唐澤塾
唐澤豊が情報通信技術+経営術+人生術+創造性を中心に一期一会を追求する私塾
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EC時代のCRMとコンタクトセンター---その3
---あなたはEC派?それともCTI派?---

私は11年前にマルチメディア技術に出会い、これからはこれだ!と思い、当時担当していたマイクロコントローラーの設計・開発の仕事を他のマネージャーに任せて、その普及・啓蒙に専念する部署を創った。CD-ROMベースのコンテンツを開発して貰おうとしていたが、どうも違うようだということで、ビデオ会議システムなどのネットワーク・マルチメディアという方向に方針変更した。その延長線上に、ハリー・ニュートンが提唱したCTIがあった。結果的にはマルチメディアもCTIも時期早尚で、当時の市場は立ち上がらずに終わった。どちらの技術に従事した人も、全てデジタルで処理するもの、あるいはすべきものと捉えていたと思う。そして新しい魅力的なアプリケーションやサービスを開発・提供すれば新規市場は開拓出来ると考えていた。これらが問題点であったのだろうと反省している。

そして4年前にCTIに再会した時、コンピューター系のデジタル情報と通信系のアナログ情報の両者を統合するという意味でCTIこそが真のマルチメディアなのだ、という主張に感銘し、この道に入ったわけである。初期のCTIは既存システムの統合に重きを置き過ぎていた感があり、システムが複雑になる傾向があった。それでもインターネットや電子メールがまだそれ程普及していなかったので、欧米では大型コールセンターを構築するということでそれなりのビジネスになって来ている。日本はまだ発展途上であり、欧米の後追いをする可能性もあるが、他方では新しいニーズが出て来ているようである。

ここに来て日本でも急激にインターネットや電子メールが普及してECの時代となって来た。この業界を支えているのは、日本で言えばビットバレーに代表される若い技術者達であり、急速に事業拡大をしても追いつかない程の伸びで、短期間に上場する企業も出て来て、皆自信に満ち溢れ、中高年の経営者達も教えを乞うために日参するような状況にあるようだ。そうした中では、ECは全てデジタルで処理し、人も介在しないで
大きなビジネスが出来る、あるいはそれを目指そうという志向が強いように見える。ECブームなので、自分の会社もWebを創って電子商取引を始めよう、という企業も多いが、それで簡単に売上が上がる程、安易なものではない。そこにはマーケティングが必要になる。そのために、どうしても人が介在する必要があれば、VoIPを使って電話機能を実現すればよい、ということだ。しかしこうしたEC派の考え方は、我々がかつてマルチメディアの初期やCTI初期の頃に陥ったデジタル万能の危ういものではないだろうか。

現実の通信販売では、電話、FAX、郵便、テレビ、ラジオが使われているわけで、それによる売上規模は、インターネットと電子メールを利用しているEC市場より遥かに大きい。ここに来て、ECでも電話、FAX、携帯電話が使えるようにできないか?という要望が急激に増えて来ているようである。更にこれからは衛星放送やCATVの多チャンネル化により、ショッピング専門チャンネルも増えるであろうから、これらの全ての通信メディアを有効に活用し、どこからでも、誰でも双方向のコミュニケーションができるようになることが望まれている。情報リテラシー格差が問題となりつつあるが、高齢化社会に向かって、既存メディアによるコミュニケーションの確保は重要である。

そうすると、CTIでもECでもない新しい解決方法が必要となる。従来のCTIの場合には、EC機能を無理やり統合しようとしているが、出発点が通信サイドであることが多いので、更に双方向テレビのような放送機能も統合しようとすると、ますます巨大で複雑なシステムとならざるを得ないであろう。ここにEC+CTI=eCTIという新しい考え方が出て来るわけである。マーケティング的には良いと思われるこの考え方も、技術面で考えると、何か素晴らしい解決方法があるのだろうか?Webを中心とするEC派が通信系のCTI派に「うちはWeb関係を開発するからお宅は電話とFAXの機能と連動できるようにしてよ」と言われてCTIベンダーが開発を請け負うというのが現状の姿であるようだ。ところがどちらも相手の技術はよくわからないから、最終的に統合する段階でうまく繋がらないということが結構あるとのことだ。

