唐澤塾
唐澤豊が情報通信技術+経営術+人生術+創造性を中心に一期一会を追求する私塾
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「静かなオフィスに突然訪れる危機」---日経BP「記者の眼」より
日経BP社のITProサイトに「記者の眼」というコラムがあります。その1月31日には、首記のようなことが書かれていました。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20060125/227896/

その概略は、今から20年の会社はとても活気があって、騒々しいくらいに皆が電話を掛けまくり、営業目標に届けば「本日、目標に到達!」と掛け声がかかり、営業成績をグラフ化したパネルには花が飾られたりしたものだったが、最近の企業はどこでも、昔と比べると非常に静かになったということです。これはお客さんとのやりとりが少なくなったからではなくて、電子メールと携帯電話の普及で、社員とお客さんとのやりとりが職場から見えなくなったためだということです。

弊社もご他聞に洩れず、静かなもので、普段は、キーボードを叩く音がするくらいです。電話は掛かって来ますが、その多くは金融商品の売り込みなどの迷惑電話です。お客様とのアポは電子メールで、弊社の商品はOSとアプリケーションの間に位置するミドルウェアなので、電話ではなかなかご理解頂けないので、ご来社して頂き、一通りご説明の上、デモを見て頂くようにしています。そういう意味では、商談は面談でしかできない状況ですね。

電子メールと携帯電話に依存した状態になると「予兆がないまま、大問題が突如噴出してしまうことが多くなった」という心配も増えているそうです。

昔、上司は社員にかかってくる電話や、社員がかける電話の数で商売の良し悪しを肌で感じ、問題も大きくなる前に察知して手を打つことも出来たけれど、電子メールと携帯電話の浸透に伴って、今ではお客さんと社員とのやり取りが、同僚や上司の目に触れにくくなり、良いことも悪いこともわかりずらくなっているのが問題だということです。


元ライブドアの社員のインタビューというのをテレビのニュースでやっていましたが「社員同士、挨拶もしないし、やりとりは全部電子メールで、変な会社だった」といったようなことを話していた女性がおりましたが、ITは単なる道具なので、上手に活用はしなければいけませんが、それを忘れて依存し過ぎてしまうと、ああいう結果を生むことになるのだろうと思います。

こ記事の結びの部分には、メールの内容を検索・フィルタリングして、苦情を自動的に抽出して上司に知らせるような道具の開発などを示唆していますが、これは本末転倒だと思いますね。

ITに依存し過ぎた結果、問題が出ているのに、それに輪をかけた道具を開発しても、何等本質的な解決にはならないわけで、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)の徹底で社内コミュニケーションを良くする、情報共有を徹底する、社員のモラルを上げる、といった方策を考えなければ、次々と問題が出て来てはそのためにまた、道具を開発するという、社員を信用できない管理職と管理職を信用できない社員とのイタチゴッコになってしまうと思います。

唐澤豊@唐澤塾
http://sohmokutoh.blog9.fc2.com/
http://www.irisa.com/jp/

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日本の未来はスローな国家?
ホットワイヤードに、日本社会の高齢化と「スローライフ」について考察するコラムが、2回のシリーズで紹介されています。

その(上)では、日本の人口が減少に向かうと、経済重視のひとたちは、様々な問題が起きると心配しているわけですが、それとは対照的に、日本で急速に広がっている「スローライフ」という考え方を紹介しています。
http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20060124206.html

スローライフは、社会の意識を経済効率から生活の質に移そうという動きだが、皮肉にもこの考え方はマーケティングに端を発する。地方の自治体がエコツーリズムという「環境に優しい収入」を得ようと考え、2001年に『がんばらない』というスローガンで広告キャンペーンを始めたのがきっかけだ。各地の地方自治体が、ストレスの多い都市生活者に――もちろん、小泉政権らしいスローガン『AMBITIOUS JAPAN!』(アンビシャス・ジャパン)のステッカーが張られた新幹線に乗って――田舎に来てもらおうと考え、8つのテーマから成る『スローライフ宣言』を考え出した。スローライフ宣言では、歩く、昔ながらの衣服(着物)を着る、地元の食材で作った料理を食べる、耐久性のある持続可能な建築物に住む、森林を大切にする、高齢者に敬意を払う、自然のリズムに合わせて自立した生活を送るといった、学歴偏重や競争主義から脱却した生活様式を重視している。

その(下)では、早くからスローライフの理念を雄弁に提唱してきた音楽家の坂本龍一さんの次のような言葉を紹介しています。
http://hotwired.goo.ne.jp/news/20060125207.html

「現在の経済システムは、常に自転車操業的に成長を追いかけていかなきゃいけないから忙しい。それで、余計効率を求め早く動かなくてはならなくなる……。日本は美しい三等国になればいいと思うんです。食べ物がおいしく、風景もきれいで、自然も豊かな日本だったらいいじゃないですか。そんなにお金がなくてもいいんじゃないかと、僕は思うんですよ」

そして、フリーターやニートのことも以下のように紹介しています。

日本では競争社会から離脱する若者が跡を絶たず、彼らの自由気ままな生活を表す「フリーター」という言葉まで登場している。フリーターは30代になっても親元で暮らし、アルバイトをして、携帯電話の料金が支払えるくらいの金額を稼ぐ。また、「職を持たず、教育機関に属さず、就職に向けた訓練もしていない者(not in education, employment or training)」を意味する「ニート」(NEET)と呼ばれる人々もいる。こうした脱落者や拒否者は『BBCニュース』の記事で「自由な精神を持つ日本人」と表現された。

更に、こうした若者とスローライフを送る年配者とは共通した点があると指摘しています。

おそらく「自由な精神」を持つ日本の若者たちは、もっとゆとりのあるスローライフを送る年配者と同じで、「環境保護論者、有機栽培の果物しか食べない人、太陽電池式のスクーターに乗る人、水中出産の支持者、タントラ密教の秘儀を取り入れたセックスの実践者、ワールドミュージックのリスナー、テントに住む人、麻ズボンをはく人、『アーユルベーダ』[インドの伝統医学]のマッサージにはまっている人」とどこか共通する部分があるのだろう。これらは、『キャビネット』誌の最新号に掲載されているポール・レイティー氏の素晴らしいエッセイ『奇人たちの小史』(A Brief History of Cranks)で挙げられている人々だ。とはいえ、レイティー氏はこう指摘する。「環境保護主義は、奇妙な方向に脱線していた時代から、次第に大きな運動へと変わりつつある……今では誰もがサンダルを履いている」

こうして外国人から日本の社会について紹介されると、妙に納得してしまいそうになるのは何ででしょうね?

唐澤豊@唐澤塾
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きっこのブログ
もうご存知の方も多いのかも知れませんが、姉歯問題の時に、友人から「きっこのブログ」が面白い、と紹介されました。それから気になっておりましたが、時間が無かったので、見ていませんでした。

ところが、ライブドア問題について、ホットワイヤードの記事を紹介したら、トラックバックしてくれたブログから「きっこのブログ」に辿りつきました。今日は時間があったので、最近のエントリーをじっくり読んでみると、驚くようなことがいっぱい書いてありました。
「きっこ」さんのプロフィールを見ると、ヘアメイクさんだということですが、プロの記者ではないかとも思われる内容です。

まだ読んだことが無い方は、是非、下記で読んでみて下さい。
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/

プロの記者も、このブログを読んでから、取材する、という噂もあるそうです。

唐澤豊@唐澤塾
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「ライブドアへの強制捜査にからんでのうわさ話」
ホットワイヤードに“佐々木俊尚の「ITジャーナル」”というコーナーがあります。
http://blog.goo.ne.jp/hwj-sasaki/

その1月20日付けに「ライブドアへの強制捜査にからんでのうわさ話」という記事がありました。
http://blog.goo.ne.jp/hwj-sasaki/1

それによると、

 ライブドアへの強制捜査にからんで、「フジサンケイグループが東京地検にネタを持ち込んだのではないか」という噂が、マスコミの中を駆けめぐっている。

ということです。そして、

ある全国紙記者の話。「フジテレビと産経新聞は昨年春にニッポン放送問題が和解で決着してからも取材班を解散せず、ライブドアの不正を追い続けていた。その中で今回のライブドアマーケティングをめぐる疑惑をつかみ、司法クラブ記者を通じて東京地検にネタを持っていったという話が出ている」

とのこと。新聞記者の人たちの間での噂とすれば、信用できそうな気がしますが、どうなんでしょうね?詳しくは、上記サイトでお読み下さい。

唐澤豊@唐澤塾
http://sohmokutoh.blog9.fc2.com/
http://www.irisa.com/jp/

ITバブルを予言したエコノミストが次なるバブルを予測
1992年に出した自著で1990年代後半の株式市場のバブルを予言していたエコノミストのハリー・S・デント氏が、更に大きなバブルの到来を予測しているとのこと。同氏によると、株式市場は今後5年間、空前の好況に沸くが、その後2010年頃からは世界大恐慌以来の最悪の不況期に突入するということです。
http://hotwired.goo.ne.jp/news/20060123105.html

一方、日本では、増田俊男氏が、2006年日経平均3万円、2007年5万円と予想しています。

さあ、どうなるのでしょうか?
いずれにしても、額に汗して働くことを忘れてはいけないと思いますので、私は金融投資には手を染めないことにしています。

唐澤豊@唐澤塾
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「iPodは1日2時間以内に」と難聴予防で医師が警告
またまた難聴についての話ですが、米国の聴覚専門医が、iPodなど携帯音楽プレーヤーは難聴を招くとして、利用を1日2時間以内に抑えることを呼びかけたとのこと。音量が適正でも、イヤホンで聞き続けると耳を傷つけ、40代になるころに補聴器が必要になりかねないと訴えているそうです。
差し詰め日本では、通勤・通学の行き帰りだけならいいというところでしょうか?
http://hotwired.goo.ne.jp/news/20060120304.html

この医師の見解では、若者の大半が既に大なり小なり耳を痛めているとみていて、医学誌の推計では、6~19歳の青少年の12.5%が騒音性難聴を抱えているということです。皆さんも気をつけましょう。

唐澤豊@唐澤塾
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学校給食では「いただきます」を言わせるなと言う母親が!!!
毎日新聞 2006年1月21日 東京朝刊 によると;
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/shoku/news/20060121ddm013100126000c.html

