唐澤塾
唐澤豊が情報通信技術+経営術+人生術+創造性を中心に一期一会を追求する私塾
異端を認め誰とでもコミュニケーションして相互理解を!
今度の東日本大震災とそれに起因する福島原発事故について様々な議論がされている。

そうした中で、どうも日本では異端の意見が無視されたり攻撃され、排除される傾向があるように思う。

多くの人が今回の地震・津波は想定外だった、と言っているが、以前から警告していた人もいたけれど、
それらは日の目を見ていない場合が多いように思う。

例えば、地震予知については、東海、東南海、南海地域で地震が起きるだろう、ということで行政も学会も
人材と資金を投入して色々なことをやって来たが、その他の地域は余り注意されていなかった。

しかし、琉球大学名誉教授の木村政昭氏は「大地震の前兆をとらえた!」(2008年第三文明発行)という著書で、
福島県東部沖、鹿島灘、千葉県北東部が危ないと予測していた。
逆に東海、東南海、南海ではしばらく起きないとの予測であった。

また、同氏が昨年10月に刊行した「地震の目で予知する次の大地震」(マガジンランド発行)の
「エリア別予測 東北・北海道の地震」の章では「今後は三陸沖を警戒すべき」とあり、
「福島県東方沖にも地震の目がはっきりと観測されていて周辺陸域の火山活動も加味して
算定すると2010年 +/- 4年に、M7.6前後の地震が発生する可能性がある」と書かれていた。

これらは今回の地震にかなり近い予測である。

こうした意見は地震予知連からは無視されたものと考えられるが、様々な意見があることは広く国民に
知らせるべきであろう。

またSBIの北尾吉孝社長の20011年の年頭所感が今回の地震を予側していたと話題になっている。
http://www.sbi-com.jp/kitao_diary/archives/201101042379.html

彼を異端と呼ぶかどうかは人によるだろうが、ここで彼が次のように書いている。

過去の辛卯の年をみると、自然災害など天変地異の異常や予期せぬ出来事が起き易い。特に地震である。
地下に蓄えられたエネルギーが地上に向かって動き出す。


ということで、彼は暦をベースにしているわけで、今時暦を信じるなんて、という人は多いだろう。
そういう意味では異端であろう。しかし、暦や占いは統計・確率の応用である。

木村教授も北尾社長も根拠にしているのは統計とそれによる確率である。
科学的に仕組みが解明されていない地震予知のような分野では統計・確率も十分考慮する必要があるだろう。

福島原発の開発前に、昔の地震や津波のことを上げて、現在の場所では危ないと警告した人がいたのに、
過去の2回や3回のデータだけで危険だと説得するのは難しい、と聞き入れられなかったそうだ。
過去20年間のデータにだけに基づき判断されたそうだが、それではまずいだろう。
1000年単位で起こる地震・津波・噴火などはあるわけだから。

また今回のような原発事故の可能性についても言及し、国会で証言していた人がいた。
http://www.stop-hamaoka.com/koe/ishibashi050223.html

神戸大学の石橋克彦教授は2005年の衆議院予算委員会公聴会で巨大地震の長周期振動は被害を大きくすることを
指摘されていたが、今回の東日本大震災も正に長周期振動であった。

そして浜岡原発での原発震災の可能性を指摘されていた。

普通、原発の事故というのは単一要因故障といって、どこか一つが壊れる。
で、その場合は多重防護システム、あるいはバックアップシステム、安全装置が働いて、
大丈夫なようになるというふうに作られているわけですけども、地震の場合は複数の要因の故障といって、
いろんなところが振動でやられるわけですから、それらが複合して、多重防護システムが働かなくなるとか、
安全装置が働かなくなるとかで、それが最悪の場合にはいわゆるシビアアクシデント、
過酷事故という炉心溶融とか核暴走とかいうことにつながりかねない訳であります。


と今回の事故を予測していたかのように証言されていたのだ。
今回はこうした地震だけでなく、大津波も襲った。
石橋教授は最後に次のように述べておられる。

で、そういうことからして、全国の原子力発電所の原発震災のリスクというものをきちんと評価してですね、
その危険度の高い物から順に段階的に縮小する、必然的に古い物から縮小されるということになると思います
ので、そういうことを考えない限り、大変なことが起こって、まあ世界が一斉に救援に来て、同情してくれる
でしょうけども、逆に世界中から厳しい非難を浴びるということにも成りかねないわけで、こういうことを
急いでやることは日本の責務だろうと思います。


国会で証言されたということで、石橋教授の意見は異端ではなかったとも言えるかも知れないが、
浜岡原発は稼働中であり、他の原発も停止・廃炉にはなっていないことから、この意見が何らかの形で
反映されたとは思えない。