ここに登場するのがデータメディア社がマルチメディアの第一ブームであった10年前に基本設計をしたIRISAというマルチメディア・コミュニケーション用のミドルウェアである。そのアーキテクチャーは、アナログもデジタルも混在する、あらゆるタイプの通信メディアに対応できるような構造になっている。元々、双方向テレビ用のシステムに向けて開発されたものであり、将来出て来る新しいタイプの通信メディアにも短期間で対応できるであろうと考えられるものである。単に統合が容易であるということだけではなく、分散型の構造であるので、小規模から大規模までスケーラブルなシステム構築が出来る。また、アプリケーションの開発も、ひとつの開発ツールで出来るという点が優れている。これぞeCTIを実現する最先端の解決手段である。これは、デジタル万能を信奉するEC派でもCTI派でもなく、ネオ・マルチメディア派と言えよう。既存のメディアも生かしつつ、新しいメディアにも対応し統合可能なものであり、分散型の理想的な解決方法であるので、これからの主流となることは間違いないと考えている。

以上は、日経BP社のBizITサイトに“Business Column-21”として2/28/00に寄稿したものです。

唐澤豊@唐澤塾
http://www.irisa.com/jp/
http://sohmokutoh.blog9.fc2.com/
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この記事に対するコメント

先日18日、CTFJユーザーズカンファレンスに参加させていただきました。
最後までの参加を予定しておりましたが、急遽別件が入りまして、途中で無礼させていただきました。
折角の機会でしたので、ぜひとも、ご挨拶させていただきたく思っておりましたが、すみませんでした。
早いもので、私も、この業界に携わってから10数年になります。
いろいろな技術の進歩があり、また、それにより、社会も、生活も、変ってきました。
しかしながら、やはり、最後は、人と人とのコミュニケーションといった基本のところに戻るのでしょうか?
アナログか?デジタルか?でなく、それぞれが、ともに融合して、新たな価値、文化、といったところでしょうか?
初めて返信をいたしますが、できる限り、自分の思うところを表現してみたいと思います。
まずは、ご挨拶方々、返信まで。
【2006/01/22 11:24】 URL | 宮崎和夫 #- [ 編集]

ご丁寧に有難うございます
宮崎様、

コメント、有難うございます。
私は、外資系での経験が長いのですが、言葉や文化の違いから、常にコミュニケーションが課題だ、ということになっていました。毎年毎年、課題はコミュニケーション、となると、もういい加減にコミュニケーションからは卒業しようよ、という意見が出て来るようになりました。そして、他の課題に取り組むのですが、結局根本的な問題としてはコミュニケーションだというところに常に帰結していたように思います。
それくらい、コミュニケーションは永遠の課題のように思われます。
【2006/01/23 12:49】 URL | 豊 #- [ 編集]


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PROFILE
唐澤 豊
  • Author:唐澤 豊
  • 還暦を期に長髪から一気に坊主頭にしました。これから20年間、第2の成人を迎えるまではこれでいこうと思います。でもやっぱり冬は寒いし、夏は暑いので、帽子を愛用しています。
    ●情報通信業界の米国系企業を中心に40年間、営業以外の仕事はほとんど経験。技術以外には、マーケティング・ブランディング、組織論、人事評価制度、企業文化なども経験。今まで3つ会社を始めましたが、被買収・売却などの後、4つ目の会社を後任に任せたところで、一昨年、仲間2人ともうひとつ会社を設立し、非言語コミュニケーションのサービスを開発中です。
    ●経営労働管理士。日本躾の会理事。
    ●音楽(ビートルズ、S&G、フォーク、ニューミュージック等)、グラフィックデザイン、水彩画を趣味とするので、マルチメディア技術の活用に大いに期待しています。読書、宇宙の真理探求が最近の趣味。ストレッチ、真向法、西勝造先生の西式健康法を実践中。
    ●故津留晃一さんの著作や講演録(CD)に触れて「人生の目的は体験することである」ということに納得しています。
    ●詳しいプロフィールは「自己紹介」のカテゴリーにあります。
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