TBSラジオ「永六輔その新世界」(土曜朝8時半~、放送エリア・関東1都6県)で昨秋、「いただきます」を巡る話題が沸騰した。きっかけは「給食費を払っているから、子どもにいただきますと言わせないで、と学校に申し入れた母親がいた」という手紙だ。

この記事によると、

 手紙は東京都内の男性から寄せられ、永六輔さん(72)が「びっくりする手紙です」と、次のように紹介した。

 《ある小学校で母親が申し入れをしました。「給食の時間に、うちの子には『いただきます』と言わせないでほしい。給食費をちゃんと払っているんだから、言わなくていいではないか」と》


ということで、その学校では、校長もそれを受け入れ「いただきます」と言うのを止めたのだそうです(これは毎日新聞には書いてありませんが、ネットを色々検索した人から聞いた話です)。またこの番組に寄せられた意見でも、この母親の考えを支持する意見も結構あったようで、これが現代日本の世相かとびっくりするやら、呆れるやら、ここまで来てしまったか!というのが実感です。

永六輔さんもインタビューに下記のように答えていますが、

学校給食で「いただきます」を言うことへの抵抗は、以前からありました。それは、両手を合わせる姿が特定の宗教行為、つまり仏教に結びつかないか、という懸念です。宗教的なことを押し付けるのは僕も良くないと思います。でも「いただきます」という言葉は、宗教に関係していません。自然の世界と人間のお付き合いの問題です。

「いただきます」は自然の摂理に従って、生きていた動植物を殺生し、我々人間が食べて、血となり肉となることへの感謝の気持ちを表現する言葉だと私は理解しています。

「あなたの命を私の命にさせていただきます」の、いただきます。

と永さんは答えていますが、それが日本の常識でしょう。それを無知な母親の意見に従う校長も校長ですね。また、永さんは次のように答えているように、この世代がはっきり言わないところもあって、それがその子ども世代を、多様化していい、色々な考えがあっていい、という自然の摂理までも無視した無節操を放任するようなことになっているようにも思います。

 「お金を払っているから、いただきますと言わせないで」というのは、最近の話です。命でなく、お金に手を合わせちゃう。会社を売り買いするIT企業や投資ファンドにも共通点があると思います。話の発端になった母親は「いただきます」を言うかどうかを、物事を売る、買うという観点で決めているのでしょうね。売り買いはビジネスですから、そこに「ありがとう」という言葉は入ってきません。「ありがとう」に準ずる「いただきます」も入ってこない。ただ、そういう母親がいることも、認めないといけないと思います。

こんな意見の母親がいることを認める必要はなく、ちゃんと教えないといけないと私は思います。

私の実家のある伊那谷では、家で食事をする前には「いただきます」と言い、食べ終わったら「いただきました」と言います。これが理にかなっていると思いますが、食べ終わったら「ごちそうさま」が一般的になっていますね。

誰かにご馳走して貰う時は「ご馳走になります」と食べ始め「ご馳走さまでした」と終わるのが本来の言い方だったのだろうと思います。それが「いただきます」で始まり「ごちそうさま」で終わるから、金を払っているのだから「いただきます」「ごちそうさま」はおかしい、という考えが出て来てしまうのかも知れません。

しかし、やっぱり金権主義が蔓延ったせいだろうと私は思います。

以前にも紹介したと思いますが、最近の小学生同士の話題は、お金のことか物のことだけだ、という図工の先生の話があります。これは子どもたちのせいではなく、明らかに親たちの話題がそういうことばかりだから、子どももそうなってしまう、ということだろうと思います。

ついでに、伊那谷では、家を出る時は「行って参ります」で、帰った時は「行って参りました」です。これも理にかなっていると思いますが、標準語は「行ってきます」で、帰った時は「ただいま」ですね。これもアンバランスですが、江戸は地方からのお上りさんの集まりで、元々の住人は少なかったはずですから、色々な地方の言葉や言い回しがごっちゃになって江戸弁から東京弁となり、それが標準語となったのかも知れませんね。

唐澤豊@唐澤塾
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<ハト>ふん害に困り燃えるごみで処理
獣医師の中川美穂子さんから、毎日新聞に掲載された、大分県竹田市の小学校での話しをご紹介頂きましたが、今時の先生は教育者としての自覚が足りない・・・、などとつい言いたくもなりますねえ。

毎日新聞(福岡)06年1月22日朝刊

<ハト>ふん害に困り燃えるごみで処理 大分・竹田の小学校

大分県竹田市の市立小学校がハトのふん害に困り、ハトを捕まえて、燃えるごみとして出していたことが分かった。同校は「児童の健康被害が心配で、やむを得なかった」と釈明している。市教委は「教育現場として配慮に欠けた」としているが、校舎に集まるハトの対策に他の学校も頭を悩ませている現実も指摘している。

同校によると、教頭が04年秋から昨年春にかけて、休日や放課後などの児童がいない時間帯に、プールごみをすくう約2メートルの網で計約10羽の成鳥を捕獲。その場で殺すことはためらわれたため、ごみ袋に入れて倉庫に保管し、他の教諭が週1回の収集日にごみとして出した。昨春以降はハトが減り、捕獲をやめたという。教頭は「捨てた時はほとんど死んでいたと思う」と言う。

当時、校舎のひさしなどに多い時で約50羽が集まり、ベランダなどにふんが数センチ積もることがあった。乾燥したふんが風で教室に舞い込む日には、窓を閉め切り授業していた。ハトが止まれないよう突起物を置いたが、効果はなかったという。

教頭は「ぜんそくを抱える子もおり、児童の健康を考えると他に方法がなかった。いい方法があるなら教えてほしいぐらいだった」と話した。

市教委によると、市内の他校では網や竹のササでハトの侵入を防ぐなどの対策を各校で取っているという。市教委学校教育課は「命の尊さを教える現場として問題があった。ただ、ハトのふん害は妙案がない状態」と話している。【姜弘修】

◇学校だけで悩むな
▽教育現場と小動物の関係に詳しい中川美穂子・お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター研究協力員(獣医師)の話「最大の問題は、外部に相談せずに措置をしたこと。学校は命の大切さを教えているだけに、学校だけで悩まず最初に専門家に相談していれば、何らかのアドバイスが得られたはず。外部に相談することが、地域で学校を守り、学校を地域に開くことにもつながる」

(毎日新聞) - 1月21日21時28分更新


これも氷山の一角で、まだまだ色々な問題があるようにも思われます。

唐澤豊@唐澤塾
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EC時代のCRMとコンタクトセンター---その6
---全デジタルは万能か?---

EC時代は何でも小文字のeを付けて表す傾向にある。eBusinessにeCRM、そしてeCTIなどである。調子に乗って私もeCTIという言葉をあるセミナーで使ったら後日、参加者から電子メールで質問が来た。これらeの付く言葉は、インターネットを使ったビジネスやCRMであり、インターネットも統合したCTIということである。しかし、以前に述べたように、EC派は全てをデジタル通信メディアで構成しようとする傾向があり、顧客と企業とのやり取りがドライになり過ぎるのではないかという疑問が、ここに来てますます増えたと感じている。一方、CTI派はアナログ通信メディアの電話と情報系を統合して来たので、EC派ほどドライではないと思っている。それらにインターネット系を統合すれば、それが究極のシステムと思っているようだ。それでも実際にECを経験している日本人は、パソコンの世帯普及率が40%を超えようとしているにも関わらずたったの数%というのが最近の調査結果である。

異常に高かった日米のネット関連企業の株価がここに来て落ち込み始めている。それは、期待した程売上や利益が伸びていないということに原因があろう。それではなぜ売上が伸びないのだろうか?それにはいくつも原因があるだろうが1)セキュリティー、2)情報リテラシー、3)マーケティング手法が主な要因ではないだろうか。

セキュリティーに関しては、誰もが承知していることなので、ここでは技術的なことや解決策については触れない。回避方法のひとつとしては、従来使われている通信メディアと併用するとこがある。即ち、クレジット・カード番号、ID番号、パスワードといった重要な情報は電話やFAXを使うということである。これは現状、どこの企業もやっていることであるが、ECサイトの場合には、こうした旧メディアを使おうとしていないところもある。それが使う人の不安を呼んでいるので、eCTIのシステムにすれば良いわけである。まだデジタルが万能ではないのである。

リテラシーというのは読み書きの能力という意味だが、ここで言う情報リテラシーとは、面談での対話を含む、様々な通信メディアを使った情報のやり取りの能力と定義しよう。情報リテラシーの取得には時間が掛かり、一度習熟すると、人はそれを維持したいと思い、新しいメディアをなかなか習得しようとはしない、ということが解って来ている。米国でのオフィスにおける情報リテラシー習得のステップは、私が経験した限り以下のようなものであった。

面談対話・手紙→電話→テレックス→FAX→ボイスメール→パソコン(ワープロ・表計算・プレゼンテーション)→パソコン通信(電子メール・BBS)→マルチメディア・パソコン(音声・静止画・CG・動画)→ポケベル→インターネット(Web・電子メール)→携帯電話→モバイル・パソコン→PDA(パームトップ)→EC(Web・電子メール)→WAP?→ユニファイド・メッセージ?

