唐澤塾
唐澤豊が情報通信技術+経営術+人生術+創造性を中心に一期一会を追求する私塾
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EC時代のCRMとコンタクトセンター---その12
---最新顧客動向と柔効超代---
最近、コールセンターを構築したいというお客様の動向が変わって来たと実感することがあった。そのお客様の計画は、分散していて一ヶ所の規模は10人以下と小さいがそうしたものを複数ヶ所置くことで、人や事務所などに新たな投資はしないでそれらをネットワークすれば良いということである。従来のようなSFA+DBMS+PBX+CTミドルウェアという重厚長大型のシステムでこうしたコールセンターを構築しようとすると、コストが合わないということで見送って来たが、そろそろ何か良いソリューションは無いだろうか?と探し始めていたというのである。
その解決のひとつとして考えられるのがUnPBXシステムである。ところがもう一方のニーズとして出て来たのがインターネットによるコミュニケーションも統合して、お客様から、いつでも・どこからでもコンタクトして貰わないと競争に勝てないということである。モバイル・データ通信と位置情報の活用というものも新たに加わって来た。こうしたところまで踏まえてこれからのシステム構築を考えると、従来のUnPBXシステムはそこまで十分に考えられたシステム・アーキテクチャーにはなっていない。
ということで、eCTIとかeCRMをうたい文句とするベンダーのソリューションを検討しているが、どうも高いし、満足できるシステムにはなりそうもないが、競争上、そろそろコールセンターを実現しないといけないので、仕方がないから重厚長大型でやろうかと試行錯誤の状態である。こうしたニーズは今年になってから、かなり多くなって来ていると実感している。
大手SIベンダーはダウンサイジングの掛け声の下、大型計算機やオフコンの時代から比べるとかなり安いクライアント・サーバー型システムを売って来たが、それでも金額の張るシステムでないと高い営業経費を賄えない。一方通信機器メーカーも信頼性が高いことを理由にユーザー・フレンドリーでない上に、かなり高価なシステムを主に総務部門に売って来た。この両者を統合する重厚長大システムは、やはりシステム単価が高くなければ、営業が動かないというのがまだ現実である。
最初に挙げたお客様は、自社でもソフトウェアの開発をしているので、尚更にSI各社から提案される現状のソリューションはフレキシビリティーが無い上に高すぎる、と感じており、もっと良いミドルウェアがあれば、データベースは既に存在しており、それは今更変更したくないので、アプリケーションは自社で開発してしまおう、との考え方に傾いて来ている。
もう1社の例では、2つの会社が合併し、1ヶ所に統合されるのを機に、将来を見越した社内情報システムの構築を考えたい、とのことで、交換機を大型に置き換え、配線を張り巡らせるよりも、移転して来る社員には携帯電話を持たせ、社内では内線電話として使えるようにしよう、ということである。将来的には、客先から社内イントラネットにアクセスして必要な情報をリアルタイムでお客様に提供できるようにしたいとの構想である。こうしたシステムも従来型のeCTIソリューションで実現するにはコストが高過ぎる。既存のシステムやこれからのシステムをそのまま活用して、最小限の仕組みとそれに見合うコストで実現したいわけである。
2つの例とも、かなり先の将来には、ASPという解決方法が考えられ、それが一番コストも安いであろうし、利用者側からすれば、システムの維持・管理の煩わしさも無く、理想的である。但し、現状ではそうしたサービスの話はあるが、実現するには、まだまだ時間が掛かりそうである。一番の問題は課金システムが高価であるといったことのようである。だからこうしたサービスを提供するのは、既に課金システムを持っている通信キャリアが最も有利であろう。
それまでは、分散型で、マルチメディア対応のコミュニケーション・サーバーを営業所や支店など社内の各部署単位に設置することがその解決策となるだろう。重厚長大から軽薄短小の時代と言われているが、軽薄も短小も連想するものはポジティブではない感じである。柔軟性があり、効果的に、超速で実現でき、新しいメディアの出現にも対応して代々使用が可能な互換性を持つシステムという意味で、「柔効超代」あるいは、柔軟かつ効果的なものは時代を超えて長く使われるという意味で、「柔効超代」がこれからは求められている、というのは筆者のこじつけ。
以上は日経BP社のBizITサイトに“Business Column-30”として7/10/00に寄稿したものです。29が飛んでいますが、どうも原稿ファイルが見つかりません。
唐澤豊@唐澤塾
http://sohmokutoh.blog9.fc2.com/
http://www.irisa.com/jp/
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【2006/02/20 23:00】
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PROFILE
Author:唐澤 豊
還暦を期に長髪から一気に坊主頭にしました。これから20年間、第2の成人を迎えるまではこれでいこうと思います。でもやっぱり冬は寒いし、夏は暑いので、帽子を愛用しています。
●情報通信業界の米国系企業を中心に40年間、営業以外の仕事はほとんど経験。技術以外には、マーケティング・ブランディング、組織論、人事評価制度、企業文化なども経験。今まで3つ会社を始めましたが、被買収・売却などの後、4つ目の会社を後任に任せたところで、一昨年、仲間2人ともうひとつ会社を設立し、非言語コミュニケーションのサービスを開発中です。
●経営労働管理士。日本躾の会理事。
●音楽(ビートルズ、S&G、フォーク、ニューミュージック等)、グラフィックデザイン、水彩画を趣味とするので、マルチメディア技術の活用に大いに期待しています。読書、宇宙の真理探求が最近の趣味。ストレッチ、真向法、西勝造先生の西式健康法を実践中。
●故
津留晃一さん
の著作や講演録(CD)に触れて「人生の目的は体験することである」ということに納得しています。
●詳しいプロフィールは「自己紹介」のカテゴリーにあります。
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