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プログラマー諸君!「コードは法である」
社会保険庁の年金システム問題の根幹について聞いた時に思い出したのだが、インターネットの世界や著作権に関係する世界ではよく知られている米国の憲法学者、ローレンス・レッシグ氏が著書「コード」について日本で少数の人たちに講演した時のことである。

著書の第一章は「コードは法である」というもので、その概要を最もよく表現している部分を、ちょっと長いが引用すると;

 サイバー空間は、規制と自由について考える人々に新しいものを提示している。こうした規制・制御がどのように機能し、そこでの生活をなにが規制するのか、ということについて新しい理解を要求する。それは、これまでの法律家の視野を越えて――ものを見るよう訴えかける。それは、新たに有力となった規制・制御手段を考慮に入れることを必要としている。
 その規制・制御手段というのが、本社の題名にもなっているあいまいな用語――コードだ。実際の空間では、われわれは法律がどのように規制・制御しているかを認識している――憲法や法令やその他の法的コードを通じてだ。サイバー空間では、コードがどのように規制・制御するかを理解する必要がある――サイバー空間を構成するハードウェアとソフトウェアが、どのようにして現在の形のサイバー空間を規制・制御しているか。ウィリアム・ミッチェルが言うように、このコードがサイバー空間の「法律」だ。コードが法なのだ。


ということだ。ここでコードというのはコンピューター・プログラムのことである。コンピューターがどう動いているかは、プログラムを書いた人とその動作を確認(デバッグ)した人しか知らない。だから法律や政省令を基に仕様を書いて発注したシステムがどう処理するかは実質的にはプログラムが決めている、もっと言えばプログラムを書いた人が決めている、ということになると彼は言っているわけである。

彼がその講演で明かしてくれたエピソードで印象に残ったのは、米国のどこかで、彼がこうした内容を講演した折に、講演後につかつかと近寄って来た女性が「私はプログラマーだけど、コードが法律だなんて、そんな恐ろしいことは言わないで!私はそんな責任は持てないわ!」と泣きながら訴えた、ということだ。

しかし、これが現実であり、正しい見方である。年金システムの場合も、現在のシステムのコードがどう処理するかを決めており、それが原因で問題が発生している面もあると考えられる。いや、そうだと当のプログラム書いた人たちが言っているのだから、間違いないだろう。入力ミスが問題になっているが、それをはじくようにするのが本来のプログラムである。惜しむらくはそのことが判っていながら仕様変更をせずに言われるままに書いてしまたことである。書いた人も日本国民であり、納税者であることを自覚していれば、もっと強く異議を唱えたのではないかと思う。しかし、企業に雇われている身であり、その企業は競争入札でやっと落札したプロジェクトであり、官僚から「いやなら他社にやって貰うからいいよ!」と言われてしまえば、要求仕様を飲まざるを得なかっただろうことは容易に理解できる。やっぱり悪いのは官僚である。

しかし、官僚とて馬鹿ではない、いや優秀な成績で大学を出た人たちであるから、本来ならば、そんな理不尽は要求仕様は出さないだろう。とすると、別の圧力が働いている、としか考えられない。それは政治家と考えるのが自然だろう。では政治家はどこから?誰から?それは闇だ。

いずれにしても、プログラムを書いている人たちは自分が法律を書いているに等しい仕事をしているのだという自負を持ち、責任を感じながら仕事に臨んで欲しい。兎角プログラマーは劣悪環境で低賃金で長時間労働を強いられるケースも多いと聞くが、いざという時「コードは法である」ということを盾に交渉することもできるだろう。またそうした技術者を管理する人やプロジェクトを受注して来る営業の人も「コードは法である」ということを理解していれば、プログラマーに無理難題ばかりを投げかけることは止めて、相手は法律家だと思ってもっとまともな対応ができるだろう。

学生の理系離れがますます進んでいると聞くが、プログラマーのような大事な仕事をしている人たちをちゃんと処遇しない現在の日本社会が問題である。IT時代にその法を創る人たちが日本にいなくなって、インドや中国に下請けに出していいのだろうか?そんなことをしていると、サイバー空間の法がわかる日本人がいなくなってしまうことになるのだということをもっと考える必要がある。

世のプログラマー諸君!君たちは法律家と同じ立場であるという自負と自覚を持って仕事をして貰いたい!そしてもっと自分たちの立場を主張していいと思う。私はそれを支援する。

唐澤豊@唐澤塾
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唐澤 豊
  • Author:唐澤 豊
  • 還暦を期に長髪から一気に坊主頭にしました。これから20年間、第2の成人を迎えるまではこれでいこうと思います。でもやっぱり冬は寒いし、夏は暑いので、帽子を愛用しています。
    ●情報通信業界の米国系企業を中心に40年間、営業以外の仕事はほとんど経験。技術以外には、マーケティング・ブランディング、組織論、人事評価制度、企業文化なども経験。今まで3つ会社を始めましたが、被買収・売却などの後、4つ目の会社を後任に任せたところで、一昨年、仲間2人ともうひとつ会社を設立し、非言語コミュニケーションのサービスを開発中です。
    ●経営労働管理士。日本躾の会理事。
    ●音楽(ビートルズ、S&G、フォーク、ニューミュージック等)、グラフィックデザイン、水彩画を趣味とするので、マルチメディア技術の活用に大いに期待しています。読書、宇宙の真理探求が最近の趣味。ストレッチ、真向法、西勝造先生の西式健康法を実践中。
    ●故津留晃一さんの著作や講演録(CD)に触れて「人生の目的は体験することである」ということに納得しています。
    ●詳しいプロフィールは「自己紹介」のカテゴリーにあります。
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