少なくともホワイトカラーの人達は、これだけのステップを踏んで来たわけである。一朝一夕でこうしたリテラシーが蓄積されるわけはないのであり、一足飛びに最新の道具を使いこなす迄に追い着くには、まだ時間が掛かるだろう。それと、実際のビジネスではこうした道具を融合して使っているわけで、ECだからといって全てデジタル・メディアで良い訳はない。いかに多くの人達が同時期にこうしたリテラシーを習得して行くか、ということが日本企業とその経営者達が考えなければならないことであろう。

マーケティング手法については、ワン・トゥ・ワン・マーケティングや顧客識別マーケティングが提唱され、その目的はCS(顧客満足度向上)からCRM(顧客関係管理)のためとなっている。これらも全てコンピューターを使い、顧客データーベースを分析してマーケティング戦略を立てる、というものであり、何となく冷たくドライな感じがする。そこでもっと人間味のある温かい方法があるのではないか?というのが最近の日本での意見である。顧客の感情(エモーション)をくすぐり、顧客に購買行動(モーション)を起こして貰おうということでエモーショナル・マーケティングを提唱する神田昌典氏や、デジタル・ツールとアナログ・ツールを融合して活用するようなマーケティングという意味で、ハイブリッド・マーケティングを提唱する伊藤博氏などがその現れである。

私は、マーケティング戦略はクールに顧客識別をし、ターゲットにはエモーショナルに訴え掛けるのが良いと思う。そしてそのツールはマルチメディアを駆使したeCTIで構築し、なおかつ顧客に一番近い所に生身の人間も置く地域密着型で分散型のコンタクトセンターとすることであろうと考える。

以上は日経BP社のBizITサイトに“Business Column-24”として4/10/00に寄稿したものです。

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EC時代のCRMとコンタクトセンター---その5
---B to BとPRM---

ECと言うと、企業が個人を相手に商売するケース、いわゆるB to Cが先行していて、ネット関連企業の株価およびその時価発行総額が話題を振り撒いて来たが、どうも収益性が一向に改善されない、ということで株主も見直し機運に入って来たため、アマゾン・ドット・コムなどの株価は低迷し始めているようだ。ECの対象となる顧客層は、セキュリティーなどの心配から、まだそれ程伸びていないから、売上規模も爆発的には
伸びていないのだと思われる。

昨年か一昨年か、いずれにしてもドッグイヤーでは随分前のことになるが、インテルの会長であるアンディー・グローブが、インターネット関連企業というのが注目され、異常とも言える株価になっているが、将来インターネット関連企業はなくなる、なぜなら、あらゆる企業がインターネットを使ってビジネスをするようになるからだ、だからこうしたベンチャー企業がどれだけ生き残っているかは疑問だ、といったようなことを語ったという記事を読んだ記憶がある。

現在、インテル、シスコ、ノーテル、ルーセントといったメーカーが様々なベンチャーを買収しており、CTI業界でも、昨年3月のCT Expoの時にアナリストが、主要企業10社程をリストアップして、それらの企業は1年以内に相当数が買収されるだろうと予測していたが、それらの殆どがその通りとなった。またヨーロッパの大企業も買収に積極的で、元気である。

どんなに将来の可能性があろうと、米国株主達の忍耐の限界は2年くらいのものである。そこで、バブル気味のネット・ベンチャーに見切りを付け、上記メーカー群のように、高い収益性により裏付けられた豊富な資金力があるところが見直されているのであろう。こうしたメーカー企業の株価は現に上向いている。

また、自動車などを例に取っても、ベンチャーがやっていたB to Cを自ら積極的に始めているし、部品調達といった企業間取引であるB to Bにも積極的になっている。インテルは、EC売上高では世界で一番であろうと豪語している。ここに来てB to Bが本格的になりつつあるようであり、グローブが言っていたような状況になるのかも知れない。これからしばらくはB to Bが活発になるだろう。

さて、B to CではCRMが注目されているが、B to Bの場合、従来は何事に寄らず、営業が顧客企業を訪問して商談を進めることが常識となっていたから、対顧客戦略ということになると、マーケティング部門を持たない多くの日本企業の場合は、個々の営業担当者に委ねられていて、情報共有やノウハウ共有はなされていないのが実情ではないだろうか。
 
今、欧米ではPRM(パートナー・リレーションシップ・マネジメント)が注目されている。メーカーが販売代理店や流通・小売店を経由して消費者に売るB to B to Cというビジネス形態の場合、より少ない人数で、より多くのパートナーをサポートして売って貰うことが出来れば、利益率の高いビジネスを達成できることになる。パートナーには必要とされる情報を最新のツールも活用して提供したり、いつでも、どこからでもアクセスできるようにして、売上を達成し易くしてあげることで、マインド・シェアを上げて貰わなければ、他社の商品を売ることにパートナーのマインドが向いてしまうことになる。

日本の営業も、ますます歩合給になりつつあるから、高い売上額が容易に達成できることが当然喜ばれる。企業間取引であるB to Bの場合でも、PRMが重要である状況は同じであろう。またB to Bの場合には、今となれば企業は生き残りをかけて収益性を重視する経営をするであろうから、EC化や情報投資に、最早一般消費者に比べたら消極的では有り得ないだろう。そういう意味でも今、B to Bの急激な伸びが期待されているのだと思われる。

PRMを実現するには、従来のような、営業マニュアルを作り、その製品販売教育と電話、FAX、電子メールによるサポートだけではなく、Webや携帯電話の活用も提供して、いつでも、どこからでもアクセスできるようにすることが必要である。また、難しい技術的な質問などの電話が、たらい回しされることなどがないように、担当者に直接繋がるようなオフィス内CTIの導入による全社コンタクトセンター化も望まれる。要するにPRMを実現するには、最新のCTI技術を活用したツールの導入が必要である。

またPRMのノウハウは社内の誰かが持っている可能性が高いはずであり、一般消費者に向けたCRMに比べると短期的に実現できる可能性が高いと考えられる。そこで学んだことが、将来B to Cが本格的に開花する時、そして最終的にはC to Cの時代になる時に生きてくるであろう。

以上は日経BP社のBizITサイトに“Business Column-23”として3/27/00に寄稿したものです。

唐澤豊@唐澤塾
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きょうも淋しく---詩集「木枯らし」より
   きょうも淋しく

激しくさえずる 梢のもず
きょうも淋しく 思う胸を
ゆさぶり悲しく させるのよ
私の心を あの人に
伝えてほしいの お願いよ

夜空の星よ なぜにきらめく
きょうも淋しく 星を見る
私の思いは 流れ星よ
明るく燃えて 消えてゆく
むなしくはかない 夢かしら

それでも私は 負けないで
きょうも淋しく 生きるのよ
この世の灯 捜しながら
強く明るく 生きるなら
きっとともるでしょう 灯が

(C) Y.Karasawa 1964

「イヤフォンで難聴の恐れ」と異例の警告CM
世界有数の聴覚研究機関である米国ハウス・イヤー・インスティチュート(HEI)が、イヤフォンで大音量の音楽を聞き続けると難聴になる恐れがあることを訴えるキャンペーンを開始したそうです。“iPod”ブームで難聴予備軍の増加に危機感を抱いており、ケーブルテレビ局の“MTV”などで、異例の警告CMを放送するとのこと。
http://hotwired.goo.ne.jp/news/20060118306.html

以前、ロックバンド、ザ・フーのギタリスト、ピート・タウンゼント氏は自分が難聴になった経験から警告を出している、という話をお伝えしましたが、やはり、大音量で長時間ヘッドフォン/イヤフォンを使うのは控えた方が良さそうですね。

唐澤豊@唐澤塾
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EC時代のCRMとコンタクトセンター---その4
---EC時代のビジネス・モデル論---

インテルのアンディー・グローブ会長は数年前に「フリーMIPS&フリーBAUD」すなわち「コンピューターが百万命令を処理する能力と、1ビット当りの通信費は殆どタダ同然になった」と言って、メーカーとしては、より多くのCPUを使って貰うために「これからはこうした能力を使いこなすアプリケーションが必要だ」と言った訳だが、皮肉にも、インターネットの普及の結果から、無料パソコンを出現させた。当然ハードウェア部品の価格に対する値下げ圧力は大きなものであろう。更に、インターネットの世界では、無料のポータル・サイトが出現し、無料Webサイトも始まり、無料プロバイダーまで出て来た。またLinuxという無料OSも出現し、ソフトウェアやメールマガジンも無料ということで、コンテンツまでも無料という方向に向かっているようにも見える。ではハードウェアやソフトウェアを開発・製造・販売して来た企業や著作・創作活動で生計を立てて来たクリエーターの人達はどうやってこれから稼げばよいのだということになる。一方では著作権保護の長期化やビジネス・モデル特許の容認などの反対の動きもある。

無料コンテンツに対するひとつの考え方は、一次著作物に対する報酬は妥当なものが支払われれば、印税のようなものは必要ないというものである。一曲ヒットソングが出れば一生食っていけるというのは、真面目に働く人にとっては不公平という考えであろうか。また無料ビジネスに対する考え方としては、それを利用する人達に様々なカスタム化したサービスを提供することにより収入を得るというものである。これらのビジネス・モデルが受け入れられ、定着するかどうかは今のところ何とも言えないが、それを普及させようとしている学者グループがいるので、着々と進んでいるようにも見える。

こうした無料ビジネスの仕組みの殆どは、広告収入を頼みの綱としているが、そのビジネス・モデルはラジオに始まり、テレビで花開いた地上波民間放送を基にしており、長い年月を経て成熟したモデルとなっているから、ECのような新規ビジネスにも適用がし易いのであろう。8年程前に、マルチメディアの国際会議のひとつでビバリーヒルズの映画製作者達を中心とした「デジタル・ワールド」というのに出席したことがあった。当時はCD-ROMにマルチメディア・コンテンツを入れて売ろうとしていたが、出席者の中に「普及させるためには民放テレビのように無料にしなければ駄目だ」という意見が出て、開発ツールも素材の音楽や映像も高価な時代であったから物議を醸した。それに目障りなCMなどが入って来ると、教育用など本来の制作意図を損なう可能性もあるとの意見が多数であって、誰も無料化に向かうとは思っていなかった。その後結局CD-ROMベースのものは、雑誌の付録として配布されるようなことになり、これだけが原因ではなかっただろうが、無料化を積極的に目指さなかった制作者側はビジネスとしては期待されるような結果にはならなかった訳である。

もうひとつのビジネス・モデルとしては、通信事業者が通信料収入の一部を代理店などに還元したり、自社の長期償却費に当てたりするものがある。具体例としては携帯電話の契約販売で急激に伸びた光通信の例は周知のことであろう。ISDNの加入契約や新電電各社の長距離・国際電話加入契約に対しても同様の還元がある。これらのモデルの基となるのは、英語では「レザー&ブレード・モデル」と呼ばれるが、剃刀と刃の関係のように、あるメーカーの剃刀を買うと、毎日消費する刃もそのメーカーのものを買わざるを得なくなり、長期的に見ると、刃の購入額の方がずっと高いので、剃刀は無料で配布してもよい、ということである。毎月払う通信料金の数ヶ月分から数年分で、端末である電話機・携帯電話機・パソコンなどのコストは元が取れるということである。

またiModeの有料サービスのように、月額100円から300円という小額の料金徴収をNTTDoCoMoが代行することにより、成立している料金徴収のビジネス・モデルというものもある。

これらのモデルはフランステレコムがミニテルというビデオテックスを普及させるに当り、25年程前に創り出したモデルとのことである。フランスでは、ミニテルというECシステムでの売上がインターネットでの売上を上回っているという。またミニテルは農村部などを中心としたブルーカラー層で広く使われ、インターネットはホワイトカラー層に普及しているということで、システムこそ違え、フランスは世界で一番ECに慣れ親しんでいる人が多いということになる。

