唐澤塾
唐澤豊が情報通信技術+経営術+人生術+創造性を中心に一期一会を追求する私塾
Web 2.0に見る文化の違い
インターネット上のブログ、SNS、仮想現実、動画投稿などのサイトに一般市民がコンテンツを投稿することで拡がった世界をWeb2.0と言ったり、CGM(コンシューマー・ジェネレーティッド・メディア)とも言うが、そこには国民性というかそれぞれの国の文化が現れているように思う。

これらの仕組みは最初に考えられ、開発・提供されたのは米国だが、それをそのまま利用している国が欧米ばかりでなく、中国やインドなどにも拡がっているようである。

一方、日本では、外資系企業に勤める人や英語の得意な人は、そうした英語バージョンのサービスをいち早く利用しているが、本格的な利用が始まるのは、国内ベンチャーが機能などを日本流にアレンジして提供してからである。

なぜ、単純に英語版を日本語に翻訳するだけでは普及しないのだろうか?

そこには文化というかリテラシーというか、国によって違いがあるからだと思う。

今、世界に通用している和製コンテンツとしては、マンガ、アニメ、ゲームがあり、アジア地域ではこれに音楽、映画も加わる。
そうした状況を生み出しているプロの底辺にはアマチュアやセミプロである一般市民も多く存在していると考えられる。
だから国産Web2.0はこうした利用者に向けた機能を提供しているものが普及しているように思う。

具体的には、ブログとSNSを一緒にしたような機能を提供しているMixiであり、動画にコメントができたり、開発ツールとも言える初音ミクという音声合成技術ソフトを擬人化したバーチャル歌手を提供したりしているニコニコ動画などは、日本ならではのものである。ブログにしても、日本ではその中身は日記が中心である。

一方、米国各社からのブログ、SNS、YouTube、SecondLifeなどのコンテンツは、ニュースや評論が中心のようである。日常生活でも、彼らは顔を合わせると、"Hi!" "How are you doing?" "What's new?"が定番であるから「何か面白いことある?」「何かニュースはあるかい?」というのが毎日の会話の中心なので、ネット上でも同じことが行われるのだろうと思う。

だから欧米や韓国ではCGMのニュースサイトが成り立つのに対して、日本ではホリエモンがやろうとしてうまく行かなかったように、市民投稿型のニュースサイトは余り活発ではない。

この間、どこかのメルマガで読んだのだが、米国ユーザーのYouTubeアクセス上位はニュースで中国ユーザーはアダルトものだとのことだったが、ここにも国民文化の違いが現れていると思う。

私も米国で新しいサービスが提供され始めると、使ってみるのだが、しばらくすると飽きて来て、余りアクセスしなくなってしまうという経験をしているが、それは機能的に単純で横展開が少ないからではないかと思う。まあ、英語圏ではなかなか仲間が増やせない、ということもあるかも知れない。

そういえば、GoogleのOrkutというSNSでは、最初の頃は英語だけで、ある程度の文化が存在していたと思うが、そのうち、様々な言語が使えるようになると、ブラジル人とイラン人が、あちこちのコミュニティーでルールに反して勝手に自国語でコミュニケーションを初めて、彼らに乗っ取られてしまうという現象が起きた。言語は文化の根幹のひとつであるから、ひとつのSNSではひとつの言語でやるべきだとその時感じた。

今、日本のビジネス界ではSecondLifeに出店することが話題になるが、効果については甚だ疑問である。仮想世界は所詮ゲームのような遊びにしか通用しないのではないかと思う。

それに比べて、国産のニコニコ動画は利用者同士のコラボレーションによってコンテンツが広がるようなので、単にコミュニケーションが拡がるという米国のYouTubeやSecondLifeよりもCGM度は高いのではないかと思う。

また、ユーザーインターフェースの問題もあるかも知れない。
世界で売れているノキア製の携帯電話が日本では売れていないという。一方、アップルのiPodは日本でも売れている。来年はiPhoneが日本でも販売されるのではないかということだが、あれが売れるかどうか、興味があるが、iPodTouchのユーザーインターフェースはiPhoneと殆ど同じだということだから、売れる可能性は高いだろう。

iPodやiPhoneの部品には多くの日本企業のものが使われているのに、なぜ日本企業はああしたものを開発できないのか?という議論があるが、最大の問題はユーザーインターフェースではないかと思う。
しかし、任天堂のゲーム機は世界中に売れているのだから、万人にわかりやすい・使いやすいユーザーインターフェースが日本で開発できない、ということではないだろう。

日本の電話機・パソコン・家電製品のメーカーがそういうところを重視していないため、ユーザーインターフェースの開発技術者が育っていないのだろうと思う。

唐澤豊@唐澤塾
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この記事に対するコメント

残念だがiPhoneには 日本の部品は使われて無いようですな↓

http://slashdot.jp/mac/07/01/15/093238.shtml
【2007/12/10 01:53】 URL | 訪問者 #- [ 編集]

iPhoneへの部品供給メーカー
訪問者さん、
日本メーカーの部品はない、とのことですが、
下記のいくつかのサイトによると、
村田製作所、太陽誘電、東芝、シャープ、エプソン、
などの部品が使われている可能性は高いようですよ。
http://blog.livedoor.jp/sarutan05/archives/50899392.html
http://www.stockstation.jp/stocknews/2822
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-26699820070703
【2007/12/15 18:49】 URL | 豊 #- [ 編集]


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唐澤 豊
  • Author:唐澤 豊
  • 還暦を期に長髪から一気に坊主頭にしました。これから20年間、第2の成人を迎えるまではこれでいこうと思います。でもやっぱり冬は寒いし、夏は暑いので、帽子を愛用しています。
    ●情報通信業界の米国系企業を中心に40年間、営業以外の仕事はほとんど経験。技術以外には、マーケティング・ブランディング、組織論、人事評価制度、企業文化なども経験。今まで3つ会社を始めましたが、被買収・売却などの後、4つ目の会社を後任に任せたところで、一昨年、仲間2人ともうひとつ会社を設立し、非言語コミュニケーションのサービスを開発中です。
    ●経営労働管理士。日本躾の会理事。
    ●音楽(ビートルズ、S&G、フォーク、ニューミュージック等)、グラフィックデザイン、水彩画を趣味とするので、マルチメディア技術の活用に大いに期待しています。読書、宇宙の真理探求が最近の趣味。ストレッチ、真向法、西勝造先生の西式健康法を実践中。
    ●故津留晃一さんの著作や講演録(CD)に触れて「人生の目的は体験することである」ということに納得しています。
    ●詳しいプロフィールは「自己紹介」のカテゴリーにあります。
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