唐澤塾
唐澤豊が情報通信技術+経営術+人生術+創造性を中心に一期一会を追求する私塾
今の日本は国家百年の計を立てられるか?
昨日「希望あふれる日本へ」という勉強会があったので参加してみた。

会のリーダーであるSさんの話で始まったのだが、Sさんはその前日、慶応と東大の学生に
別々に会って、話をしたところ、このふたりとも、

「今の日本は一度駄目にならないと再生できない」

と考えていると言ったので、本当にびっくりし、ショックだったとのことだった。

そして、そんなことになったら大変だと気を取り直して、色々話をして、慶応の学生は納得したが、
東大の学生は納得せず、自論を曲げなかったという。

その後の話は、今の日本の大きな課題である、政治・経済の問題を解決するためには、次の総選挙に向け
自分達でマニフェストを作り、それに合意する政治家を募集し、選挙でキャスティング・ヴォート
を握れるくらいの票(百万票)を獲得して20人くらいの政治家を当選させようということだった。

そして参加者の意見が色々と述べられたが、既成の法律・制度・枠組み等から一歩も抜け出ていないと感じ、
大前研一の「平成維新の会」などと変わらない結果になるのではないかと予想している。

◇ ◇ ◇

奇しくも私は同じ頃(29日の夕方)、早稲田大学の理工学部で開催されたMITメディアラボ副所長の
石井裕さんの講演を聴いていた。
以前、NHKの番組で紹介されたので、石井さんのことはご存知の方も多いと思われるが、

「出る杭は打たれるが、出過ぎた杭は打たれない」

という言葉が彼の名言のひとつである。

アラン・ケイの推薦で当時のMITメディアラボ所長のニコラス・ネグロポンテの面接を受け、
NTTの研究所からMITに移籍した。後で採用理由を聞いたら、Passion(情熱)だったとのこと。
彼は、MITに入って、今までやってきた研究を続けてやらせて貰えると思っていたら、

「過去のことは全部忘れて、ゼロからやる、それが条件だ」

と言われてびっくりしたそうだ。

そして彼が取り組んだのはタンジブル・ビットという新しい分野である。
今、彼の研究は、次のフェーズに入り、ZERO Reboot(ゼロからの再起動)ということで、

「そこに山があるから登る」

という今までの考え方ではなく、

「山が無ければ自分で山を造って登る」
「登ったら、また次の山を造り、登る」


ということで、

「ゼロからの再出発で高みに登る」

ことに挑戦し続けているということだった。

これは、慶応と東大の学生がSさんに、

「今の日本は一度リセットしてからでないと再生できない」

ということと同じではないか!と思った。

また、石井さんは、

今の技術は1年で陳腐化する
市場・顧客のニーズは10年で変わる
理念・ビジョンは100年は変わらない


ということで、

目先の技術や顧客ニーズばかりを追いかけても山を造ることはできない
重要なのは理念・ビジョンだ


ということであった。

◇ ◇ ◇

私は学生時代は「デザイン研究会」というサークルに入っていたが、
「デザインとは?」という議論をし、勉強をしたわけだが、その結論としては、

「デザインとは既成概念を打破すること」

ということに落ち着いた。

◇ ◇ ◇

グラウンド・デザインをするには既成概念・常識を打破しなければできないわけである。

混沌として問題山積の今の日本を立て直すのに、マニフェストといった数年単位の
(それどころか民主党の現政権は政権を取ったらマニフェストを捨ててしまっているが)
目標を立ててみたところで、国家という複雑な社会システムの根本的な問題を解決することはできない。

しかし、Sさんの講演の後、参加者が述べたことは、マニフェストにもならないような
枝葉末節のことばかりであった。

景気回復が第一で、それから消費税増税でなければ経済は破綻する、といったことや、
まず出費を押さえることからやらないといけない、といった小手先の話であったが、
バブル崩壊後の日本は最初に「失われた10年」と言われていて、その後は回復するのかと思いきや、
今では「失われた20年」とういうことで、まだ先は見えない。

◇ ◇ ◇

今の日本では、どんな小手先の小細工をしても経済は回復しないと私は考えている。
その理由は、

「そこに原因があるわけではない」

と考えるからである。
では原因はどこにあるのか?

高度成長期には

「アメリカに追いつけ、追い越せ」

というのが日本人の大きな目標であった。

日米安保闘争の後は、学生も労働組合も、体制側・資本家との闘争が薄れて
経済成長一辺倒となってしまった。

そして世界第二の経済大国になり、

「もうアメリカは怖くない」

という気運が広がり、

「もうアメリカは超えた」

ということを言い出す市場分野もあった。

そこにバブルがはじけたわけである。

その後の20年は政・官・学・財界は短期的な対症療法ばかりを議論して来ただけで、
誰も長期ビジョンを語り、構築しようとはして来なかった。

今の日本に必要なものは100年後はどういう国にするのか?という国家百年の計である。
それが無ければ、どんな小細工をしても将来が不安である国民の気運は変わらないだろう。
だから景気回復は起きないのである。

◇ ◇ ◇

これは10年前にもわかっていたことで、私は日経新聞のネット会議で、

「今の日本に必要なのは国家百年の計である」

と書いたが、

「ドッグイヤーと言われる時代で、5年先は予測できない、ましてや100年先のことなど考えられない」

という大勢の意見に押しつぶされて、議論はできなかった。

◇ ◇ ◇

それからまた10年が経ち、昨年の311である。
これは日本にとって神が与えてくれたチャンスであると思う。

今、我々に必要なことは

「100年後の日本をどういう国にするのか?」

ということを皆が真剣に考え、議論する時である。
目先のことに一喜一憂している場合ではない。

◇ ◇ ◇

こんなことも指摘できないマスゴミはレゾンデートルを失ったのだが、気づいていないようで、
彼等は国民から見放され、これからますます凋落の一途を辿るであろう。

記者クラブ?論外である。
国際化の時代にまだ存在していること、それなりの価値があると維持を目論むマスゴミ人は
風前の灯も見えない可哀想な連中である。

こういったことはTwitterをやっている人たちは良くわかっている。

唐澤豊@唐澤塾
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【2012/07/01 07:01】 計象(百年の計) | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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PROFILE
唐澤 豊
  • Author:唐澤 豊
  • 還暦を期に長髪から一気に坊主頭にしました。これから20年間、第2の成人を迎えるまではこれでいこうと思います。でもやっぱり冬は寒いし、夏は暑いので、帽子を愛用しています。
    ●情報通信業界の米国系企業を中心に40年間、営業以外の仕事はほとんど経験。技術以外には、マーケティング・ブランディング、組織論、人事評価制度、企業文化なども経験。今まで3つ会社を始めましたが、被買収・売却などの後、4つ目の会社を後任に任せたところで、一昨年、仲間2人ともうひとつ会社を設立し、非言語コミュニケーションのサービスを開発中です。
    ●経営労働管理士。日本躾の会理事。
    ●音楽(ビートルズ、S&G、フォーク、ニューミュージック等)、グラフィックデザイン、水彩画を趣味とするので、マルチメディア技術の活用に大いに期待しています。読書、宇宙の真理探求が最近の趣味。ストレッチ、真向法、西勝造先生の西式健康法を実践中。
    ●故津留晃一さんの著作や講演録(CD)に触れて「人生の目的は体験することである」ということに納得しています。
    ●詳しいプロフィールは「自己紹介」のカテゴリーにあります。
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