これからのECはパソコンを中心としたものではなく、モバイル端末と居間のテレビが中心になるだろう、との見方が活発になっている。モバイルに関しては私も実感しているので意義はないが、テレビについては根本的な無料放送のビジネス・モデルが成り立つかどうかが問題であると思われる。

一昨年の日本に於ける広告業界の規模は5.8兆円で、それに関連する放送業界が2.6兆円、新聞業界が1.3兆円、出版業界が2.6兆円であるから、これらの業界の売上の大半は広告収入であると言えよう。

宣伝・広告費は一般的に売上の3%~5%を投入するのが適切と言われている。そうしてみると、多い方の5%としても各種業界の売上総額が116兆円は必要であるということになる。今まで、広告費とコンテンツの無料化の原資は、移動体通信料金が約4兆円、固定電話料金が約5兆円、パソコン業界の2兆円、半導体業界の4兆円、家電業界の2兆円、通信機器業界の5.5兆円、産業電子機器業界の12兆円などが主なものであると思われる。これらの製造業や、食品、服飾、各種サービス業などから出ていた広告費は、長引く不況により、減少傾向にある。それに対して、IT関連企業はベンチャーまでもがテレビCMを流す程に上場利益を使って一気に認知度を上げようとしている。

そうした中で、昨年のインターネット関連への広告費の総額は、約198億円と推定されており、一昨年の約90億円に対しては2倍以上の伸びであるが、全体のまだ0.3%程度である。インターネット人口が10%を超えたということで、単純に考えれば、6000億円程度まで伸びても不思議はない訳である。しかしこれらの原資となるものがなければ、ネット広告収入は伸びない。

従来の民間放送は、スポンサーからの広告収入と放送経費が、丁度良いところでバランスしていたと思われるが、高画質のデジタル衛星放送やデジタル地上波放送に必要とする設備投資を回収するだけの高額なCM料金は取れないはずだ。日米共に、200X年から全面的にデジタル放送に移行しようという計画のようであるが、採算性の見通しはあるのであろうか?

今や、インターネット、ゲーム機、携帯電話など、広告媒体が増えた上に、高画質放送のために、設備投資と制作コストも増加となると、広告・放送業界は、スポンサー側と媒体側と、どこでどうバランスを取るビジネス・モデルを成立させるかが民放生き残りのカギとなるはずであるが、今それは明確ではないように思う。だからこそ放送だけではなく、ECも取り込まないといけないのかも知れない。テレビ受像機メーカーは殆どは16:9の横長型のみの製造・販売となって、利用者側に選択の余地を与えないような横暴を極めているが、デジタル放送のビジネス・モデルが出来なかった時はどう責任を取るつもりなのだろうか?

いずれにしても宣伝・広告の原資としては、元気の良いIT業界と通信業界から引き出すだけではなく、流通・小売・金融業界も負担するような算段をしなくてはならないだろうが、生活者の可処分所得というパイが増えないことには、どうしようと追加投資分は負担しようがないことを肝に命じて、新しいビジネス・モデルを考え出す必要がある。それは、何かを追加したら、何かを捨てるということしか、これからの低成長時代には無いような気がする。

以上は、日経BP社のBizITサイトに“Business Column-22”として3/13/00に寄稿したものです。ですから、金額や広告メディアの比率、業界の規模などは、インターネットと移動体通信が大きく伸びた点が6年前と今とでは大きく変わったことでしょう。

唐澤豊@唐澤塾
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EC時代のCRMとコンタクトセンター---その3
---あなたはEC派?それともCTI派?---

私は11年前にマルチメディア技術に出会い、これからはこれだ!と思い、当時担当していたマイクロコントローラーの設計・開発の仕事を他のマネージャーに任せて、その普及・啓蒙に専念する部署を創った。CD-ROMベースのコンテンツを開発して貰おうとしていたが、どうも違うようだということで、ビデオ会議システムなどのネットワーク・マルチメディアという方向に方針変更した。その延長線上に、ハリー・ニュートンが提唱したCTIがあった。結果的にはマルチメディアもCTIも時期早尚で、当時の市場は立ち上がらずに終わった。どちらの技術に従事した人も、全てデジタルで処理するもの、あるいはすべきものと捉えていたと思う。そして新しい魅力的なアプリケーションやサービスを開発・提供すれば新規市場は開拓出来ると考えていた。これらが問題点であったのだろうと反省している。

そして4年前にCTIに再会した時、コンピューター系のデジタル情報と通信系のアナログ情報の両者を統合するという意味でCTIこそが真のマルチメディアなのだ、という主張に感銘し、この道に入ったわけである。初期のCTIは既存システムの統合に重きを置き過ぎていた感があり、システムが複雑になる傾向があった。それでもインターネットや電子メールがまだそれ程普及していなかったので、欧米では大型コールセンターを構築するということでそれなりのビジネスになって来ている。日本はまだ発展途上であり、欧米の後追いをする可能性もあるが、他方では新しいニーズが出て来ているようである。

ここに来て日本でも急激にインターネットや電子メールが普及してECの時代となって来た。この業界を支えているのは、日本で言えばビットバレーに代表される若い技術者達であり、急速に事業拡大をしても追いつかない程の伸びで、短期間に上場する企業も出て来て、皆自信に満ち溢れ、中高年の経営者達も教えを乞うために日参するような状況にあるようだ。そうした中では、ECは全てデジタルで処理し、人も介在しないで
大きなビジネスが出来る、あるいはそれを目指そうという志向が強いように見える。ECブームなので、自分の会社もWebを創って電子商取引を始めよう、という企業も多いが、それで簡単に売上が上がる程、安易なものではない。そこにはマーケティングが必要になる。そのために、どうしても人が介在する必要があれば、VoIPを使って電話機能を実現すればよい、ということだ。しかしこうしたEC派の考え方は、我々がかつてマルチメディアの初期やCTI初期の頃に陥ったデジタル万能の危ういものではないだろうか。

現実の通信販売では、電話、FAX、郵便、テレビ、ラジオが使われているわけで、それによる売上規模は、インターネットと電子メールを利用しているEC市場より遥かに大きい。ここに来て、ECでも電話、FAX、携帯電話が使えるようにできないか?という要望が急激に増えて来ているようである。更にこれからは衛星放送やCATVの多チャンネル化により、ショッピング専門チャンネルも増えるであろうから、これらの全ての通信メディアを有効に活用し、どこからでも、誰でも双方向のコミュニケーションができるようになることが望まれている。情報リテラシー格差が問題となりつつあるが、高齢化社会に向かって、既存メディアによるコミュニケーションの確保は重要である。

そうすると、CTIでもECでもない新しい解決方法が必要となる。従来のCTIの場合には、EC機能を無理やり統合しようとしているが、出発点が通信サイドであることが多いので、更に双方向テレビのような放送機能も統合しようとすると、ますます巨大で複雑なシステムとならざるを得ないであろう。ここにEC+CTI=eCTIという新しい考え方が出て来るわけである。マーケティング的には良いと思われるこの考え方も、技術面で考えると、何か素晴らしい解決方法があるのだろうか?Webを中心とするEC派が通信系のCTI派に「うちはWeb関係を開発するからお宅は電話とFAXの機能と連動できるようにしてよ」と言われてCTIベンダーが開発を請け負うというのが現状の姿であるようだ。ところがどちらも相手の技術はよくわからないから、最終的に統合する段階でうまく繋がらないということが結構あるとのことだ。

ここに登場するのがデータメディア社がマルチメディアの第一ブームであった10年前に基本設計をしたIRISAというマルチメディア・コミュニケーション用のミドルウェアである。そのアーキテクチャーは、アナログもデジタルも混在する、あらゆるタイプの通信メディアに対応できるような構造になっている。元々、双方向テレビ用のシステムに向けて開発されたものであり、将来出て来る新しいタイプの通信メディアにも短期間で対応できるであろうと考えられるものである。単に統合が容易であるということだけではなく、分散型の構造であるので、小規模から大規模までスケーラブルなシステム構築が出来る。また、アプリケーションの開発も、ひとつの開発ツールで出来るという点が優れている。これぞeCTIを実現する最先端の解決手段である。これは、デジタル万能を信奉するEC派でもCTI派でもなく、ネオ・マルチメディア派と言えよう。既存のメディアも生かしつつ、新しいメディアにも対応し統合可能なものであり、分散型の理想的な解決方法であるので、これからの主流となることは間違いないと考えている。

以上は、日経BP社のBizITサイトに“Business Column-21”として2/28/00に寄稿したものです。

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「新車の匂い」が健康被害の原因に?
新車には独特の臭い、いわゆる「新車の匂い」がありますが、あれは有害な化学物質、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)の臭いだそうです。その車内濃度が、一部の新型車では危険とされる量に達しているとの報告が、米国の環境団体から発表されたそうです。最も値が高いのは何とあのあこがれの高級車『メルセデス・ベンツ』だそうで、逆に最も低いのはヒュンダイ社の車だったとのことです。いや~、わからないものですねえ。
http://hotwired.goo.ne.jp/news/20060113303.html

車の償却は早いので、新車の価値も2~3年でぐっと下がってしまいますから、経済的に見ると、中古車が良いことになります。そして臭いもなくなる頃ですから、健康にも良い、ということになれば、やっぱり、車は中古車を買うに限りますね。アメリカの億万長者1000人に聞いたというアンケート調査では、彼らは重くて頑丈な中古車しか飼わないし、時計やスーツも日本円にして3万円以上のものは買わないのだそうです。本当の金持ちは、無駄なお金は使わないで、質素な生活をしているんですね。

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26日迄:海田悠写真展『挑戦者の群像・ビジネス編』@銀座ポーラミュージアムアネックス
“経営者の肖像”、“表現者の肖像”、“ふだん着の政治家”、“市川猿之助を撮る”などの写真で有名な海田悠さんの写真展が下記のように開催されています。

     海田悠写真展
 『挑戦者の群像・ビジネス編』
 2006年1月7日(土)~26日(木)
 11:00~19:00(最終日17:00)
銀座・ポーラミュージアムアネックス
〒104-0061東京都中央区銀座1-7-7
TEL 03-3563-5501 FAX 03-5250-4670


当代の起業家がどういう面構えをしているのか、眺めて見るのも面白いと思います。

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きょうも一人で---詩集「木枯らし」より
     きょうも一人で

こがらし吹きすさぶ 並木の道に
きょうも一人で 歩く道に
心の灯 消す様に
でも でも
私の灯は 消えないと
さざんかはやさしく ささやくの

そよ風甘い 緑の丘に
きょうも一人で 歩く丘に
心の灯 ともす様に
ああ
私はそよ風に 甘えたい
すみれの花も 淋しそう

松風悲しい 白い浜に
きょうも一人で 歩く浜辺
私はとっても 淋しいの
ああ
潮風つめたい 青い海
かもめよ一人に しないでね

(C)Y.Karasawa 1964

EC時代のCRMとコンタクトセンター---その2
---コールセンターもダウンサイジング---

今年は通信業界がオープン化する年であると述べた。それは、お客様からの要望が圧力となって起こるであろうと感じている。さてそれではコールセンターそのものやコールセンター用システムはどうなるであろうか?

