できたはずだし、そもそもそういう場合はまともなソフトウェアー開発企業なら警告を出すようにするはずだ。それが出るようになっていなかったことが原因と私は推測している。
また、現在は自社で移動通信回線を持たなくても、他社から借りて通信サービスを提供することができるので(これを仮想移動通信事業者と言う)、日本通信やLINEモバイルなどソフトバンクから移動通信回線を借りている事業者も同様の障害に晒された。
通信事業者を所管する総務省はこの障害を大規模障害として、ソフトバンクに報告・改善策を求めることにしたようだ。

今回の障害について、ネットでは様々な情報が飛び交っている。家族割に釣られて一家全員ソフトバンクにした家族はお互いに連絡も取れずに大変だったとか、テロリストの仕業だと思ったとか、新しい電子マネーのサービスのせいではないかと思ったとか、やはりデジタルに頼り過ぎないように現金とガラケー(旧式の携帯電話)が安全だとか、責任はソフトバンクにあるのかエリクソンなのかとか、通信機器は国産に規制すべきだといったものだ。
そんな中、まともな意見もある。それはこうした障害に備えて二重化は常識だ、というものだ。私もこれには賛成である。大手企業のネットワークシステムは通信事業者を一社に頼ると、万が一の自然災害などで通信が断絶することもあり得るから安全性確保のために、二社、三社に分散しているのだ。それは基幹通信事業者といえども、同じことで、ソフトバンクは二重化をやっていなかったということだ。

さて、スマホ依存社会の問題点が噴出した今回の問題だが、これを教訓として、個人利用者としては通信障害対策をどうすれば良いか?について以下に述べる。

先ずは簡単な話から。これは障害時とは直接関係ないが、スマホがガラケーと違うのは、通話回線とインターネット回線を持っていることに注目して欲しい。ガラケーだってデータ回線があるよ、と言う人がいるかも知れないが、データ回線は事業者内の閉ざされた回線であり、インターネット回線は世界中のどこにでも世界標準の「インターネット・プロトコル(接続方式)」で繋がることである。そして、今はメッセンジャーと呼ばれるアプリがスマホ用に無料で提供されており、音声通話、ビデオ通話、絵文字を含むテキストチャット、写真やビデオの交換などができるようになっている。具体例ではLINE、フェイスブック・メッセンジャー、スカイプなどがある。これらは無料なので、電話代を節約する意味でも常日頃使っている人は増えている。しかもインターネット定額契約や無料ワイファイ経由で使えば、追加の通信料も発生しない。だから私も、ワイファイがあるところでは必ずと言って良い程、接続を切り替えて使っている。こうすれば、移動体通信事業者で障害が発生した場合でも、通話もメールもインターネットも利用できるし、家族割で全員同じ事業者であっても問題はない。
しかし、この場合にも気を付けないといけないことがある。それは、スマホ事業者とインターネット事業者を分けることである。同じだとインターネット回線に障害が起きると(機器障害だけでなく、自然災害もあるから)、一社に頼っていては通信手段を失う可能性があって危ない。(下記概念図参照)今回の場合も、単に移動体通信の障害だけでなく、一部インターネット・サービスでも影響が出ていたようだ。
移動・固定通信網の二重化概念図LR
実際に今回の障害時でも、ソフトバンクのショップでは、固定インターネット回線にファイワイ機器を繋げて店内で使えるようにしてあるため、賢い利用者は、店の前でワイファイを使って連絡を取っていた光景が放送されていた。
こうしたことは日頃から使っていないと、障害が起きた時に慌てることになる。災害時に通話ができない場合は特定の番号に電話して家族や親戚と連絡を取り合うことができるサービスがあるが、滅多に使うことは無いから、あれ、どうすればいいんだったかな?と戸惑ってしまうだろうことは容易に想像できる。

