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EC時代のCRMとコンタクトセンター---その2
---コールセンターもダウンサイジング---

今年は通信業界がオープン化する年であると述べた。それは、お客様からの要望が圧力となって起こるであろうと感じている。さてそれではコールセンターそのものやコールセンター用システムはどうなるであろうか?

日本で、大規模なコールセンターは通信事業者の番号案内などの各種サービス用を除くと、50名以上のエージェントが大規模と言われている。最近は、外資系の金融機関などでは、数百名程度の規模になっては来ているが、米国のように数千名規模のコールセンターを構築するという話は聞かない。

大手テレマーケティング会社のコールセンターは、かなりの規模ではあるが、その中身を聞くと、それぞれのクライアント単位あるいは、そのプロジェクト単位で運用されているので「同じ仕事をしているエージェントの集団をひとつのコールセンター」と定義するとそのひとつひとつの規模は50人以下になり、その寄せ集めがテレマーケティング会社のコールセンターと言えよう。

こうしたコールセンター市場にACDとIVR機能付の大型交換機、CTIサーバー、データベース・ソフトウェア、SFAアプリケーションなどでシステムを構築すると、コストが高い上に、フレキシビリティーに欠けることになる。プロジェクト単位で変更や更新をしたいし、それぞれが24時間運用をしている場合が増えているから、ひとつの大規模システムであると、そのためにシステムを一旦止める時間をいつにするかも難しい問題であり、出来ればプロジェクトの都合で別々にやりたいはずである。

またインターネットと電子メールの普及で、電子商取引も活発化しており、これらのメディアを企業とお客様との通信手段として取り入れないと、商機を逃すことになるから、そうした仕事もコールセンターのエージェントにやらせたい、という需要は予想以上のスピードで増加しているようだ。即ち、従来の電話中心のコールセンターから、こうした新しいメディアにも対応するコンタクトセンターへと移行させたい企業は急速に増えているようである。

また、マーケティング的には、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)という新しいコンセプトが注目されている。従来のマス・マーケティングではもはや飽和市場でのビジネスの維持・拡張は困難であるので、顧客一人一人に対応する販売戦略を立てて実行するワン・トゥー・ワン・マーケティングが必要である、ということになり、それを実現する手段として顧客情報を分析・分類し、ある共通の属性を持つグループに対しては同じマーケティング戦略を適用しようといった考え方が出てくるわけである。そのためには、最新の、より詳細な顧客情報を収集することが必要になる。

こうした状況から、今回のテーマである「EC時代のCRMとコンタクトセンター」はどうあるべきか?という課題が浮かび上がって来るのである。

まず、コールセンターは大規模化に進むのか、それとも小規模が分散するようになるのか?ということについて考えてみよう。

システムコストが高いと、大規模化した方がTCOという面からすると安くなるから良さそうに見える。採用・教育・管理といった人事面ではどうだろうか?採用という面からすると、一ヶ所で余り多くの人材を採用しようとすると、一定の質を維持するには時間が掛かるので、限界があると考えなければならない。ある地域では1千人が限度という話がある。また、教育や管理という面でも、人数が多いと、画一的なことしか出来なくなり、個々に応じたきめ細かなサポートは困難であろう。また、CRMということからしても、1ヶ所で余りにも多くのお客様を相手にサービスやサポートを提供しようとしても、双方が認識し合うには限度があるので、余程良いツールがないと、真の意味でのCRMを達成することは困難になるのではなかろうか。また顧客データの分析を行うとしても、全国規模のデータベースをどれだけ優秀な人がやっても、地方特有の事情や状況といったことまでは理解できないから、マス・マーケティングよりは良いとは言え、データマイニングの結果の意味するところを理解するのは困難であろう。

こうしたことからすると、地域に密着した営業所を拠点とするような分散型のコンタクトセンター化が望ましい解決方法であると考えられる。実際に、全国に10人程度の電話対応するエージェントを10ヶ所に配置しているという通信販売業者や、1千ヶ所に10人程度の営業担当者を配置している生命保険会社など、地域密着型のビジネス展開をしている企業は多い。こうした企業には今までは、許容できるような導入コストのシステムは無かったのである。また大規模であると、故障などによりシステム稼働率が低下することは、全体に与える影響が大きく、リスクが大きいので、余裕を持った高い信頼性のシステムが必要と考えられていた。

TCOが下がれば、こうした地域密着型のビジネス展開をしている企業に、顧客対応を支援するコミュニケーション・システムを導入することが可能となる。故障などによるリスクも全社からすれば分散され、稼働率を上げることに繋がる。またこれらの分散したシステムをネットワークすることで、情報共有することができ、同報・相互参照・共通化・集中化などによる全社の長期戦略へ反映する一方、地域での独自判断によるス
ピード経営という両面を成立させることが可能になる。

欧米での大規模化の時代を逸した日本のコールセンターとそのシステムは、ダウンサイジングの時代に向かっていると思われる。

以上は日経BP社のBizITサイトに“Business Column-20”として2/14/00に寄稿したものです。

唐澤豊@唐澤塾
http://sohmokutoh.blog9.fc2.com/
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唐澤 豊
  • Author:唐澤 豊
  • 還暦を期に長髪から一気に坊主頭にしました。これから20年間、第2の成人を迎えるまではこれでいこうと思います。でもやっぱり冬は寒いし、夏は暑いので、帽子を愛用しています。
    ●情報通信業界の米国系企業を中心に40年間、営業以外の仕事はほとんど経験。技術以外には、マーケティング・ブランディング、組織論、人事評価制度、企業文化なども経験。今まで3つ会社を始めましたが、被買収・売却などの後、4つ目の会社を後任に任せたところで、一昨年、仲間2人ともうひとつ会社を設立し、非言語コミュニケーションのサービスを開発中です。
    ●経営労働管理士。日本躾の会理事。
    ●音楽(ビートルズ、S&G、フォーク、ニューミュージック等)、グラフィックデザイン、水彩画を趣味とするので、マルチメディア技術の活用に大いに期待しています。読書、宇宙の真理探求が最近の趣味。ストレッチ、真向法、西勝造先生の西式健康法を実践中。
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    ●詳しいプロフィールは「自己紹介」のカテゴリーにあります。
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