日本で、大規模なコールセンターは通信事業者の番号案内などの各種サービス用を除くと、50名以上のエージェントが大規模と言われている。最近は、外資系の金融機関などでは、数百名程度の規模になっては来ているが、米国のように数千名規模のコールセンターを構築するという話は聞かない。

大手テレマーケティング会社のコールセンターは、かなりの規模ではあるが、その中身を聞くと、それぞれのクライアント単位あるいは、そのプロジェクト単位で運用されているので「同じ仕事をしているエージェントの集団をひとつのコールセンター」と定義するとそのひとつひとつの規模は50人以下になり、その寄せ集めがテレマーケティング会社のコールセンターと言えよう。

こうしたコールセンター市場にACDとIVR機能付の大型交換機、CTIサーバー、データベース・ソフトウェア、SFAアプリケーションなどでシステムを構築すると、コストが高い上に、フレキシビリティーに欠けることになる。プロジェクト単位で変更や更新をしたいし、それぞれが24時間運用をしている場合が増えているから、ひとつの大規模システムであると、そのためにシステムを一旦止める時間をいつにするかも難しい問題であり、出来ればプロジェクトの都合で別々にやりたいはずである。

またインターネットと電子メールの普及で、電子商取引も活発化しており、これらのメディアを企業とお客様との通信手段として取り入れないと、商機を逃すことになるから、そうした仕事もコールセンターのエージェントにやらせたい、という需要は予想以上のスピードで増加しているようだ。即ち、従来の電話中心のコールセンターから、こうした新しいメディアにも対応するコンタクトセンターへと移行させたい企業は急速に増えているようである。

また、マーケティング的には、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)という新しいコンセプトが注目されている。従来のマス・マーケティングではもはや飽和市場でのビジネスの維持・拡張は困難であるので、顧客一人一人に対応する販売戦略を立てて実行するワン・トゥー・ワン・マーケティングが必要である、ということになり、それを実現する手段として顧客情報を分析・分類し、ある共通の属性を持つグループに対しては同じマーケティング戦略を適用しようといった考え方が出てくるわけである。そのためには、最新の、より詳細な顧客情報を収集することが必要になる。

こうした状況から、今回のテーマである「EC時代のCRMとコンタクトセンター」はどうあるべきか?という課題が浮かび上がって来るのである。

まず、コールセンターは大規模化に進むのか、それとも小規模が分散するようになるのか?ということについて考えてみよう。

システムコストが高いと、大規模化した方がTCOという面からすると安くなるから良さそうに見える。採用・教育・管理といった人事面ではどうだろうか?採用という面からすると、一ヶ所で余り多くの人材を採用しようとすると、一定の質を維持するには時間が掛かるので、限界があると考えなければならない。ある地域では1千人が限度という話がある。また、教育や管理という面でも、人数が多いと、画一的なことしか出来なくなり、個々に応じたきめ細かなサポートは困難であろう。また、CRMということからしても、1ヶ所で余りにも多くのお客様を相手にサービスやサポートを提供しようとしても、双方が認識し合うには限度があるので、余程良いツールがないと、真の意味でのCRMを達成することは困難になるのではなかろうか。また顧客データの分析を行うとしても、全国規模のデータベースをどれだけ優秀な人がやっても、地方特有の事情や状況といったことまでは理解できないから、マス・マーケティングよりは良いとは言え、データマイニングの結果の意味するところを理解するのは困難であろう。

こうしたことからすると、地域に密着した営業所を拠点とするような分散型のコンタクトセンター化が望ましい解決方法であると考えられる。実際に、全国に10人程度の電話対応するエージェントを10ヶ所に配置しているという通信販売業者や、1千ヶ所に10人程度の営業担当者を配置している生命保険会社など、地域密着型のビジネス展開をしている企業は多い。こうした企業には今までは、許容できるような導入コストのシステムは無かったのである。また大規模であると、故障などによりシステム稼働率が低下することは、全体に与える影響が大きく、リスクが大きいので、余裕を持った高い信頼性のシステムが必要と考えられていた。

TCOが下がれば、こうした地域密着型のビジネス展開をしている企業に、顧客対応を支援するコミュニケーション・システムを導入することが可能となる。故障などによるリスクも全社からすれば分散され、稼働率を上げることに繋がる。またこれらの分散したシステムをネットワークすることで、情報共有することができ、同報・相互参照・共通化・集中化などによる全社の長期戦略へ反映する一方、地域での独自判断によるス
ピード経営という両面を成立させることが可能になる。

欧米での大規模化の時代を逸した日本のコールセンターとそのシステムは、ダウンサイジングの時代に向かっていると思われる。

以上は日経BP社のBizITサイトに“Business Column-20”として2/14/00に寄稿したものです。

唐澤豊@唐澤塾
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韓国では音楽CDの売上が4年で1/4に縮小!
韓国では音楽CDの売上が4年間で1/4に減少したそうです。
http://hotwired.goo.ne.jp/original/koreamusic/

ネット上に無料で聞ける音楽がたくさんあることと、無料のファイル交換ソフトが拡がったことが、こうした状況を生み出した原因のようです。しかし、以前、韓国の音楽配信事業をやっている経営者の話を聞いたことがありますが、CDの売上だけではなく、コンサートなど、関連する全てのビジネスでの売上が増えれば、無料で配信してもいい、という考え方でやっているとのことでした。

しかし、日本の場合は、レコード協会のように、既得権を持っているところが自分たちの売上を維持しようとしているだけで、トータルの音楽産業としての判断ではないために、結果的に音楽産業全体を縮小しかねないと思っています。

一方、欧米では、アップル社のiTunesによるiPodへの音楽ダウンロードというビジネスが急速に拡大して、同様にCDの売上が減少しているようですが、こちらは有料配信なので、音楽ビジネスとしては問題無さそうです。

しかし、アップル社の独占状態が進み、第二のマイクロソフトになってしまうのではないかと危惧している有名なDJもいるということです。
http://letter.goo.ne.jp/c/abqFadeKlb5anPad

確かに、今の勢いで行くと、そうなりかねないような状況ですが、どうなるのでしょうか?

唐澤豊@唐澤塾
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久米信行著「ブログ道」が発売されました
メール道を書かれた久米さんの第二弾「ブログ道」がNTT出版より発売されました。
http://www.nttpub.co.jp/vbook/list/detail/0169.html
ブログ道


NTT出版の紹介を転載してご紹介しますと;

ブログ道
一億総ブログ時代。心に響き、人生を切り拓く「心得」と「作法」

久米信行
(定価)1,575円 (刊行状況)近刊
(発売日)2005.12.22 (サイズ)B6判変型
(ISBNコード)4-7571-0169-4


◎ご注文は以下のサイトからも可能です。
Amazon.co.jp
楽天ブックス
bk1
紀伊國屋ブックウェブ
ネットダイレクト旭屋書店


一億総ブログ時代。
心に響き、人生を切り拓く「心得」と「作法」

好評「メール道」に続く第二弾。
現在、60万人が利用しているという「ブログ」「ウェブログ」。
それは単なる日記ではない。夢を実現するために「縁・運・勘」を増強する
自己実現・活性化ツールであり、人生と同時進行で綴る「私の履歴書」なのだ。
その魅力と効用について稀代のネットワーカーが懇切丁寧に解説。
単なるハウツウ書ではなく、読者の共感を呼ぶ心がまえから
書く際の作法まで「心技一体」で展開していく。
1対1の通信が前提の「メール」に比べ、
不特定多数の相手が対象の「ブログ」では
より高度な「心と技」が要求される。
まさに1億総ブログ時代の要請に応える待望の1冊である。

(目次)
まえがき「ブログ道とは」
第一章「私のブログ道」
第二章「ブログ道で人生が変わる7つの活性力」
第三章「心得編」
第四章「事前準備編」
第五章「実践作法編」
あとがき「ブログ道」の先にあるもの


というものです。
どうでしょうか?なかなか面白そうでしょう。

実は、私は原稿の段階から読ませて貰いましたが、自分でブログを書きながら、色々と参考になりました。ブログに関する本は色々ありますが、実際に書いている経験を踏まえて、単なるハウツー本ではなく、道を極めるための心と技について書かれている本は他にはないと思いますので、「メール道」と同様に、素晴らしい本だと思います。

今、ブログを書いている人も、これから始めようかな?と考えている人も、大変参考になると思いますので、是非ご一読をお勧めします。

唐澤豊@唐澤塾
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【2006/01/12 23:46】 推薦図書 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
全米家電ショーに注目
毎年、年明け早々に開催されるCES(全米家電ショー)の特集が日経新聞の“IT+PLUS”に掲載されています。

それらの中でも注目すべきは、ヤフー、グーグルなどのIT企業が家電ショーに参加し、講演をしていることです。

「デジタル・ライフ」商戦に走り出した米家電業界――今年のCESを総括する
http://it.nikkei.co.jp/digital/special/ces2006.aspx?i=20060110en000en

ナビゲーション・モデルの復活を狙う?――グーグル共同設立者、ラリー・ペイジ氏の講演
http://it.nikkei.co.jp/digital/special/ces2006.aspx?i=20060108ea000en

ヤフーの世界を携帯やテレビに移植する――セメル氏が描く次世代戦略
http://it.nikkei.co.jp/digital/special/ces2006.aspx?i=20060107en000en