また、移動体通信事業三社はガラケー時代に始まったショートメールを進化させた+メッセージというサービスを三社共通仕様で提供し始めた。これは前述のメッセンジャーと同じような機能を提供しており、電話番号さえ判れば通信できるから、アプリのダウンロードも不要となるから、今後、利用者が増えるものと思われるから、今のうちに使い慣れておくと良いだろう。
今、移動体通信事業者が開発しているのは第五世代方式(5G)と呼ばれるもので、通信速度が非常に早く、遅延も少なく、信頼性も高いものにすることを目指しているが、車の自動運転などにも使われる予定で、今以上にあらゆるものが繋がる通信網になるので、安全性・信頼性の確保がカギとなるだろう。そういう意味では、ソフトウェアーのプロが新しいソフトウェアーの導入にどう対応しているかを紹介しておきたい。彼らは、新しいソフトウェアーには不具合、いわゆるバグと呼ばれるものが必ず入っていることを自らの体験で知っているので、直ぐに新しいものには飛びつかず、最低一年間くらいは様子を見て、問題が解決されてから使うようにしているのだ。スマホは毎年のように新製品が発売されるが、直ぐに飛びつくのは新しもの好きの素人ということになる。価格的にも一世代前のものの方が安い場合が多いから一石二鳥なのだ。


大人の躾とネチケットー後編
日本躾の会の機関誌「ふれあい380号」に高度情報インターネット研究会の座談会「大人の躾とネチケット」後編が掲載されました。

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ネチケット#2-2
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大人の躾とネチケットー前篇
日本躾の会の機関誌「ふれあい378号」に高度情報インターネット研究会の座談会「大人の躾とネチケット」前編が掲載されました。

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ネチケット#1-3
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ネチケット#1-7



日本社会の弱点
日本躾の会の機関誌「ふれあい369号」に高度情報インターネット研究会の座談会「日本社会の弱点」が掲載されました。

マイナンバー#2-1
マイナンバー#2-2
マイナンバー#2-3
マイナンバー#2-4
マイナンバー#2-5

マイナンバーカードのその後
日本躾の会の機関誌「ふれあい368号」に高度情報インターネット研究会の座談会「マイナンバーカードのその後」が掲載されました。

マイナンバー#1-1
マイナンバー#1-2
マイナンバー#1-3
マイナンバー#1-4
マイナンバー#1-5
マイナンバー#1-6

AI(人口知能)は人間を超えるか?
以下の投稿が日本躾の会の会報「ふれあい」#370、2018年7/8月号に掲載されました。

AI(人口知能)は人間を超えるか?

話しかけると質問に答え、情報を提供し、音楽を再生してくれるといったスマートスピーカー(AIスピーカーとも言います)が売れ始めているようです。

これは音声認識技術と音声合成技術を使って利用者と対話し、話しかけた内容を分析・整理し、AI技術を使って過去に蓄積された大量のデータ(ビッグデータと言います)から答えを探し出して回答するといったことをやっている訳です。

皆さんも、囲碁や将棋で名人も負かせてしまうようなAI技術を使っている賢いスピーカーなのだから、利用者がご主人様なのか、悪用しようとしている他人なのか、などはちゃんと区別できるだろうと思いますよね?

ところが、市販されているものを使って、人間の耳には聞こえないような周波数の音で、疑似的な言葉を発信して実験してみたところ、ハッキング(所有者個人のスマホやパソコンに侵入して個人情報にアクセスすること)ができてしまったというニュースがありました。この試験を発案し、学生たちと一緒に実験してみたのは日本の私立大学の若手教授でした。

こうしたスマートスピーカーを開発・販売しているのは米国を中心とする情報通信分野のトップ企業ですが、このニュースを聞いて、直ぐに対策を取り始めたそうです。しかし、この先生の話では、まだまだセキュリティー(安全性)は甘いとのことです。

ここで言えることは、AI技術は開発が始まったばかりで、囲碁や将棋のような、ある分野に特化したものは、人間よりも賢くなったとは言えるのですが、汎用のAIは、まだまだ始まったばかりで、人間でなければ出来ない知的創造活動は、今から何十年先でも人間を超えることはできないだろうと私は考えています。

