唐澤塾
唐澤豊が情報通信技術+経営術+人生術+創造性を中心に一期一会を追求する私塾
日本は情報鎖国をいつまで続けるのか?
---今からでも遅くないから使える英語教育を!---
先週、ルーラル・ルネッサンスとデジタル革命というアメリカでの動きについてのセミナーがあり、聴講した。大都会から脱出して過疎地でインターネットを活用したSOHOを始めるという動きである。2人の講師はそれぞれに、英語を使えなくてはインターネットを中心とする21世紀のビジネスはできない、と強調された。インターネットの世界では、大多数の情報が英語であり、我々も英語で情報発信して初めてインターネットの有効活用が可能になる。また最近日本企業では帰国子女が活躍しているという。英語で喧嘩ができるくらい論理性も合わせ持っていないと、国際ビジネスでは太刀打ちできないからだ。国際ビジネスなど我が社には関係ないと思っていたのに、突然米国企業との提携話が転がり込んで来てうろたえている、という話も結構多くなった。どんなビジネスも世界に繋がっているのが21世紀のビジネス形態ということだろう。
1人の講師は、こうした問題の解決のためには、日本人の子供は皆、中学から米国留学するしかないだろう、と主張された。アジア諸国のエリート層の子供達は英語圏に留学しているから、日本もそうするのが手っ取り早い解決策だというのだ。私も結構極端なことを言う方だが、これはちょっと極端過ぎる話だと思う。中学・高校という思春期に親元を離れ、米国で生活したら、文化も思想もアメリカ人と同じになるか、いいとこ取りの逆で、悪いことばかり学んで来て、始末に終えない帰国子女となってしまう可能性が高いと思う。現に私はそうした人間を知っている。
私がここ10年くらい懸念して来たことは、膨大な英語情報を活用できない日本人は鎖国をしているようなものではなか、ということだ。良いソフトウェアも日本語化しなければ日本では売れないため、せっかくの機会を損失している。これを私は情報鎖国と呼んでいる。日本よりは遅れていると思われていたアジア諸国の方が英語のソフトウェアをそのまま導入して、最近は日本より進んでいる分野もあると感じている。モンゴルで携帯電話を使っている羊飼いもいるのに、携帯電話でどこまでも仕事に追われるのは嫌だ、と言って使わない偏屈な日本人もまだまだ多い。情報リテラシーは経験の積み重ねなくしては蓄積できないことは、以前から述べて来た通りである。
私が初めてアメリカに出張したのは、1972年の1月だった。それ以来、英語でのコミュニケーションには四苦八苦して来た。中学・高校・大学と8年も英語を勉強したのに、なかなか使えるまでにはならなかった。どうしてだろうか?それは教育の仕方が悪いからだ。日本人誰もが使えるようになれば、それは大きな資産となると考える。だから、自動翻訳ソフトを開発することなどに国家予算や企業の開発投資を注ぎ込むよりは、もっと使える英語教育のために、国家予算を使うべきだと私はその頃から様々な機会に発言して来た。それでは日本の文化が失われてしまうという学者の反論も多かったが、ビジネス・コミュニケーションの道具と思えば問題ないはずである。英語が公用語となっている国は世界各地にあるが、母国語と自国文化はちゃんと維持している。
最近、箱モノへの投資から情報投資へ、と産学官が声を揃えているが、その第一歩は教育への投資であるべきだと言いたい。個性と創造性を育てる教育・情操教育を含むきれいな日本語教育・使える英語教育の3点を実現することが21世紀の国際情報化に立ち向かうためには遠いようで最も近い道ではないかと考える。知識教育はいつでも出来るし、インターネットを使えば教育の必要すら無いであろう。他国との目先のビジネスの勝敗や技術の優劣に一喜一憂するのではなく、今こそ国家百年の計を考え、長期計画を立てて実行に移す時である。
以上は、日経BP社のBizITサイトに“Business Column-9”として9/6/99に寄稿したものです。
唐澤豊@唐澤塾
http://sohmokutoh.blog9.fc2.com/
http://www.irisa.com/jp/
【2005/12/15 23:08】
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PROFILE
Author:唐澤 豊
還暦を期に長髪から一気に坊主頭にしました。これから20年間、第2の成人を迎えるまではこれでいこうと思います。でもやっぱり冬は寒いし、夏は暑いので、帽子を愛用しています。
●情報通信業界の米国系企業を中心に35年間、営業以外の仕事はほとんど経験。技術以外には、マーケティング・ブランディング、組織論、人事評価制度、企業文化なども経験。今まで3つ会社を始めましたが、買収・売却などの後、現在は4度目の会社で、南仏に本社があるマルチメディア通信用ミドルウェアのデータメディア社の日本法人を軌道に乗せようと挑戦中です。
●経営労働管理士。コンタクトセンター業界団体である日本コンタクトセンターフォーラム幹事。アナザーソリューションを提供する(株)リンフネット監査役。社団法人「日本躾の会」評議員。
●情報通信技術を活用して、自給自足の生活をし、晴れたら畑を耕し雨の日や夜はネットジャーナリストを目指して晴耕雨網の生活を考えていましたが、実社会での人との出遭いを大切にしようかと、考えを変つつあります。
●音楽(ビートルズ、S&G、フォーク、ニューミュージック等)、グラフィックデザイン、水彩画を趣味とするので、マルチメディア技術の活用に大いに期待しています。読書(福岡正信さんの自然農法等)、宇宙の真理探求が最近の趣味。ストレッチ、ゆるゆる体操、真向法、新谷弘実先生の穀菜食を実践中。
●故
津留晃一さん
の著作や講演録(CD)に触れて、人生の目的は体験することである、ということに納得しています。
●詳しいプロフィールは「自己紹介」のカテゴリーにあります。
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