このあたりは、IT業界の人だけでなく、利用者としても読んでおくとこれからの方向が理解できるのではないかと思われます。

ブロードバンド化や携帯のアプリケーションについては日本が進んでいると思っている日本人も多いようですが、やはり米国は新たな時代を切り拓くという場合には、侮れないですし、日本で漸く騒ぎ始めた放送と通信の融合も、既に90年代の初めからM&Aを繰り返して来て、成果は出ていませんが、学習はして来ているので、次のステップに進んでいるように思います。そこでは米国のように、コンテンツと配信網の分離政策が必要だろうと思われ、日本のように未だに省庁も業界も垂直型では難しいですね。だからこそ、竹中総務大臣は放送と通信の融合の検討を始めるのでしょうが、米国に比べると、相当の遅れを取っていると思われ、一朝一夕には行かないのではと危惧されます。

何せ、日本のコンテンツ業界と放送業界の人たちの頭は固くて凝り固まっていると、私がお付き合いした経験では感じますから。

唐澤豊@唐澤塾
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詩集「木枯らし」巻頭詩
  こがらし

こがらしの吹きすさぶ

私のこの胸。

こごえてしまいそうな

私のこの胸。

私はどうしたらいいの―――

私が信ずることの出来ない男の人も

書くという

詩歌を書いて心をまぎらわす

私―――。

こがらしが吹いても

もう平気。

詩歌は私の恋人。

ささやかなる詩集を作るにあたりて



(C)Y.Karasawa 1964


これは確か高校3年の時に書き始めた詩集の巻頭詩です。
昭和39年の4月か5月のどこかで書いたと思いますが、日付は書いてありません。

拙い詩ですが、このブログは私の「自分史」あるいは「私の履歴書」のつもりで書いていますので、敢えて選択や手を加えたりしないで、以後、順次紹介して参りたいと思います。

唐澤豊@唐澤塾

日本の仕事人はソフトウエアに弱い
ビジネスコラム番外編
---CTI Solution Expo 2000を終えて---

 先週,幕張メッセで3日間にわたって情報通信分野の展示会「Net&Com21」が開催され,併催された「CTI Solution Expo 2000」にデータメディア社も出展した。会期中,展示会場の通路に立ってカタログ配布をしながら,ブース前を通行する人の行動などを見て感じたことを述べてみたい。

 まず第一に,ボードなどのハードウエアを展示しているブースには,どう見ても仕事上の関係が無いだろうと思われる女性や高齢者も含めて,多くの人が立ち寄っていた。コンピュータやネットワークの分野では,ハードがソフトに置き換わるという歴史を繰り返してきたはずである。一見して分かりやすいハードだけでなく,その正体は容易には見えないかもしれないが,ソフトを見る眼というものも重要である。まだまだ日本人は,目に見えるハードには興味を示すがソフトには興味や関心が少ないのか,と感じさせられた。

 また,派手な衣装を着た大勢の若いコンパニオンを配置しているブースも来場者が多かったようだ。これは,国内のどの展示会でもそうだが,欧州や米国の展示会では見られないことである。プロの仕事人を相手に説明するのに,いまだに家電製品やゲーム機器を大衆にプロモーションするのと同じようなことをしなければならないのだろうかと残念に思う。

 今回の出展にあたり,開催前にはかなりの来場者を勝手に期待していた。世界中の株式市場で,ベンチャー企業の株価がバブルではないかと言われるくらい高騰し注目されている。そんな時期に,インターネット,CTI,Linux,セキュリティ----,といった話題のテーマが一堂に会する展示会である。当然,相当の来場者があるだろうし,プロの仕事人が情報収集に来るのだろうから,名前の知られていないベンチャー企業のブースには大企業より多くの人達が来るだろう,とも考えていた。また,ベンダー各社が製品や戦略を説明するワークショップへの申込者数も,開催2週間前の段階で定員の半分以上に達していたから,満席,あるいはもしかすると立ち見まで出るのではないかと期待していた。初日の朝,ブースの受付担当者には,多くの来場者からのカタログ請求に備えて名刺を頂くか記帳の上でカタログを渡すように指示しておいたほどである。

ところが,フタを開けてみると,初日にカタログ請求された数は非常に少なく,ブース内シアターへの入場者も午前中はとても少なかった。ワークショップも,受講者は事前予約をされた人の約3分の1と当日申し込みが少しあった程度だった。そこで,初日午後以降は方針を変え,通路でカタログを配布することにした。また,シアターへの勧誘もするようにした。これで,どうにかシアターの席は埋まるようにはなったが,会場が離れているワークショップは2日目も3日目も初日と同じような状況のままだった。

 実は,日経BP社4誌に同梱送付されたCTI Solution Guideの巻頭記事と,コンピューター・テレフォニー2月号の特集記事を書いたのは私である。そこには,名前とともにデータメディア会長という肩書きも記載されていたので,「CTIやCRMに関心のあるプロの仕事人であれば,少しは読んでくれているかな」と期待もしていたのだが,その期待はどうやら甘かったようだ。

 では,ブース前での来場者の行動を大別してみよう。

1. 自分からカタログを受け取りに来る人
2. きちんと一礼をして受け取る人
3. 無表情で受け取る人
4. ひったくるようにして受け取る人
5. 遠くのブースを目指して足早に通り過ぎる人
6. カタログを差し出しても見向きもしない人
7. カタログを一瞥するが受け取らない人
8. 片手を上げて要らないというゼスチャーをする人


 受け取り方はどうあれカタログを受け取ってくれる人は,思ったよりずっと少なかった。2日目が終わった時点で,なぜこれほど受け取る人が少ないのだろうとあれこれ考えてみたが,「受け取らない人達の目は節穴なのだ。あの時,われわれのことを知っていればビジネス・パートナになったのにとか,いっしょに仕事ができたのになどと,将来きっと後悔することもあるだろう」と思って自分を慰めるしかなかった。大企業が停滞もしくは崩壊しつつあり,いたる所からリストラの話が聞こえてくるという現在の状況である。そんな時に大企業から革新的なものが出てくるとは考えにくいのではないだろうか。だからこそ,ベンチャー企業が注目され,株価の時価発行総額が大企業を超える例も出てきているのである。ベンダーとしてもパートナーとしても,そして将来の転職先としても,ベンチャーの製品や動向を自分の眼で確かめなくてはこうした展示会に来る意味がないではないか。

 結果的には,3日間で3000枚強のカタログを配布したが,どれだけの人が熟読してくれるのか,また問い合わせをしてくれるのだろうかと不安と期待が交錯している。


 さて,本題である。「日本人はソフトウエアに弱い」,「これからはコンテンツやサービスの時代」などと言われるようになって久しい。しかし,一朝一夕にはいかないわけで,これからはまず個性や創造性を磨かなければいけない。

 創造性という観点からすると,次の5つの分類ができると思う。

A. 他人の創造物は一切参照せず独創する唯我独尊型で変人と見られがちな人
B. 他人の創造物も参照しつつそれらを超えて独創的な人
C. ものまねは非常に上手だが独創はできない人
D. 鑑賞だけで自分では創造しない人
E. 鑑賞すらしない人

 個性と創造性を持った人を多く輩出しようということならば,「今までの日本人はC,D,Eのタイプが多かったので,AとBのタイプを育てよう」ということになろうか。しかし,Aのタイプは育てることは困難で,生まれ持った天性のものがあるのなら,その芽を摘まないでそのまま伸ばしてあげることくらいしかできない。

 さて,この創造性の観点から,今回のNet&Com21会場での来場者の行動パターンを考えてみよう。上記のAとEのタイプは幕張メッセの会場までは来ないだろうから除外できるだろう。残りのBからDのタイプとその行動を私の勝手な判断で関係付けて見ると,以下のようになるのではないか。

1. 自分からカタログを受け取りに来る人: タイプB
2. きちんと一礼をして受け取る人: タイプB,C
3. 無表情で受け取る人: タイプC,D
4. ひったくるようにして受け取る人: タイプC,D
5. 遠くのブースを目指して足早に通り過ぎる人: タイプC,D
6. カタログを差し出しても見向きもしない人: タイプD
7. カタログを一瞥するが受け取らない人: タイプD
8. 片手を上げて要りませんというゼスチャーをする人:タイプB,C,D

 タイプBを目指すためには,あらゆることに好奇心を持って積極的・能動的になる必要があるだろう。そうでなければ,将来を見る眼は身につかない。私は,こうしたことも広い意味ではソフトウエアに分類できると考えている。「日本人は」と十把ひとからげにしては各界の優秀でクリエーティブな方々に申し訳ないので,情報産業に携わる仕事人(男性も女性も)ということにするが,やはり日本人はまだまだソフトウエア,ソフトウエア的なアプローチに弱いと言わざるを得ないのではないか。これから奮起して,旺盛な好奇心を持って個性と創造性を磨いて欲しいと思っている。

以上は、日経BP社のBizITサイトの“ビジネスコラム番外編”として2/7/00に寄稿したものです。
あれから数年経って、少しは変わったでしょうか?