新しいものをデザインするということはどういうことかと言いますと、既成の概念・観念を打破し、今迄なかったものを創出することです。それは多分、コンピューターには出来ないと思います。

その理由は、AIと言っても今の技術は、大量の過去データを読み込ませ、分析・整理しているだけで、何も無いところから全く新しいものを創造している訳ではないからです。BGMにするような音楽なら、今迄でも作曲することは出来ていますし、マニュアルとか解説書のレベルであれば、文章を書くことも可能でしょう。しかし、聞く人を感動させるような音楽を作曲したり、売れる詩や小説を書いたりすることは、まだ出来ていませんし、しばらくは無理だと思います。但し、簡単な仕事はどんどんAIとロボットに置き換えられるでしょう。


お陰様とお互い様
以下の投稿が日本躾の会の会報「ふれあい」#370、2017年11月号に掲載されました。

お陰様とお互い様

神戸のマンションで、住人の一人の母親が「子どもには知らない人に挨拶されたら逃げなさいと教えているので、マンション内では挨拶禁止にして欲しい」という要望があり、管理組合で協議した結果賛成多数で可決したとのこと。
社会生活の基本は挨拶からであり、子どもに人を見る目を持たせるためには挨拶はさせて、その反応で判断するように教えないと、逃げたら知恵や判断力が育たない。

初めて渡米した時、ホテルの駐車場と部屋との間を歩く時に敷地内で出会う人には、必ず向こうから「ハーイ!」とにっこり笑って挨拶された。それはショッピングセンターや会社やエレベーターの中でも、やはり同じだった。相手が若い美人の女性だったりすると、最初は、ちょっとドキッとして、こちらも戸惑いながら、小さな声で「ハーイ!」と返すのが精一杯だった。

どうしてそうするのか理由を会社の友人に聞いたところ、米国は銃の所持も自由なので、常に危険が伴うため「私はあなたの敵ではありませんよ」という意味で誰にでも「ハーイ!」と挨拶するのだとのことだった。それで目を逸らせる人や挨拶をしない人は「怪しい不審者」かも知れないという自己防衛上・防犯上の理由からだった。

以前住んでいた柏市では、登校時に家の周囲の掃除などをしていると、知らない小学生が元気よく「おはようございます!」と挨拶するので「おはよう!いってらっしゃい!」と返していた。学校の行き帰りに地元の大人たちに挨拶をするように小学校では指導しているとのことで、少子化で集団登下校もままならない中、不審者の出没も絶えないので、住民と小学校とが一体となった防犯体制である。

このマンション挨拶禁止令の件は、日本では昔からある「お陰様」という、自然や社会から受ける利益や恩恵に感謝するという概念が薄れてしまい、自分ひとりで生きているという身勝手な傲慢さが広がってしまった結果だと思う。

他にも、学校で給食を食べる時「頂きます」と言わせるのは、子どもはお金を払った客であるのだからおかしいとか、満員電車にベビーカーを持ち込むのは邪魔だとか、赤ちゃんの泣き声がうるさいとか、幼稚園を建設しようとしたら、子どもたちの声が迷惑だから反対だといったことが話題になったが、これらは社会で生きていく上で多少の迷惑は「お互い様」ということが忘れられて、自己中心的な大人が増えてしまったからだと思う。

お陰様、お互い様、頂きます、勿体ない、など良い日本語は伝承して行きたいものだ。


躾は能力に勝つ
以下の投稿が日本躾の会の会報「ふれあい」#365、2017年5月号に掲載されました。

躾は能力に勝つ

 先日、テレビ東京で放送された「世界ナゼそこに日本人」という番組で、南米コロンビアの超危険地帯で町の人々のために奮闘する日本人男性が紹介された。

 それはコロンビアのスラム街に十三年間住む三七歳の横井研二さんで、日本人の父親とコロンビア人の母親の間にコロンビアで生まれ、祖父母がスラム街に住んでいたため、幼少のある時期、住んでいたという。