この時点で、福島第一原発のような古いものは停止・廃炉にすべきであったのだろう。

さて、話は少し変わるが、福島原発からの放射性物質の漏洩・飛散により、東京に滞在していた諸外国の大使館員
や家族、外資系企業の従業員などが関西以西に避難したり、本国に帰国したりして、それに同調して東京から
関西以西や外国に疎開する人も現れたわけだが、それについて「逃げるのか!」「私は逃げない」といった批判が
出ている。
特に小さな子どもを持つ家族は少しでも安全なところに一時的に避難しよう、と考えることは親としては
十分あり得ることで、非難される筋合いではないが、福島原発から約250キロ離れた東京ではそこまでしなくても、
という意見が大勢であり、今のところ少数派であろう。

こうした状況を見ていると、異なる意見を許さない全体主義的な考え方が日本ではまだまだあると思われ、
残念である。もしかしたら(最悪の事態は想定したくないが)、東京からも脱出しないと安全ではないような
事態になった時に、1千万人以上が移動しようとしたら、パニックになることは、この震災と計画停電による
電車の運行削減で証明されているから、早く脱出した人たちの判断が正しかったということになるかも知れない。

またまた話は変わるが、日本ではベンチャー企業が育たないとか、世界に通用する技術やソフトウェアが
なかなか出てこない、という話がある。

例えば、マイクロプロセッサーはインテルが世界で最初に開発したわけであるが、実は日本の某社では
同じようなことを考え、提案した技術者がいたが、採用されなかったということである。
またこれは実際に私の部下が考案した個別暗号化案も会社が特許申請をしないことになり、
技術者が個人で申請したが、その後、インテルでは似たような技術で今の製品には組み込まれている。

こうしたことがなぜ起きるのかと言えば、異端の考えを認めない風潮が強いからだろうと思われる。

また、日本の大学では理系の学生にとって哲学は必須科目ではないが、欧米では必須であると聞く。
日本の技術者が技術バカになり勝ちなのは、人間としての根本的なところを広くきちんと学んでいない
ためではないかと私は考えている。

まあ、本当に異端はそんなことすら構わずに、ひたすら自分の考えで突き進む面があるのだろうが、
最終的には多くの人の理解を得なければ世界で使って貰える技術・製品にはならないから、
コミュニケーション能力も重要である。

Rubyとういうコンピューター言語が世界で使われているが、元々それを開発したのは「まつもとひろゆき」
という日本人青年(まあ既に45歳だが)である。それを世界中の技術者と共同で開発している。
彼はどうしてそうしたことができたのか?と考えると、彼はキリスト教徒であり、西欧人の文化・思想の
背景を理解し、コミュニケーションができるからだろうと思われる。

宗教の面から考えるとキリスト教、イスラム教、ユダヤ教などは一神教で、神道・仏教のような多神教が
母体となっている日本人の文化の方が異端を認めそうで、彼らこそ異端を認めず宗教戦争をして来たわけだし、
今も中東問題はそれが続いていると見ることもできるが、皮肉なことに、こと国際的コミュニケーションとなると、
我々日本人は不得手な人が多いように思われる。

異端を認めつつ誰とでもコミュニケーションをして相互理解を深めることができる

ということがこれからの国際社会では求められている。

唐澤豊@唐澤塾
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PROFILE
唐澤 豊
  • Author:唐澤 豊
  • 還暦を期に長髪から一気に坊主頭にしました。これから20年間、第2の成人を迎えるまではこれでいこうと思います。でもやっぱり冬は寒いし、夏は暑いので、帽子を愛用しています。
    ●情報通信業界の米国系企業を中心に40年間、営業以外の仕事はほとんど経験。技術以外には、マーケティング・ブランディング、組織論、人事評価制度、企業文化なども経験。今まで3つ会社を始めましたが、被買収・売却などの後、4つ目の会社を後任に任せたところで、一昨年、仲間2人ともうひとつ会社を設立し、非言語コミュニケーションのサービスを開発中です。
    ●経営労働管理士。日本躾の会理事。
    ●音楽(ビートルズ、S&G、フォーク、ニューミュージック等)、グラフィックデザイン、水彩画を趣味とするので、マルチメディア技術の活用に大いに期待しています。読書、宇宙の真理探求が最近の趣味。ストレッチ、真向法、西勝造先生の西式健康法を実践中。
    ●故津留晃一さんの著作や講演録(CD)に触れて「人生の目的は体験することである」ということに納得しています。
    ●詳しいプロフィールは「自己紹介」のカテゴリーにあります。
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