唐澤豊@唐澤塾
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http://www.irisa.com/jp/

1月22日~28日「版画職人デービッド・ブル第17回個展」@東京交通会館
イギリス生まれのカナダ人、デービッド・ブルさんは浮世絵の虜になり、日本で彫師・摺師となって、素晴らしい作品を作り続けています。
http://www.asahi-net.or.jp/~xs3d-bull/j_main_page.html

こうした伝統技術を継承する日本人が減っている中で、頭の下がる思いで、彼の活動を陰ながら支援をして行きたいと思います。
毎年恒例となっている個展が、1月22日~28日に、有楽町駅前の東京交通会館地下1階で開催されます。
第17回D.Bull個展案内

是非一度ご覧になってみて下さい。
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.asahi-net.or.jp/~xs3d-bull/exhibitions_events/j_coming_events.html

唐澤豊@唐澤塾
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http://www.irisa.com/jp/


“ピーター・ドラッカー:経営を発明した男”
経営の神様と言われたピーター・ドラッカー氏が昨年11月11日に亡くなられてから、色々な人がコメントをしていますので、皆さんも何かは、お読みになったと思います。
晩年のドラッカー氏と親しくしていた、ビジネスウィーク誌のエグゼクティブ・エディター、ジョン・A ・ビルン(John A. Byrne) 氏による、11月28日号の追悼記事 "The Man Who Invented Management"(和訳:“ピーター・ドラッカー:経営を発明した男”)を穂井田直美さんが翻訳され、京増弘志のかわら版で配信されました。それが下記のアーカイブにありますので、興味ある方はご覧下さい。

2005年12月9日、NO.1574-1 穂井田レポート前編
http://blog.livedoor.jp/kyomasu123/archives/50258404.html
2005年12月9日、NO.1574-2 穂井田レポート後編:
http://blog.livedoor.jp/kyomasu123/archives/50258405.html

この中で、私が最も印象に残ったのは、下記のような最後の文です。

今年の4月、最後の会見になってしまったが、この頃、何をしているのか彼に尋ねた。「大してない。ゆっくりと、身辺を整理している。当然ながら、もう本は書けない。エネルギーがないんだ。私の机の上は混乱のきわみで、何処に何があるのか、わからなくなってしまった」と、彼は答えた。

この質問をしたことに、私は罪の意識を感じた。だから、38冊の本を著し、無数の論文や記事を書き、コンサルティングを行ない、世界の多くの高名なリーダー達に多大な影響を与えるなど、彼の業績を賞賛したのだった。しかし彼にとっては心外だったのだろう。

 「私の最良の仕事は1950年代に終わってしまった。だから、それ以降の仕事は凡庸だ。それで良いではないですか? それがあなたにとって何か問題なのですか? 」と、彼は語った。

私は、九十歳を越えた人物に、もっと自分を語ってくれるよう促した。彼は溜め息をつくように語った。「みてごらん。私は、結局はつまらない人間です。一人の著作家であり、著作家の人生など興味深いものではありません。興味深いのは私の本や私の仕事で、重要なのはそれらです。」


流石に偉大な人物は自分のことをわきまえていたんだと、改めて感心しました。

唐澤豊@唐澤塾
http://sohmokutoh.blog9.fc2.com/
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イヤホンが難聴の原因とザ・フーのピート・タウンゼントが警告
ロックバンド「ザ・フー」のギタリストであるピート・タウンゼントさんが、自分のサイトで、“iPod”などのユーザーに対して難聴の危険性を警告したとのこと。彼は、スタジオでヘッドホンを長年使用していたために重度の難聴になり、現在ではレコーディング・セッションの合間に、聴力を回復させるために36時間の休憩を入れざるをえないということです。
http://hotwired.goo.ne.jp/news/20060106303.html

私の知り合いで、オーディオに詳しい男がおりますが、彼の意見では、イヤフォンやヘッドフォンで大きな音を聞き続けている人は、可聴周波数が狭くなるだろう、ということです。私も一時、電車通勤の行き帰りに、音楽を聴いておりましたが、その話を聞いてから、止めました。

皆さんも、余り長い時間イヤフォンやヘッドフォンを使うのは、避けた方がいいと思いますよ。

ご参考まで。

唐澤豊@唐澤塾
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EC時代のCRMとコンタクトセンター ---その1
---Y2K対応で学んだこと---

年が明けてから来るビジネスの話に関しては、これから忙しくなりそうだと予感させるような話が多いと感じている。その背景にあるものは何だろうか。

昨年末までコンピューター業界は、Y2K問題に振り回されて来て、直接関係が無さそうなことにまで発展し、コンピューターのことを何も知らない人達が論評するような状況にエスカレーションされて、苦々しく思いつつも、絶対に問題が起きないという自信があったわけではないだろうから、万が一、問題が起きたらどうしようという多少の不安の中年を越した、というのが正直なところであったであろう。それが、結果としては、騒ぎ過ぎだといったことまで言われるように、一部の企業・団体などの古い倫理基準や体質に依拠する問題(と私は思う)を除いては、無事2000年を迎えたわけである。

コンピューター業界に従事する人達の現在の心境を考えると「あれは騒ぎすぎではなかった。やるべきことを全てやったから問題は起きなかったのだ」ということになるのではないかと思う。そして「これで自信がついた、これからは他の業界やお客様に振り回されないで、やるべきことをやり、言うべきことを言おう」と考えているのではないだろうか。

またY2Kで最も心配されたのは、実は責任の所在がはっきりしないインターネットであったが、そこでも大きな問題は起きなかった。ということは、Linuxにしてもそうだが「ボランティア的なものは、責任の所在がはっきりしないから問題が起きた時、誰が対応してくれるかわからないし、信頼性も保証されないから不安で、基幹業務には使えない」といった考えはもう古い、ということが証明されたことにもなる。

通信業界に長く従事している人達は「通信の世界に要求される信頼性は他の産業や民生品とは違うのだ」と考えているようで「電話は絶対に故障してはいけない」と思っている。しかし、阪神大震災のような大災害になれば高い信頼性も意味を成さなくなることは特例としても、携帯電話が普及した今では電話が使えなければ携帯電話を使えば良い。電子メールもある。それよりも問題だと思われるのは、パソコンが普及して一般家庭にも入り始めたわけだが、使い方は必ずしも易しくはないから、利用者は、わからないことがあると、メーカーのコールセンターに電話をして聞こうとするが、何度電話しても繋がらないことの方が多いことである。電話機能が故障しなくても、利用者の立場からすれば繋がらない理由はどうでも良いことであって、繋がらないことが問題なのである。なぜ繋がらないかと言えば、メーカーが十分な要員をコールセンターに配置していないからであり、その理由は「いくら人数を増やしてもきりが無い」と考えているからである。一方ではCRMとか顧客満足度の向上とか言いながら「そこまでやっていたら儲からない」という理由で投資を渋っているのである。それならなぜデル・コンピューターは利益を上げ、成長し続けているのだろうか?と問いたくなる。

私が言いたいことは、企業内だけでなく、流通、販売、顧客までを含めたトータル・システムとしての品質と信頼性ということを考えるべきであるということである。パソコンも、大型システムに比べて品質と信頼性が劣るということをよく指摘されたものである。パソコンは基本的には利用者が自分で運用管理するものであるから、分散処理により故障しても、リスクは利用者の範囲内である。復旧も使い馴れている人がやれば、知らない人がやるよりは早いであろうし、ついでに情報の整理ができるという余禄もあったりする。大型システムの信頼性がいくら高くても、データを入力する人が間違えたり、その元になるデータを記入する人が間違っていればトータルの信頼性は劣ることになる。また分散処理はオープン化を促し、コンピューター業界は水平分業化した。

企業全体をひとつのシステムとして捉えた場合は、クライアント・サーバー方式による分散処理システムの方が、人間の作業信頼性と丁度良い程度のバランスとなっていると思われ、集中処理の信頼性だけが高いというシステムはアンバランスであるということになる。同様に、通信システムも多様化しているのであるから、ある特定のシステムだけの高信頼性を求めても意味がない。これから通信業界もオープン・アーキテクチャーを採用せざるを得なくなり、水平分業化に向かうと考えられる。

そもそも「自立した個」を目指すためには、集中処理方式の大型システムでダム端末にビジネスを理解していないオペレーター達が思考もせずに入力する、ということを続けていては、いつまで経っても社員は自立できない。ビジネスは失敗して学ぶものでもあるので、ある範囲のビジネスに自己責任を持たせて、データも自己管理しつつビジネス・プロセスも学ばせることが必要ではないか。また、企業の成長は社員の成長に依存するので、十分な教育投資もする必要がある。数の力で市場占有率を上げるというマスプロダクション・マスマーケティングの時代は終わったのである。個の質が問われている時代である。

長くなったが、通信が業界よりも先にオープン化したコンピューター業界は、Y2K対応で更に色々学んだことで、ECの時代に自信を持ってこれからのeCTIシステムについては、先導して行くように感じている。これはシステム提供側だけでなく、利用者側についても言えるのではないか。それが今年になってからの商談で感じていることである。

以上は日経BP社のBizITサイトに“Business Column-18”として1/24/00に寄稿したもので、当時話題になっていた2000年問題に関連したことで、話題としては古いのだが、ITを取り巻く状況はさほど変わっていないようにも思えます。

唐澤豊@唐澤塾
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これからのビジネスと情報システム---その7
---その7:個の時代の顧客対応システム---

これからの顧客対応は、地域に密着した支店や営業所を中心に、分散したオフィスであらゆるコミュニケーション手段を使い、相手の都合や好みに合わせて行うべきであると述べた。また顧客の顔がわかっている人間が顧客情報をマイニングし、顧客識別マーケティングを行うのがベストであると述べた。

しかし、こうした活動を支援してくれるツールがないと、実現はなかなか難しいが、果たしてそのようなツールはあるのか?あったとしてもリーズナブルなコストで導入できるのであろうか?

機能的には、こうしたニーズに応えられる製品は色々ある。オフィスCTIあるいはユニファイドメッセージの普及が余り進んでいない原因は、1人あたりのコストが高いことと、システム構築が複雑であることのふたつが主なものであると考えられる。だから導入は、仕様目的と頻度からしてある程度の投資が正当化できるコンタクトセンターからまず導入されようとしている。

こうしたニーズに合致するのが、マルチメディア・コミュニケーション・システムである。それは、従来のCTIサーバーのように、交換機をコントロールする仕組みとして位置付けられるものではなく、主要な通信メディアである電話とFAX関連に、電子メール、インターネット、携帯電話、VoIP、双方向テレビなども含めたあらゆる通信メディアを対等なものとしてルーティングや変換をするというシステムである。そうすると1台のサーバーにこれらの機能と、メールサーバー、Webサーバーなども同居させてオールインワン型のサーバーとしてシステムが組めるということになる。

また従来のコンタクトセンター向けシステムの問題点は、アプリケーションの開発が一元的には出来なかったということがある。Webにコールバック・ボタンや自分の電話やメールを外出中は携帯電話に転送しようとするような仕組みを作るのは、Webの開発技術者と通信系技術者の助けを借りなければならなかった。またシステムも非常に複雑なものになった。

これが、オブジェクト・ベースで一元的に開発できるツールを使うと、ドラグ&ドロップでフローを造り、それをC言語にボタンをクリックするだけでコンパイルできるようになっている。そうすると別の技術者の開発したものを変更・修正するのも簡単に出来るようになるし、パワーユーザーであるIT部門の技術者でも簡単なトレーニングを受ければ自分で変更が可能になる。マルチメディア・コミュニケーション・システムでもエンドユーザー・コンピューティングが可能というわけである。