 ところが、十歳の時、コロンビアの治安悪化で、父親に会社から帰国命令が出て、横浜に住んだが、日本語が余り出来なかったため、イジメも受けた。しかし担任が素晴らしい先生で、クラスの生徒一人一人に別々の宿題を出し、一人一分野の日本語五個を研二少年に教えなさい、というもので、短期間に日本語の読み書きも出来るようになった。この先生の影響が彼に大きな影響を与えたことは言うまでもない。

 高校卒業後、横浜で偶然会ったコロンビア人女性と結婚し、小さなレストランを開いて大成功し順風満帆だった。そんなある日、貧しいコロンビア人の中年男性が国の職員を人質に取り、テレビ局を呼んで「私の子どもたちに食べ物を与えてくれないと、人質を殺す」と放送させたニュースを観て、これは何とかしなければと妻と長男を連れてコロンビアに移住した。

 最初の五年位は何をしたら良いか途方に暮れたが、自分が日本語を教えて貰った経験から、スラム街の子どもたちにボランティアで日本語を教え始めたところ、バイリンガルになった子どもたちは自信を持ち始め、それまで自分たちは大人になったらギャングや麻薬売人等になるしかないと思っていたが、映画監督や劇団座長になった人などが出てきた。

 日本の車等は人気があり、日本人は頭が良いから素晴らしい製品を生み出しているとコロンビアの子どもたちは思っていたが、彼は「それは違う、頭の良し悪しではなく、コロンビア人と違うのは学校での規律だ、その基は家庭の躾だ」ということを子どもたちに話し、それが学校の先生に伝わり、クラスの父兄に学校で「躾は能力に勝つ」という話をしたところ、企業や各種組織、政府関係などからの講演依頼が舞い込み、更にCNNのニュースで取り上げられたので、今では中南米各国からも講演依頼が殺到しており、今や彼は超有名人で町のどこに行ってもサインを求められたり、一緒の写真を頼まれたりし、お店では支払を受け取らないところも多いとのことだ。

 最近、日本人の躾がどんどん低下して問題だと思っていたが、外国と比較したら、これでも日本は良い方で、全く躾のなされていない国も多いということだ。日本企業の業績低迷や経営破綻等も激しいが、渋沢栄一が唱えた「論語と算盤」の論語を忘れ、算盤にばかり力を入れている経営者が多くなったが、横井さんが言う「躾は能力に勝つ」ということを企業経営者も考え、企業倫理を再構築すべきだ。

 これからは、世界中に躾のコンセプトを輸出する機会がある。それにはまず「幸せに生きる」を主要な各国語に翻訳して啓蒙するのが良いと思う次第である。


参考情報:
テレビ東京「世界ナゼそこに日本人」:
http://www.tv-tokyo.co.jp/program/detail/201702/22422_201702202100.html

「幸せに生きる」:
http://karasawajuku.blog10.fc2.com/blog-entry-1044.html




PROFILE
唐澤 豊
  • Author:唐澤 豊
  • 還暦を期に長髪から一気に坊主頭にしました。これから20年間、第2の成人を迎えるまではこれでいこうと思います。でもやっぱり冬は寒いし、夏は暑いので、帽子を愛用しています。
    ●情報通信業界の米国系企業を中心に40年間、営業以外の仕事はほとんど経験。技術以外には、マーケティング・ブランディング、組織論、人事評価制度、企業文化なども経験。今まで3つ会社を始めましたが、被買収・売却などの後、4つ目の会社を後任に任せたところで、一昨年、仲間2人ともうひとつ会社を設立し、非言語コミュニケーションのサービスを開発中です。
    ●経営労働管理士。日本躾の会理事。
    ●音楽(ビートルズ、S&G、フォーク、ニューミュージック等)、グラフィックデザイン、水彩画を趣味とするので、マルチメディア技術の活用に大いに期待しています。読書、宇宙の真理探求が最近の趣味。ストレッチ、真向法、西勝造先生の西式健康法を実践中。
    ●故津留晃一さんの著作や講演録(CD)に触れて「人生の目的は体験することである」ということに納得しています。
    ●詳しいプロフィールは「自己紹介」のカテゴリーにあります。
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