これはまた、リスク分散と危機管理の面からも重要なことであり、現場で柔軟に対応できるシステムであるパソコンが普及したのは、こうしたことも理由にある。しかしそれが行過ぎたからTCOの問題があるという指摘もある。しかし結局のところ、一度自由を味わった人間は逆戻りしないので、中央で集中管理しようとすれば、抜け道を探すということになり、働く意欲と生産性という観点からすれば、TCOを余り声高に叫び経費削減のみのために走ることは得策ではないと思う。最近は企業内での私的な電子メールやWebアクセスを禁止したり、制限したりしようという動きが多くなっている。電話にしても私用電話の禁止とか、携帯電話を持たせると私用に使うだろうから持たせない、といった意見もある。しかしこうしたことで社員のやる気を失わせることの生産性低下の方が、経費削減効果よりも大きいということを経営者は考えなくてはならないと思う。やる気を起こさせるには様々なインセンティブが必要であり、社宅や家族手当などという古い考えが今の若者にとってインセンティブなのかどうかは疑問である。

不景気とは言え、能力のある若者にとっては売り手市場であるから、そうした若者を確保できるかどうかが、これからのビジネスの成否を決めるカギであることをよく考える必要があろう。その対価と対策としては、成果から経費を差し引いた実質成果に基づき報酬を与える実績主義とすることで、何でもIT部門や上司に頼るのではなく自立して仕事ができるような実力をつけさせることである。社内カンパニー制どころか個人カンパニー制が取れるようにするのが究極の姿ではないだろうか。

それが、お客様と応対した時に、真の意味で会社を代表するエージェントと言えるようになるのではないだろうか。

米国のホワイトカラーの40%がSOHOワーカーであるというデータを聞いたのはもう数年前のことである。彼らが皆、独立したビジネスを展開しているという訳ではないのであって、10年前でも契約社員として大手企業で働いているSOHO経営者はハイテク分野ではかなり多く見られたことである。日本でもようやくそうした動きが見られるようになって来ており、やはりこの分野でも10年は遅れていると感じている。

2000年は「個の時代」ということがマスコミで言われているが、それは社会的な意味だけではなく、企業内でも言えることである。それと前述したように、通信エンドユーザー・コンピューティング時代の幕開けともなろう。

以上は日経BP社のBizITサイトに“Business Column-17”として1/11/00に寄稿したものです。

唐澤豊@唐澤塾
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教育現場からの報告
神奈川県で高校の先生をやっている、高校の同期から、教育界の現状について、下記のような報告を貰いました。
皆さんにも、教育現場の実情を知って頂きたいと思いますので、ご紹介致します。

 神奈川でも、この4月から中間管理職(呼称は総括教諭)が導入され、校長ー教頭ー中間管理職ー教諭の上意下達の構図が完成します。管理強化と成果主義がはびこるなかで、果たしてまともな教育実践がどこまで出来るのか大いに疑問が残ります。ここ数年、残念ながら、教育の近未来に希望を持てない教職員が急増しています。小生もその一人ですが、教職員がこんな状態で、生徒たちにどうして夢を与えられるような教育環境が整えられるか、憂えるべき深刻な状況にあります。

 学校という組織の持つ総合的な教育力は、教職員の総意に基づいた実践力によるものと考えます。その際、校長の力量も重要なポイントとなりますが、それは独断専行ではなく、教職員の共通理解を前提として、如何に教職員を目標達成に向けてやる気にさせるかというものです。残念ながら文科省、県教委にはそうした視点はなく、少しでも短期間に教育効果を挙げさせようと、学校どうし、生徒どうしで競わせています。少ない経費で如何にして多くの利潤をあげるかといった市場原理を、教育の場に無理やり持ち込んでいるような気さえします。教育の効果は長い目で判断されるものですが、「国家、企業に役立つ人間つくり」を早急に実現させようと躍起になっているようにも思われます。教職員の多忙化が進むばかりで、生徒と接する時間もなくなり、精神的「ゆとり」も今は昔の話しとなりつつあります。物事の判断でも、事細かにマニュアル化されていて、「裁量」の余地がますます失われてきました。

 少なくとも10年前までは、ほとんどの高校で職員会議が最高決議機関でした。職員会議で多数決で決まった事項は、よほどのことがない限り校長でも覆すことができませんでした。それが、日の丸・君が代が法制化されてから、急速に諮問機関化されてきました。神奈川の高校ではどの学校でも、日の丸・君が代の強制に反対する職員の声が圧倒的で、それに賛成する職員は、どの職場でもせいぜい10%程度でした。それでも、校長は県教委の有無をいわせない強圧的な姿勢に屈して、強行しました。従来の民主的な職場慣行が音を立てて崩壊していったのはそれからです。日の丸・君が代の法制化と前後して、議会での保守派の攻撃も一段と増してきました。そして、文科省、県教委、校長のいいなりになる教師(ヒラメ教師ー上しか見えないので)が、ますます管理職に登用されるようになってきました。東京では、君が代斉唱時に起立しない教職員が処分されるまでになり、いまや完全に戦前の暗黒時代に逆戻りの状態です。神奈川ではそこまで至っていませんが、早晩そうなるのではないかと危惧しています。


教育現場からの話になると、それが日教組の問題なんだ、日本教育をダメにしているのは彼らだ、という意見を聞くことがあります。しかし、この報告を書いて呉れた男は、思想的にもごく中道的な考え方の持ち主で、左寄りではないと私は思っていますので、そういうステレオタイプ(紋切り型)の評価は当てはまらないでしょう。国家権力の方針に対して、在野精神と自由民権精神で常に批判的であるというならば、その通りで、確かに国家権力寄りではないでしょう。しかし、政府も東京都など多くの地方自治体も右寄りに振れ過ぎている現在を是とするマスコミと、それに盲目的に追従している大衆の方が問題であると、私は思いますので、彼が書いている最後の危惧には共感しています。

唐澤豊@唐澤塾
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「学校での動物介在教育推進を望む」
獣医師の中川さんから、下記のように、学校で動物を飼うことが子どもたちの心の健康には必要だ、というアピールをご紹介頂きました。

中川さんによれば、学校で動物を飼うことは、先生方にとっては面倒なことにもなるので、鳥インフルエンザの流行の可能性というだけで、事なかれ主義に走り、飼育を止めるところが増えているそうです。

家庭ではペットも飼えないし、植物も育てず、テレビ・ビデオ・ゲームといったバーチャルの世界で育つ子どもたちでは、まともな感覚は育たないだろうと思われます。

だからせめて、学校だけでも、というところですが、それすらも無くなってしまうと、動物を抱いても、ぬいぐるみのおもちゃだと思い、スイッチはどこ?という笑えない子どもたちも実在するそうです。

以下転載です。

産経新聞に、社)日本獣医師会 大森伸男専務理事のアピールが掲載されました。
(産経新聞 大阪版 12月13日付け アピール欄)

@「学校での動物介在教育推進を望む」

潤いや癒やし、ストレスからの解放効果を与える生活の伴侶として動物の存在がある。身体障害者の介助をに担う補助犬の存在もよく知られるようになった。一方、あまり知られていない動物の役割として、学校における動物介在教育がある。

学校で動物の飼育を学び実践することを通じて生命観や動物観、社会観や自然観をはぐくむことが、児童や生徒の人格形成に果たす役割は大きいとされている。特に、昨今の少年、少女による殺傷事件の増加の前兆現象として「動物に対する虐待行為」があると聞くとき、動物の飼育体験を介し生命を体感することを通じて心の健康教育を推進することが望まれる。

ただし、学校における動物の飼育に当たっては、動物の健康管理はもとより、鳥インフルエンザなどの人と動物に共通する感染症による子供たちの健康被害の予防のための衛生指導、動物愛護や福祉の観点に立った適正飼育の実施について、動物医療専門家としての獣医師の支援が不可欠である。

日本獣医師会は、学校で飼育する動物の衛生管理、健康衛生指導などについて文部科学省に協力を申し出て以来、全国的取り組みの必要性を働きかけてきた。これとともに、教育現場における動物の適正飼育や衛生管理指導、関係者の地域連携などの技術指針の策定をはじめとする支援活動を推進してきた。動物介在教育は、第一義的には教育を実施するサイドがその効果を積極的に評価し導入すべきものである。一部の小学校においては、生活科や理科、また、食育・食農教育の一環として動物飼育の取り組みが根ざしつつあるが、心の健康教育としての動物介在教育は標準化されていない。獣医師および獣医師会の支援活動についてもボランティア的要素が強い。

学校教育において動物飼育体験を通じた、児童や生徒の生命尊重教育が必要であるとの観点に立ち、動物介在教育を初等教育課程の中で適正に評価し、教育委員会をはじめ、地域の教育関係機関と支援する獣医師の連携により、安定的に推進されることを望む。
(転載終わり)

--ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
中川美穂子発信

「全国学校飼育動物研究会」事務局長  
http://www.vets.ne.jp/‾school/pets/siikukenkyukai.html
全国学校飼育動物獣医師連絡協議会 (CAS)主宰
「学校飼育動物を考えるページ」
http://www.vets.ne.jp/‾school/pets/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お茶の水女子大学 子ども発達教育研究センター 研究協力員 
東京都獣医師会 理事
日本小動物獣医師会 学校飼育動物対策委員会 (動物介在教育支援)副委員長
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


皆さんはどう思われますか?

唐澤豊@唐澤塾
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PROFILE
唐澤 豊
  • Author:唐澤 豊
  • 還暦を期に長髪から一気に坊主頭にしました。これから20年間、第2の成人を迎えるまではこれでいこうと思います。でもやっぱり冬は寒いし、夏は暑いので、帽子を愛用しています。
    ●情報通信業界の米国系企業を中心に40年間、営業以外の仕事はほとんど経験。技術以外には、マーケティング・ブランディング、組織論、人事評価制度、企業文化なども経験。今まで3つ会社を始めましたが、被買収・売却などの後、4つ目の会社を後任に任せたところで、一昨年、仲間2人ともうひとつ会社を設立し、非言語コミュニケーションのサービスを開発中です。
    ●経営労働管理士。日本躾の会理事。
    ●音楽(ビートルズ、S&G、フォーク、ニューミュージック等)、グラフィックデザイン、水彩画を趣味とするので、マルチメディア技術の活用に大いに期待しています。読書、宇宙の真理探求が最近の趣味。ストレッチ、真向法、西勝造先生の西式健康法を実践中。
    ●故津留晃一さんの著作や講演録(CD)に触れて「人生の目的は体験することである」ということに納得しています。
    ●詳しいプロフィールは「自己紹介」のカテゴリーにあります。
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